2004年02月の記事


東京星菫派2.29 青山は俺にあるかや?
あれも捨てこれも捨て身辺がだいぶすっきりしたので
ついでにウェブサイトのタイトルを東京星菫派に変更。

digitalJapanesqueシリーズの端緒を閏年の2月29日付けで切ることに決めた。

[何も願わず何も語らず我と我が貧しき夢と君のほかには]福島泰樹のこの歌の世界をこの世の風と光と空気と水が織りなすアラベスクとして、さみしさを抱え込んだり切なさに涙ぐんでいる人を慰謝できたら…。元気と勇気の素のひとかけらとなれたら。すこし照れるが、それが東京星菫派の願いである。

と、2年前の秋に書いた。
スケッチの時間はもう充分に過ぎたのだと思う。
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2週で5回目のごま付け麺。
ごま付け麺が食べたくなりサンダルつっかけて出かける。
この2週間で5回目くらいか。つまみのチャーシューを別にもらう。
途中で飽きていることに気づいが、このあいだ店主に「うまいね、こいつは」と声をかけたばかりなので
ムリ喰い。腹ごなしに公園経由で歩く。予報ほどではなかったが、けっこう冷えていた。
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ちあきなおみの《朝日楼》と《ダンチョネ節》
を聴きたくなってCDを探すが見つからず
古いiTunesのライブラリーに残っていたものをコピーして
エンドレスで聴きだして5回くらい繰り返すうちに急にパスタブの掃除をしたくなった。
素っ裸になり、30分かけ、磨き上げる。
ついでに髪を洗った。1週間ぶり。
エアコンの風で頭を乾かしながら《ダンョネ節》をリピート。

ひさしぶりにじっくりと聴いた。
去年、菱沼さんにCDが出ているのを教えてもらい手に入れたもの。
郵船博物館の近くのなんとかいう食堂のマスターに《朝日楼》の入っているCDを持っていく約束をしていたことを思い出す。
もう8ヶ月過ぎてしまったが。

魁夷の件は、小休止。
いよいよDJにかかりたい。
今井さんの《女鬼》など、オフィスに戻したことだし。
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朝日のあたる家のバッグピープル
渡辺のオフィス整理がほぼ目処がついたというので
手元の資料を紙袋6個分+ダンボール1箱持っていってもらう。
日本郵船博物館、JRlinear、東山魁夷美術館と
今井さんの絵本関係など。


このところ家にいながらバッグピープル状態だったことをあらためて実感。
机の置いてあるのは東南の窓辺なので太陽の光がふんだんに入る。
なので「朝日のあたる家のバッグピープル」。

掃除機をかけるのは後回しにし
せっかくすっきりしたのだから
とりいそぎ山口ロケの撮影プランほまとめることに。
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《ボーリングコロンバイン》★★
WOWOW。
底の浅さばかりが目立つ。
トロントでは家に鍵をかけていない人が多いというシーンだけが印象に残る。
ほんとうか嘘か、単なるマーケッティングスタイルの問題なのかはともかく、
夜中に歩いていても不安のなさそうな街だったな、と枝葉で納得。

腹が空いたのでコンビニに行ったら、寒気にひっぱたかれたような気分にさせられた。
ゆうべホテルの窓を開け放して寝たのが嘘のようだ。
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《シンセミア》春に難渋。
キャプチャーしたデータをもらいがてら外に出たら
いきなり真冬の寒さになっていて目が覚めてしまった。

戻ってから4時間、梅田で見かけた菜の花の群れを
思い浮かべながらまどろんで゜いた。
なぐりつけるような北風を5分からだに受けただけで
眠気が吹き飛ぶ。
春は、名のみとはいうが。

阿部の《シンセミア》上巻がまだ終わらない。
山形県神町の人間模様はページをめくるたびに混迷を深めていく。
春のまどろみのなかで読みはじめるような代物じゃなかったかもしれない。
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山火事と警察犬
羽田-山口-大阪-東京と春爛漫の西日本を移動。
三島の辺りで火災のため1時間近くストップ。
きれいな夕空を眺めながら帰京。
東京20℃。四月下旬の陽気とか。

品川に着いたらホームにも改札も警察官の蒸れとマスコミ。
なぜか警察犬までいた。

きのうは山口発17時の新幹線で新大阪へ。
いづつで牛スジネギ焼を食べ梅田の阪急ホテルにチェックイン。
未明2時過ぎにキンコーズでのプリントとコンビニでのカラーコピー12セットをアップ。
見届けてからベッドに入ったが眠れず。
ひさしぶりにFMラジオを夜明けまで聴いて過ごした。

今夜から明日にかけてぐっと冷え込むらしい。
さすがに疲れた。



++++++++共同通信より
「26日午後2時20分ごろ、神奈川県藤沢市用田の山林から出火、強風にあおられた火の粉が現場近くのJR東海道新幹線の線路側に飛ぶなどし、新幹線は午後3時半から約1時間にわたり新横浜−小田原間で上下線の運転を見合わせた。
 JR東海によると、東京発新大阪行き、ひかり277号が約1時間遅れるなど上下計24本が遅れ、約2万2000人に影響が出た。
 藤沢市消防本部によると、約3時間後に鎮火し、約10万平方メートルを焼失。けが人はなく、送電線などにも影響はなかったが物置1棟と廃車2台が燃えた。
 横浜地方気象台によると、藤沢市付近では風速10メートルの風が吹くなど強風、乾燥注意報が出ていた」
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朝飯前とあと。
《TAPE》で少し興奮したのか、
ベッドに入って《シンセミア》を読んでいるうちに眼が冴えてきた。
で、起きた。でっかいチーズトーストをつくり朝飯。
まだ夜が明けていないので朝飯前?の飯。
こんな時間に届いたばかりの日経産業新聞を読んでいると
おれはなんと勤勉な男なのだろうかと、感心する。
6時30分に渡辺と待ち合わせ。この時間なら京浜急行の踏み切りで足止めくわず、15分で羽田に着くだろう。
この間の札幌ロケハンといい、このところロケハンに限っては、
連続していちばん乗りである。あまり意味あることではないが、なんとなく嬉しい。
結局は外で寒い思いしながらタバコをふかすことになろうとも。

準備はすべて終わったので間が持たずにこんなことを書いているが、
webというのは、しかし、おかしなモノだ。
これが紙でできた日記のようなものだったら、まず縁がないはず。
少なくとも、いまの俺には縁がない。はず。
にもかかわらず、だ。

