夢。節分。雨。
短い仮眠。
夢で目覚めた。
このところ集中していた東山魁夷ではなくリニアの夢だった。
相手は中沢さん。狭いテーブルをはさんでひどく熱心に話を聴いている俺。
暗礁に乗り上げている例の問題が一気に解決するような
素晴らしい着想だった。霧が晴れ大海原のすべてがあざやかに見渡せるような
なんとも大胆かつ、一年以上にわたってただの一度も検討したことのない視点だった。
ああ、これで博覧会として胸はれる、いいものになる。
興奮して立ち上がり、そうはしゃいだ。
そこで目が覚めた。
夢だと気づき、急いでメモをとろうと焦った。
夢なのだから、メモをとっておかないと消える、と焦った。
頭の中で話を整理し、せめてキーワードだけでもメモすれば
思い出せるから…そう考えた。キーワードは二文字。


で、それから数十分、あるいは五分かもしれない。
眠ってしまった。
慌ててとびおき、ペンを探した。


忘れていた。
すっかり忘れていた。
ひどい寝汗が残っていた。


夢を、解決策が記されたrealな夢を見た、ことは
せめて記憶しておこうと、スタジオに向かう直前にこうして書いている。

思い出せれば、いいが。

二文字のうちの一文字は《接》
だったような気もする。

これから六本木。
ことし初の積水ハウスの編集。

節分。東京は雨。空気はすでに春の甘さ。