これは誰に向けて書いているのかというと
やはりいちばんの対象は自分なのだ。
その意味では昔ながらの《日記》。
だが、同時に少数の《誰か》を意識もしている。
何人かは知った顔であり、それ以外は見知らぬ他者。

webをこんな使い方をするようになってから
《権利》という感覚がすっかり変化してしまった自分がいる。
こんな場所に20%程度のぼかしかけただけで
気持ちをさらけ出してしまっていることが不思議でならない。
ときどき読み返している自分が奇妙でならない。
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《TAPE》★★★★★★!!!
件名: [tojibu3:00526] TAPE
送信日時: 2004年 2月 25日 水曜日 1:54 AM


場所はモーテルの一室。登場人物は三人。音楽無し。

芝居の映像化はたいてアップの多用で失敗します。
でも引いているだけだと舞台の迫力はなぜか出ない。
映画は、そもそもが芝居を再現するものだった
にもかかわらず、ね。

舞台劇のような制約を使いながら
映像でしか出来ないことをやってのけちゃった
天才の映画をいま見終わったので、興奮してます。

もしかしたらミニシアターなどで
ご覧になっているかも知れませんが
ぼくは偶然、昨日ツタヤで借りました。


タイトルは「TAPE」
いわゆる典型的なインディペンデントムービーです。
でもとてもゴージャスクールな一本です。
監督はリチャード・リンクレイター。
三人の出演者は
イーサン・ホークユア・サーマン夫妻とロバート・ショーン・レナード。


ぼくはDVDをレンタルしましたが
この作品に限ってVHSでもOKです。
画質を上回る「なかみ」。
こういうのはまず、無いと思っていたのに。


テレビが「24時間」という掟破りをしてしまったら
映画に残された可能性はあるいはこういうものなのかな、
なんて考えさせられています。
webで知ったのですが、リチャード・リンクレイターの作品には
『恋人までの距離<ディスタンス>』
『ニュートン・ボーイズ』
『ウェイキング・ライフ』などがあるらしい。

ロケハンから戻ったら
『ウェイキング・ライフ』を借りてこようと思ってます。




ひとねむりしたら羽田に行って
今日は山口ロケハンです。





以下はとりあえず公式HPから抜粋+++++++++++++
http://www.mediasuits.co.jp/tape/

 アメリカのインディペンデント映画界を代表する才人監督のひとりとして、いつも革新的な作品を世に送り出している。この『テープ』は近年の彼のベスト作品として全米では高い評価を受けた。

 1960年7月30日、テキサス州ヒューストン生まれ。サム・ヒューストン州立大学を卒業後、車や石油採掘に関する仕事を経て、映画を撮り始める。88年に自身で製作・脚本・主演・撮影なども兼ねた短編It's impossible to learn to plow by reading booksを演出。そして、91年にはオースティンの大学街の様子をドキュメンタリー・タッチで描いたSlacker(91)で本格的に監督デビューする。この作品はこの年のサンダンス映画祭で高い評価を受け、リンクレイターはその才能が注目される存在となった。93年には70年代中期テキサスのティーンたちの生態を描いた『バッド・チューニング』(93/ビデオ発売のみ)を監督するが、この作品にはミラ・ジョヴォヴィッチ、マシュー・マコノヒー、ベン・アフレック、パーカー・ポージーなど、未来のスターが総出演していた。

 95年にはイーサン・ホークと運命的な出会いを果たし、ジュリー・デルピー共演のラブストーリー『恋人までの距離<ディスタンス>』を作り、世界中の批評家から絶賛された。96年にはエリック・ボゴジアンの脚本を使ったSubUrbia(日本未公開)を監督。98年には再びイーサン・ホークと組み、マシュー・マコノヒー、スキート・ウールリッチ、ヴィンセント・ドノフリオ共演のテキサスの兄弟強盗の物語『ニュートン・ボーイズ』を演出した。2001年には『テープ』が批評家に絶賛されたが、同じ年、異色アニメーション『ウェイキング・ライフ』(02)も監督。イーサン・ホークやジュリー・デルピーらが出演陣に参加した。哲学的な魂の旅をアニメーションで描くという風変わりなスタイルが全米で注目され、リピーターも続出する作品となり、リンクレイターの評価はますます高いものとなった。

 俳優としてはScotch and Milk(98)や『スパイ・キッズ』(01)などに出演している。新作はミュージカル・コメディのSchool of Rock(03)。
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ロケハン準備のつもりが
ファイルをコピーしているうちにMacが不機嫌になり
中断。

なんとかごまかしながらデスクトップからノートに移動完了。

ったく、バカMacである。
なにかしたいと思うと飼い猫のようにそっぽを向くのだ。

ノートにノートン走らせて、
風呂に入りヒゲを剃って明日のパンツを用意したら日が変わってしまう。

なんつーことだ。
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ロケハン準備
撮影プランのフォーマットをそれぞれのポジション別に
7ページつくり、データをコピー。
山口も大阪も過ごしやすそうなので
明日はパワーブックとТシャツのみで出ることにした。

ほんとにもう寝ちゃおうかなあ。
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三日月など
ツタヤにDVDを返しがてら、駅ビルのコーヒーハウスで渡辺と打ち合わせ。
明日は5時起き。6時30分にはタクシーに乗るということに。
外に出たのが5時30分ころ。夕空に白い月が出ていたが
帰る頃には冴え冴えとした月夜になっていた。
このところの春嵐のせいか、星もはっきりと見えた。

明日はやいから今夜はもう寝ちゃおうかな、と思う。
早寝早起き。いま7時。
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切りモチ
急にモチが食べたくなりコンビニへ。
切モチ一個をレンジで2回焼く。
2回焼くとけっこうカリッとしてくるので。
白湯を飲みながら食う。
すっと寒くなったからか、うまい。
公園の枝垂れ桜はさらにふくらんで見えた。
週末のバカ陽気ですっかりその気になったみたいだ。

明後日は7時過ぎに羽田。山口へ。
ロケハンの後、大阪に新幹線で移動。
翌日、梅田の本社で撮影プランの打合せ。
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《ヤアヤアシスターズの聖なる秘密》★★★★★
まことにハートウォーミングかつ洒脱。
DVDレンタル
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《デブラ・ウィンガーを探して》★★★★★
DVDレンタル

いちばん印象に残ったのは
ラストのジェーン・フォンダとデブラ・ウィンガーの
引退した二人のコメントだった。
J・フォンダはスクリーンの魔術の瞬間に思いを馳せ
D・ウィンガーはその逆の感慨をさらりと語った。
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千歳空港閉鎖
というニュースを見ながら、
十日ずれてりゃ、間に合ったのにと不謹慎な感想。
千歳の上空で一時間旋回し、函館に降ろされたことがあった。
あのときは市内で寿司を食ってから夜汽車で札幌に向かった。
現地スタッフは新空港にしてから降雪で降りられないことは無くなったと言ってたが、
まだまだあるじゃねえか。
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《ギャング・オブ・ニューヨーク》★
WOWOW
なんともお粗末。
M.スコセッシだもの。デュカプリオだもの。
たぶんこんなものだろうな、という予想通りの情けなさで最後まで。
劇場で観た人は、きっと呆然としただろう。
それにしても金だけはふんだんに遣っていたが。
デュカプリオ好きが周囲に何人かいるが、
こんなトッチャンボウヤみたいなののどこがいいのだか。
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《ラ・タービュランス》★★★★
DVDレンタル。
リュック・ベッソン製作指揮
監督マノン・ブリアン

なんとも奇妙な味わいがあり、けっこう愉しめた。
パスカル・ブシェールの表情は見ごたえあり。
地震も、フランスにかかれば恋の調味料?

冒頭の東京シーンが実にチープでほほ笑ましい。
登場する日本人たちはチープを通り越して本質的にリアル。
まあ、こんなもんだろう。
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《アイデンティティ》★★★★
充分にキテレツなサイコスリラーでありました。
雨。交通止め。辺鄙なモーテル。
グランドホテルスタイルは現代では
こんなシチュエーションにこそリアリティがあるのかも知れない。
バーチャルヘッドフォンでボリューム最大にして観たが
終わったら春の嵐も止んでいた。
レンタルDVD
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春嵐に血がたぎる。
あんまり家が揺れるのでわくわくして外を歩いてみた。
路地の植木鉢はすべて倒れ、放置自転車もぜんぶ将棋倒し状態。
新聞紙や枯れ葉が宙を舞い、夜の街は悪夢のようである。

大分では昨日25℃を越える夏日を記録。
東京も深夜〇時をまわって17℃。
春一番からわずか一週間。
いやなんとも今夜の春の嵐は凛々しく、猛々しい。

嵐は、しかしいいなあ。
ふつふつと体の中の血が滾っていく。
公園から公園までの200mほどを跳びはねながら走ってみた。

この前走ったのはどのくにい前か。
まだ10代の頃ではなかたっか。


今夜はこれから角木さんオススメの《アイデンティティ》でも観ることにしよう。
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この春の満腹餃子館http://homepage.mac.com/y_natsu/PhotoAlbum134.html
あかりやさんが送ってくれたガイドブックから。
あと二年もすればこの店はなくなる。
満ちゃんが上海に帰ってしまえに
百冊は食べておきたい。いや百杯?

*****************************************************************
あかりやさんから送っていただいたガイドブックから
勝手に流用し世界公開しちゃいます。

はじめて満ちゃんの店で食べたとき
お金を払いながら「おいしかったです」と言ったら
はにかみながら「ありがとござました」と答えてくれました。
そのときの様子が、なんだか抱きしめてあげたいくらいかわいらしく
思えば、あの笑顔をみるためだけに、その後も通い続けている…
そんな気もします。(腹が空いているからというのが一番ではあるけども)

この国では
ああいう笑顔に出会うことがほんとうに少なくなってしまったことを
食べ終わって店を出る時に、いつも感じてきました。

満ちゃんは、シャイだけど、短い時間、きちんと相手の目を見て笑顔になる。
ぼくはその一瞬に、なんだか春のあたたかな夜のような気持ちになります。

いつまでもあそこで頑張っていてもらいたいけど
数年したら上海に帰るらしいので
できるだけたくさんの人が満ちゃんのうんまい餃子とザーサイとチャーハンを
胸いっぱいになるまで味わってくれたらと思います。

出版物の写真を勝手にキャプチャーし、紹介しちゃったワケがここにあり。
このページを偶然ヒットされた幸運な方、
あなたがぜひいちどは足立の関屋駅、牛田駅の近くにある満腹餃子館で
やすくてしみじみとおいしい満ちゃんの水餃子に舌鼓をうたれることを
東京ぽちは熱烈に願っています。

なお、満腹餃子館は
ハイソな倶楽部・むじなの森の公認迎賓館でもあります。
年に数回、あちこちで出稼ぎ中のむじなが集い
《一つ穴のむじな》祝いを開く場所でもあります。

では、
満ちゃん、愛してるよ!!!


    このメッセージのBGMは《草原情歌》
    満ちゃんのところに通いはじめて3度目くらいの寒い夜
    店に置かれたラジカセから流れていました。
    曲に合わせて居合わせた年配の男の人が小さな声で歌っていました。
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《コンフェッション》★★★
VHSレンタル。可も不可もなし。凡庸。
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《汚れた遺産》★★★★
ジェイムズ・グリッパンド著/白石朗訳/小学館刊

展開がもたつき気味だが、それなりに楽しめた。
しかし、小学館はさすがに漫画出版の雄だけあり
小説の編集部にはロクな人材がいないらしい。
校正の跡が見受けられない。
訳者のキータッチミスのままとしか思えないようなチェックミスがあちこちにあって白けた。
この手の小説は勢いで読むので、つまらないミスはブレーキのもと。
それと妙な所でけちっているため左右ぎりぎりまで印刷しているので
まことに読みづらい。
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春一番から一週間
そのまま春に突入したようだ。
福岡で20℃をこえたとニュースで。
東京もこの時間になってもまだ外は16℃。
そぞろ歩きをしたくなるような宵になった。

タバコが切れたので買いがてら散歩してこよう。
オフィスの懸案も昨夜でクリアできたし、
あとは季節外れのようなカゼをひどくせずに
ジャパネスクシリーズのプランに入りたい。

枷がとれたのだ。
きっちり舵を切ろう。

あたたかいせいか
さっき長風呂をしながら、
《風景》を《女》に置き換えてみた。
膝を打つ思いあり。

人は誰も魁夷なのだ。ね。
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《ミシシッピーバーニング》★★★★
WOWOW。数えてみたら4回目。
ストーリーはともかく4回も見ることができたのは
内容が良かったからなのか、その逆なのか。
冒頭の入り方は、しかし何度みてもたいしたものである。
ジーン・ハックマンはなんとも渋い役者である。
そういうことを再確認するためだけの4回目だった。
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予習三昧
というのはちとおかしいか。
夕方から、積水ハウスの新しい切り口について予習。
ひさしぶりにしっかり勉強できた。
頭が少しよくなった感じあり。
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《恋は負けない》★★★★
監督・脚本 エイミー・ヘッカリング
ジェイソン・ビッグスミーナ・スヴァーリ

ロマンチック・コメディの典型のような出来。
空虚なのにすごくキュート。
エンディングの「卵」の行方、洒落ていた。

髪をカットするまでのジェイソン・ビッグスが実にいい味を出していた。

ジェイソン・ビッグスの《アメリカン・パイ》を探してこよう。
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記憶と記録3《おわりかた》
6.[エピローグ] 再生

夕。夕空を背に、リニアがすべるように疾走している。
夜。月明かりの下、基地に戻る。
基地内。静かに眠るリニア。照明が消える。暗転。


リニアのヘッドライト、暗やみの中で不意に点灯。
来館者をまっすぐに照らす。
リニアの周囲を濃い霧が包んでいく。
天窓から青い月の光が射し込んでいる。
月光に照らされたリニア、
ゆっくりと息づいているようである。
めざめの瞬間を待ちながら…

場内にプロローグの春の気配がよみがえる。
おだやかでうららかな春の音が、来館者の周囲を満たしていく。

その春の中、
究極の陸上交通システムについての簡潔なメッセージが、
浮かび上がる。
このメッセージは、今ここで夢が現実として
カタチを結ぼうとしていることを
たからかに全世界に向けて、宣言するものとなる。

ただし、そのコトバは
老若を越えて、誰にでも理解でき、
覚えられるような平易なものであること。


ちなみに最後の一行は
linear is real!
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《愛のエチュード》★★★★
原作・ナボコフ
スカパーでたまたまかかっていたので。
面白くもあり退屈でもアリ。
深夜でないとまず見ないだろうな。

《鹿鼎記》の第7巻と
阿部和重の《シンセミア》をシンクロさせながら読みはじめた。
金庸もこれで残すところ2巻だけとなると、
なかなかひと息に読み進む気にはなれない。

金庸の作品としてはひどい凡作のように思えるのに、だ。
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枝垂れ桜の
芽がほんのりと色づいてきたように見えた。

腹が空いたのでゴマラーメンを食べに出た。
帰りにタバコを買い、渡辺を呼び出し公園の枝垂れ桜の下で
ホットコーヒーを飲んだ。夜目のせいか、裸木がいくらかふくらんでみえた。

昔の松竹撮影所の跡地に一本だけ残った古い枝垂れ桜だが、
咲き出す寸前の、樹影全体が淡い桜色になる頃が妖艶で捨てがたい。
ことしは例年より、そのなまめかしさにはやくおめにかかれそうだ。

冷えても、春。
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張横と張平父子
の旅が王進と揚令のもとに辿りつく。
北方・水滸伝第五十四回「天平の星」の章。
王進の手に預けられた張平が揚令とともにどんな日々を送るのか。
それだけで一巻となるだろう。
九紋竜史進がその真っ最中に教われ素っ裸で飛び出した時に
背中の刺青が炎のように赤くなっていたというシーンは
父子のエピソードの後だけに腹を抱えた。
いよいよ佳境に雪崩れ込むのか、それとももう少し遠回りしながら枝のエピソードを愉しめるのか。
北方・水滸伝、目が離せない。
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ほころびと雪だるま
デッドコースターを見ながら考えた。

ほんの小さなことが積みかさなり、絡みあうと
とんでもない出来事を引きずりだすのだ、と。

なんだか小学生の感想のようだけどね。

一昼夜で見た2本のホラーは、
まことに日常そのものの比喩である。

一昨年の11月から数えて約15ヶ月間。

最初に感じたほころびが、いつか怪物になっていた。
ホラー映画で気づかされているようでは、
ま、ムリも無いが。

後悔は、ただひとつ。
完周さんに、このシノプシスを一年前に渡せていたら…


ま、そういうもんだ。
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記憶と記録1《はじまりかた》
11日の未明に書いたシノプシス。
忘れてしまいそうなので一部をここに残しておく。
俺が投げ出したのではない、ことの証でもある。
ため息にも、もう飽きた。
このからみについてはこれ以上メモすることは、ない。

**************************************************

1.[謎]音と気配だけで提示される《謎の生命体》


場内暗転。

頭上高くには鳥のさえずり。
観客席の後方からは小川のせせらぎ。
前方の左手からは小学校の校庭でサッカーに興じる子供たちの歓声。
前方の右手には、のんびりと自転車が通り過ぎて行く。
横手左右からはさわさわと空気を揺らすそよ風。
正面下には、草むらで遊ぶ犬の鳴声。
真っ暗な場内のあちこちに濃密な春の音が満ちている。

その春の音、一瞬カットアウト。
奇妙な静寂。

観客席の真後ろから《音》が迫ってくる。
春の気配とはまったく異なるが
ふしぎな期待感を感じさせる《音》が背中から
真っ暗な観客席に向かって突進してくる。

場内を圧するような空気感が塊となって
来館者の頭上を通過し、前方に飛び去って行く。

と、来館者の周囲に猛スピードの光の列が走る。
スクリーンの真ん中に小さな光の点が浮かび、
あっというまに近づいてくる。
その光がスクリーン全体にひろがった瞬間、再び暗転。


春の音、いっせいによみがえる。
スクリーンいっぱいに真っ白な雲が流れている。
雲の切れ目には、うららかな春の光景。
その平和でおだやかな春がすみの中を
真っ白な豆粒のようなリニアが走っている。

メインタイトル、浮かび上がる。
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記憶と記録2《展開の序》
2.[覚醒]その重厚さと美しさ

夜明けのほの暗い車両基地内。
しのびこんだ朝霧が青白くたちこめている。
朝の目覚めどきの野鳥のにぎやかな声が
その霧をかすかに震わせる。

明かりとりの細い天窓から
鋭角的な朝の光が射し込んでいる。
その光がつくり出す細い光の線が、
霧の中にリニアの半身をあわやかに浮かび上がらせている。
天空を雲がよぎったらしく、リニアの半身をゆっくりと
影がつくり出す暗がりがなめていく。
その光の動きに合わせるように野鳥の声、ひときわ高まっていく。


半ば霧に包まれた車体の細部を
生き物の手足のように短く綴っていく。
霧のせいか、野鳥の声に呼び覚まされるように
それらの細部はかすかに震えているようにも見える。


霧と朝の光のなかで美しい細部が点描され、
やがて先頭部へとまわりこむ。
先頭部は雲がつくった影と濃い朝霧にかくれ、
輪郭だけが際立っている。


正面にまわりこむと同時に雲が流れ、光が射すと、
濃い霧のため乳白色の世界に変化。
乳白色のなかに白いリニアが溶けている。
霧が動き、リニアの白がややはっきりとしてくる。
その瞬間。野鳥の声が消える。
と、眠りから覚めたように、ヘッドライト点灯。


雲はさらに流れ、鋭角的な光線が目覚めた瞬間のリニアを
すっきりと浮かび上がらせる。


カメラはゆっくりと上がりながら
目覚めたばかりのリニアを見下ろす位置に。
その動きにつれ、車体後方の扉が開いていく。
扉からは強烈な光が射し込んでいる。


濃い霧の中に、天窓から、後方から、朝の光を浴びた
リニアの全貌が、来館者の前にはじめて現れる。
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《デッドコースター》★★★★
ツタヤのレンタルDVD。
続けてみたのは失敗だった。
時間を空けたら結構はまったと思う。
1の監督を変えたにしてはシチュエーションのなぞりが多い。
ドライさが20%くらい増えた分が甘くなった、そんなところ。

とはいえ、このテの映画で最後まで見ていられる、というのは珍しく
ひさしぶりに堪能した。

昼の積水ハウスの打合せは山口ロケの件。
終わってからねぎしにでも誘おうと待っていたが
相馬さんたちを見失ったので蒲田に戻り、焼き肉屋へ。

ついでにこの間のロケの時間待ちの時に伊丹空港の売店で見つけた
水性ボールペンを太さ違いで1ダースと、6Bの鉛筆を5本買う。

ひさしぶりに昼の間に映画を観た。
風邪気味なので、いい休みになった。
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デッドコースター
もやはり観たいと渡辺と打合せのついでに
レンタルビデオ屋をのぞいたが、2本あって両方とも貸し出し中。
あきらめて明日にまわす。

モスバーガーで30分ほど打合せし、別れた。

札幌ロケいらい、少し風邪気味。
春めいているというのに…

明日は11時に新宿でオリエンテーション。
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《ファイナル・デスティネーション》★★★★★
角木さんのオススメで観た。
いや、おもしろかった。ほんとうに。
前に読んだ《シンプルプラン》《最悪》などを思い出しながら観たが
とても丁寧につくられていて、はるかに楽しめた。
映画が小説の想像力を越えるのはとても困難だけど
あんがいやすやすと越えていくケースもあるものだ。

この2が出ているらしいが
そちらは入手できなかったので明日手に入れよう。

東山魁夷の台本を仕上げたその日に観るのにふさわしいかどうか。
おもしろがっていていいのかどうか。
懐疑的にならぬでもないが、ま、いいじゃん。
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はるのゆうぐれ
蒲田の駅前で非常線がはられものものしい雰囲気。
アルカイダがパチンコ金時でも襲ったのかと
横目で見ながら東口をぐるりと散歩。
紀伊国屋に寄って金庸の《鹿鼎記》第7巻が出ていたので買う。
他に宮本輝の文庫本を3冊と小説すばる3月号。
金庸も水滸伝もいよいよフィナーレが近い。
ジ・アースのロケの頃からだから、数年越しで楽しめたことになる。

タリーズの喫煙席で1時間半、買った本を読みながら過ごした。
春一番からこのかかた、寒の戻りなし。
東京はほんとうに春である。
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マニアッタ
香川の支社にデータを転送してプリントしてもらい
ぶじに県の方に持っていけたとのこと。
一踏ん張りした甲斐があった。

スタンバイのつもりだったが、解除。
ちよっとホッとする。

あっちの方は、桑田さんにも連絡がないようだ。
男気の無さより、ビジネスマナーの範疇だろうう。

一風呂浴びたら、ぶらっとしてくるか。
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マイケルを友として
東山魁夷『風景は心の鏡である。』第二稿、アップ。
ウェブにアップロードし、テストしたが不調なので
強引に添付で送った。
40MBのファイルはすんなり落ちたのに
5MBのファイルがNGになる。サイト不明となってしまいペケ。

真夜中に渡辺にキャプチャーを5枚頼んだ。
笑顔で引き受けてくれたので間に合った。

今日、県に第一稿を持っていくといっていたから
オフィスに寄ってから行ってくれるといいけど。

それにしても大瀧さんのリターンの丁寧さに驚かされた。
何も問い合わせなしで書き進めることができた。
出版と映像を比べると
ほんとうに先進国と後進国の違いがある。

もっとも俺のまわりだけがそうなのかも。
それにしても、あっちはなしのつぶて。
10日の夜に送って、音沙汰無し。
出来の悪い質屋の手代風情と仕事をしているような気にさせられる。
もみ手ばかりで実がなさすぎ。

今朝は、マイケルのカラー版を眺めながら寝る。
一昨日、つい買ってしまったのだ、大判フルカラーを。
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東山魁夷『その、揺籃。』
第二稿をアップ。
GALAからの戻し、厳密なので刺激され、
気持ちのいい第二稿にできた。
できたらフラッシュではなく
ムービーで仕上げたくなってきた。

数点の追加画像を渡辺に頼んだので
届いたら貼込み、まず、送ろう。
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《くろふね》★★
佐々木譲著/角川書店刊

《武揚伝》に続く幕末三部作になるらしいが、ペケ。
中島三郎助ではなくむしろペリーに随行した絵描きにスポットをあてたら
榎本の表裏として面白かったように思う。
武揚伝で集めた資料を活かそうとしたのだろうが
中島三郎助の存在感がいかにも希薄過ぎた。
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《太陽の黙示録》★★★★★
かわぐちかいじ著/小学館コミックス

第一巻から第三巻まで。
日本分断である。文字通りの分断。政治的だけではなく
地形的にも分断である。かわぐちの想像力はしかし、たまげる。
第三巻では台湾に避難した日本人収容所が舞台。
とんでもない展開続きだが、なるほどかいじ調ではある。
映画でも半端な小説でも描き切れないスケールで、第四巻が待ち遠しい。
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《おかめなふたり》★★★★★
群ようこ著/幻冬舎刊

おかめな顔をした拾い猫とおかめ顔?の著者の日々。
15時間爆睡した後、朝昼兼の飯を食べ、
ゴティバのバニラコーヒーをひさしぶりに飲みながら
読みはじめた、読み終わる。
矢口の渡の多摩川べりの3階建てのアパートで、
仕事もせずに暮らしていた頃、
ある夜、訪ねてきた野良猫がいて、それから一年余り一緒に暮らした。
その猫と、神楽坂のオフィスで拾い、小石川で育て、
いまは横須賀の渡辺の家で暮らしている猫のことなど
ぼんやりと思い出しながら読みすすめた。

ホワッツアマイケルといい、群ようこのおかめ顔のしいちゃんといい、
猫の暮らしは、まことにおかしい。

ひさしぶりのロケで、気持ち良く疲労したカラダが
春のにおいとともに溶けていくような午後になった。
東京、気温14℃。昨日の17℃につづき春である。

昨日、凸版の大滝さんから東山の戻りが来ていたのが
今日のところはもう少し、休日気分にひたりたい。
このあいだから気になっていた「ジパング」を探しに紀伊国屋まで行ってこよう。

ロケで毎日歩いていたせいか、春めいた空気のせいか
カラダが動きを欲しているようだ。
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《源義経》★★★★
司馬遼太郎著/上下巻/文春文庫
京都駅で買い、札幌ロケで読了。
司馬遼太郎のつまらなさがしみ出ている。
作家としては、二流の人なのだとあらためて実感。
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《森のなかの海》★★★★
宮本輝著/上下巻

奈良で読了。
聖家族伝説とも読めるが、
後半はカーブが過ぎた。
そこが瑕瑾。
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たとえば、八角。
氷点下の札幌から戻ったら東京は春一番。
夜八時の羽田で気温13℃。

奈良から札幌へ。
会いたかった藤本さんと再会できた。
男沢さんとは残念だったが。

十年ぶりくらいのジンギスカンを食べる。
「ふくろう」という名の地元スタッフ推薦の店。
こいつがまことにうまかった。

昨日は撮了後にすすき野に出てこれも久しぶりの石狩鍋を。
あれこれつまみながら北海道で料理を撮ってた頃をなつかしむ。
ハッカクがごく当たり前にメニューに載っているのでおどろく。
あの頃は、板前達がどう料理したらいいのか知恵を絞り合っていた。
ポスターの真ん中にハッカクの断面写真を置いて、
太字で「たとえば、八角」とヘッドを書いたことなど、思い出す。


松くらは、まだ営業していると聞いた。
息子の代だが、松倉さんも健在らしい。
すし善には寄りそこなった。
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Z。彼は生きている。
風呂から上がってぼんやりとザッピングしていたら
BS2で、なんともなつかしい旋律が流れていた。

なんとコスタカブラスの《Z》じゃねーか。

その昔。
飯田橋の佳作座で神楽坂の下駄屋の娘の手を握りながら観た、あのZ。

後半からぐいぐい引き込まれ、
結末で、軍事政権がクーデータ後に禁じたモノが次々と流れ、
最後に黒バックにブルーでZと大書され、
「古代ギリシャ文字のZが意味するのは、彼は生きている…」
とスクリーンに表示された瞬間には
隣の下駄屋の娘のことをすっかり忘れていた。

ミキス・テオドラキスの音楽がしびれるような味わいで
今でもときおりよみがえることがある。
暗殺された政治家がイブ・モンタン、彼の妻がイレーネ・パパス、
渋い予審判事がジャン・ルイ・トランティニャン…
それにしても、なんつー組み合わせだろうか。
その後の《告白》も《戒厳令の夜》もつまらぬ政治映画だったが、
《Z》は、ほんとうに良かった。
後半を眺めながら、歳月を振り返る。


やがて《Z》のテーマ音楽はスバルの3作目
《名を、サグレス》に使い、
下駄屋の娘の面影は、FMのミニドラマ企画
《神楽坂ラプソディ》の粋な屋台の娘に残った。

…そんなもんだ。
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背中のキズより
原稿を送信し、渡辺を呼び出しモスバーガーへ。
「大根バーガー」という新製品に心魅かれるものがあったが
飯を食った直後でもあったので汁粉のミニサイズとコーヒーにする。
送ったばかりのシノプシスでひとくさり笑い合う。
一年、ひっかかっていたものがきれいに消えていることを確かめる。
枝垂れ桜のある公園に寄ってタバコを三本
高空の月を眺めながら灰にし。別れる。


むじな組の桑田さんから即返信があったので
深謝のメールを返す。その一部を引用
*************************************************************

> 眠っていたものが目覚めたような気持ちです。


「これでいいと思っていないでしょ」と
去年の春に言われたのがずっと
小骨になったままだったからね。

背中に切りつけられて去るのは主義に反するけど
降りるタイミングを逸してずいぶん時間が経ってたので
まあしようがねえか、と渡辺にぼやいていたところだった。
それが一転して、春の水のようにさらさらと
愉しみながら書くことができました。

背中の傷を
これで向こう傷にできた。


呵々大笑しながら
いつでも身を引けます。
*************************************************************

明日から奈良。
まず京都でスタッフ用に柿の葉寿司を仕入れ
伊丹空港からロケバスで回ってくる撮影部たちと合流。
奈良でのロケハンをパッと済ませたらまっすぐホテルに入りのんびり過ごす。
明後日は朝から午後まで撮影し、伊丹空港経由で札幌へ。
間に合ったら、すし善に顔を出してみたい。
明明後日は吹雪狙いで終日ロケ。
オーバーズボンを渡辺に入手させること。
撮了後、できたら松くらをのぞいてみること。

吹雪いていたら郊外に行くつもり。
小樽に行くか、ノーザンあたりで撮るか、嬉しい迷いだ。
晴れてしまったらどこかで巨大ホッケでも食ってこよう。

ああひさしぶりに雪を撮れる。
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背水の陣など
linearのシノプシス、やっと書き上げた。
なんとか夕方までにと考えたが大幅にタイムオーバー。
終わったのが10時少し前、急ぎ送信した。

一年あまり封印していたものを一気に放出。
シノプシスとはいえ、気持ちが昂ぶった。

途中あせりもあり、昨夜までの段階に戻そうかとも思ったが
せっかくしいた背水の陣である。
冷水で顔を洗い仕切り直し、突破。

ま、これでいい。
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月篁の絵に惹かれ
結局、ロケで読もうと選んだ宮本の《森のなかの海》上巻を読んでしまった。
夜が明けていた。
少し焦って、眠る。
昼少し前に目覚め、慌ててシャワー。
飯を食って、とりあえずプロローグの一枚。
音だけの世界を書く。

これから予約しておいた病院へ。
帰ってから集中するとして、
昼に送る予定だったけどまちがいなく7時くらいになりそう。

思ったよりいいものが書けそうなので
気は軽いが。
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気分転換に
風景開眼の8点を2分でつないでみる。
音楽はシューベルトの歌曲集《冬の旅》から
Wasserflut/雪どけの水流をあてた。
歌はHans Hotter。
iMovie4で編集。
それぞれ10秒強のズームアウト。
つなぎはディゾルブ各3秒弱。

iMovie4のレンダリングがとても速くなっているのに
ちょっと感動した。
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森のなかの海のカバー絵
やっと桑田さんと連絡がついた。
案の定というか。
二ヶ所、しっかり話し合ったシーンを忘れていた。
身が入ってねーのが丸出しであった。
反省とお礼のメールを出したところ。
今夜は、これでアップし、明日の午前中に残りを書くことにする。

ロケに何を持って行こうか
本棚から買い置きを探していたら
どこかで見た装丁がひっかかった。
東山魁夷の「月篁」がカバー絵に使われていた。
宮本輝の「森のなかの海」上下巻。
帯にこうあった。

「1995年1月17日5時46分-
阪神・淡路大震災が奪ったのは、
たくさんのいのちだけではなかった。」

扉絵にも同じ「月篁」が使われている。
奈良のロケは地震絡みでもあるし、
タイミングよく東山魁夷の絵も使われていることだし
ちょっと重いが、この上下巻に決める。
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魁夷展100万人突破?怪異ではないか。
打合せの合間に東山魁夷の話しが少し出て
横浜の魁夷展の入場者が100万人を越えたと誰かが言っていた。
代理店情報だから眉唾ではないだろうけど
近ごろの展覧会でわずか一ヶ月余りで100万人なんてあっただろうか。
未来博が三ヶ月夏休み込みで170万人。
ジ・アースが毎日超満員になって66万人だ。

真冬の展覧会で
しかも横浜で100万人。
これは、事件だろう。
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synopsis
2時半から6時まで築地で去年のアーカイブチェックに付合い、
大急ぎで戻り、渡辺ととんこつ野菜ギョーザで遅い昼飯。
葛根湯を1本。

昼までに書いた分を桑田さんにメールし、返事まで小休止。

今夜と明日午前中で書けそうだ。
延長上とは言いながら、鬱憤を取っ払えるものになるだろう。
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グラミー賞のライブ
をぼんやりと見ていたら1時間経過。
録画にまかせ、机に向かった。
窓辺の光は、せつせつと春。
まぶしくてかなわない。
これから1時間半。集中。
それから築地へ。
アーカイブチェックに付き合うことになっている。
ほぼ切れかかっている。
細糸一本だけで、あとはなすがままに。
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《眠り猫》★★★★
花村萬月著/集英社

読みのがしていた初期の一冊。
ま、こんなもんだろー。
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13日のイメージメモ
●窓越しの、家族の団欒。/1階リビング

外は雪。あるいは氷点下の宵から夜にかけて。
窓の半分に、外の庭の雪景色と住宅の明かりが映り込んでいる。
映りこみの向こうに暖かそうな室内の情景。
窓際にトロピカルなグリーンと加湿器。
加湿器からはもくもくと蒸気が上がっている。

その蒸気の向こうのテーブルをはさんで、
小学生の息子と娘が母親となにやら楽しそうに話している。
テーブルの上には、ハワイ旅行の絵が描かれた数枚の画用紙と、
ハワイ旅行のスナップ写真(風景でOK)が映された
小型の液晶テレビ(あるいはノートパソコン)。
子供たちも母親も、外の寒さを裏切るような薄着である。

3人は、
この間行ったハワイ旅行のスナップ写真をまとめたものと、
思いでのシーンを描いた絵を前に盛り上がっている。
もうすぐ帰ってくる父親に自慢するつもりらしい。
デジカメで撮ったスナップをテレビで見られるように
スライドショーにしたのは、母親と息子の二人組。
娘は、一生懸命、絵を描いた。
出来上がったばかりのスライドショーを再生し
ご満悦の母と息子の間に割って入る娘。
娘は描きあげた絵をみてもらいたくて仕方がない。

テーブルの上、母親の手元にはマイタイ。
子供たちの手元にはそれぞれ巨大なトロピカルアイスクリーム。
母親の手で、どちらもそれらしくは仕上げてあるようだ。
母は涼しそうな顔でマイタイを口に運び
子供たちも涼しげな顔でアイスクリームをばくつく。

寒暖計の目盛りが氷点下の北国の夜。
その家の家族は、あくまで、ほのぼのぬくぬくと温かい。

なぜなら、
それは×××××の家だから…
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《鹿鼎記》第六巻★★★★★
金庸著/徳間書店刊

このまま進むと金庸先生の武侠小説では唯一の
成長過程無しという趣向となるのか。
第六巻を終わってなお、主人公は変化なし。
意外な展開である。

一昨日、昨夜と月を見た。
今日の夕暮れは宵の明星を。
東京の冬もなかなかである。
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揺籃篇、手直し
データが破損したままの
「その、揺籃。」第1稿を見直しながら改訂。
データ復元し、書き加えたものを改訂・第1稿2.6とし
webにアップ。写真データを重いままに使ったので
PDFながら約40MBとなる。
面倒だからそのままアップした。
凸版ならお手のものだろう。

このあいだの札幌日帰りのせいか
カゼ気味。
あの日、ロケハンの間に降り出した雪は
そのまま降り積もって70cmの積雪となったらしい。
翌日からの雪祭りを祝ったのか、味な天候である。

昨日今日で東山の第1稿は満足のいくところまで
手を入れることができた。
これでこころおきなくリニアの台本にとりかかれる。
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作品篇、手直し。
東山の作品篇を見直し書き改める。
引用した断章を数ヶ所、6つの小見出しなど。
webにアップしGALAにメール。
とりあえず、この段階では満足。
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《カリスマ》★
新堂冬樹著/上下巻/徳間書店刊行

読了。圧倒的だった。
読み出して、すぐにイヤな気分に包まれた。
しかし、ページを止められない。

嫌悪感はしぼむことなく上下巻の最後まで。
賛否が分かれたのがよくわかる。

凄い一冊だっが、親しい人に薦める気持ちにはなれない。

昼を挟んで築地で打合せ。なすがままに。

東山の気になった個所に手を入れる。
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札幌往復。疲れた
札幌、本降り。
3ヶ所をロケハンし、予定より1便はやく帰京。
築地の打合せが今日も流れたとわかったので
空港で渡辺とカレーで晩飯。
昼はラーメン横丁でみそラーメンだったから
今日は包丁人味平のような一日だった。

ひさしぶりに飛行機に乗ったせいか
往復とも耳がおかしくなってつらかった。

千歳に向かう前の空に白い満月がのぞていていた。
吹雪。雪のあいまに顔を出した太陽。満月
あわただしいロケハンだったけど天気の変化がおもしろかった。

東山の台本を倉持さんに渡す。
データをflashでつくるので直接撮影はないが、
今後のデジタルJシリーズのためにもぜひ行ってもらいたかった。
長岡君から聞いていて、予定しているとのことだった。
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まず、立春前に気が晴れた。
GALAの打合せが終わり築地へ。
今夜の打合せ、流れたというので、即、首都高速に。
魁夷の第二部の意図がうまく伝えられるかどうかすこし不安だったが
杞憂に終わった。振り返ってみればGALAとの付合いはデザイン室時代に遡っても
頓珍漢な応対だったことは一度もなかった。
  花博・゛生命樹
  ボテッチェリ
  マン・レイ
  フランク・ロイド・ライト
  ポスターズ
  唐招提寺
  CG2000…
託す。預けるということの意味をよく知っている。
いささか手前勝手だが、そう思う。
あれこれいじくりまわしてアリバイ工作を重ねた揚げ句
何が何だかわからなくなっている某プロジェクトとは雲泥である。

窓を明け、下に向かって豆をまく。
明日は、立春。

日帰りで札幌ロケハン。
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節分。その道の、先を。アップ
第二部/作品篇
《その先の、道を。》脱稿。立春を予定していたが
節分で終わることができた。

テーマは

  そのとき、魁夷は世界を己を風景を、
  どんなふうにとらえ、受容し、
  発しようとしていたのか。

考えた末、最後の一行を

   《風景は心の鏡である》

に変えた。


オフィスにデータを送り渡辺にプリントアウトを託す。

追加で手に入れた資料一覧も付け加える。

1.「旅への誘い」 東山魁夷自選画文集第一巻 集英社
2.「欧州巡遊」  東山魁夷自選画文集第二巻 集英社
3.「美しい日本」 東山魁夷自選画文集第三巻 集英社
4.「水墨の魅力」 東山魁夷自選画文集第四巻 集英社
5.「自然への讃歌」東山魁夷自選画文集第五巻 集英社
6.「自伝抄 旅の環」東山魁夷画文集 新潮社
7.「風景との対話」 新潮社
8.「素顔の芸術家 東山魁夷」 監修/東山すみ 執筆/佐々木徹 ビジョン企画
9.「東山魁夷ものがたり」 佐々木徹著 ビジョン企画
10.「新たなる伝統美 東山魁夷」 週刊日本の美をめぐる 小学館
11.「現代の日本画7 東山魁夷」 東山魁夷/尾崎正明著 学習研究社
12.「わが遍歴の山河」 日本図書渚センター
13.「私の風景」 求龍堂
14.「京洛四季」 ビジョン企画
15.「東山魁夷展。ひとすじの道/カタログ」 日本経済新聞社
16.映像「東山魁夷 自然と美と風景の心をよむ」 香川県教育委員会製作
17.映像「美の巨人たち/東山魁夷 白い馬の見える風景」 テレビ東京製作
18.音楽「シューベルト/美しき水車小屋の娘」ヘルマン・プライ DENON
19.音楽「シューベルト/冬の旅」ハンス・ホッター Sony Records
20.音楽「シューベルト/白鳥の歌」ペーター・シュライアー LONDON
21.音楽「モーツアルト/ピアノ協奏曲」ルービンシュタイン  BMG


豆でもまいたら、凸版に向かおう。
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私は生かされている。野の草と同じである。
積水ハウスの編集、11時まで。
内容を考えれば順調にいったほうだろう。
それにしてもレイヤーのあるものは基本的に別枠あるいは
別の方法で処理していくようにしないと泥沼から脱け出せないと、あらためて。
Bテクは、あちこちに統一感に欠けるアラが目立つ。
二ヶ月後のDVD用編集の折りには、デザインを一新したい。
効率的にすすめるための方法について早急に山岡君と相談すること。

明後日、きゅうきょ札幌ロケハンとなった。日帰り。
きついがひさしぶりにコールツプロの藤本君と会えそうだ。
資生堂のロケ以来だから、ちょうど十年。
どんな顔になっているのか。
伸びていた無精ヒゲをいま剃ったところ。

男澤にも会えるのだろうか。
なんだかホモのようにドキドキするな。

おれの板前修行時代。
いや料理ディレクター時代にいちばん頼りにした二人。

東山魁夷の《作品篇》は
すべてアフォリズムでいくことに決めた。
数十年の時差の中で、東山自身が語る東山世界。
それだけで構成しきること。
一切の夾雑物なし。
筆まかせで書きとばすには、さすがに大きすぎる。
読み込むほどに、その思いが深まった。



アフォリズム冒頭の一行は

  『私は生かされている。野の草と同じである。路傍の小石とも同じである。』


さらに最後の一行は

   『これは何処の風景というものではない。』

と決めた。
明日は節分。
早起きして仕上げとしたい。
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夢。節分。雨。
短い仮眠。
夢で目覚めた。
このところ集中していた東山魁夷ではなくリニアの夢だった。
相手は中沢さん。狭いテーブルをはさんでひどく熱心に話を聴いている俺。
暗礁に乗り上げている例の問題が一気に解決するような
素晴らしい着想だった。霧が晴れ大海原のすべてがあざやかに見渡せるような
なんとも大胆かつ、一年以上にわたってただの一度も検討したことのない視点だった。
ああ、これで博覧会として胸はれる、いいものになる。
興奮して立ち上がり、そうはしゃいだ。
そこで目が覚めた。
夢だと気づき、急いでメモをとろうと焦った。
夢なのだから、メモをとっておかないと消える、と焦った。
頭の中で話を整理し、せめてキーワードだけでもメモすれば
思い出せるから…そう考えた。キーワードは二文字。


で、それから数十分、あるいは五分かもしれない。
眠ってしまった。
慌ててとびおき、ペンを探した。


忘れていた。
すっかり忘れていた。
ひどい寝汗が残っていた。


夢を、解決策が記されたrealな夢を見た、ことは
せめて記憶しておこうと、スタジオに向かう直前にこうして書いている。

思い出せれば、いいが。

二文字のうちの一文字は《接》
だったような気もする。

これから六本木。
ことし初の積水ハウスの編集。

節分。東京は雨。空気はすでに春の甘さ。
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