2011年06月の記事


「白鳥伝説」を読む会
友人が立ち上げた。29日はその初会合。

著者の全集の方で読むという。手元に文庫本があるが、全集をめくってみて、読んでみた。

記録上は、9世紀に東北にさかのぼるようであるが、北からの飛来に≪あの大きくて、白い鳥に精霊を感ずる人≫が登場するようになった、か。

6-7人の集まりという。会場を提供するだけながら。
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藤倉徹夫著『えべつ百話 (下)』(2)
 藤倉徹夫著『えべつ百話 (下)』(2)。ここでは職人の紹介から、理髪師。

 冒頭に、客人の頭のハゲ具合からして、疾患が判明するという。それだけでなく、「気質だって分かりますよ」と書く。

 「電バリの出たてね、若いもんに電バリ使わして」「電バリより早いんだよ、ハンバリの方が綺麗なんだよ」。

 電気バリカンの出現を「驚くよりほかはなかった」「立派な、いいものができるんだなあ」と思いながらも、ハンドバリカンの技術確立の道を書く。

 電気バリカンが遅くても、ハンドバリカンの刃を研ぐ時間の加算や技術者に技術がなくても使いこなせる便利さが認められて、「理髪は誰にでもできる職種」になるのかも。

 利用者目線ではどうか。「綺麗に仕上がる」の自負は、だいじなことでは。そうでないと、利用者はいつも≪拙い水準≫に、馴らされることになるが。
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藤倉徹夫著『えべつ百話 (下)』(1)
藤倉徹夫著『えべつ百話 (下)』(1)。自転車職人の採話。職人は時代を語る。著者は世に伝える。

 「昔はとことん乗った」「だから何回も修理にくる」。「一台に五千円も六千円もかけて修理するの」「今ならタイヤそっくり取り替えて七千円かかりますよ」「(もう取り替えない)一万円ちょっと出せば、一台ちゃんと買える」。

 「今の子供はね、高校生でも空気ひとつ入れられない」。「部品をどっかで買っても、自分ではつけられない」(128p)。
 
 確かに安くは買える。だが、待てよ。安くかった自転車は、長持ちする快適な利用が可能なのであろうか。

 「空気をいれられない」「自分ではつけられない」。それって、生活力、人間力の衰退では?。
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小和田哲男著「山本勘助 〝義〟を貫いぬいた策士」
 小和田哲男著「山本勘助 〝義〟を貫いぬいた策士」。NHK教育テキスト「戦国名軍師列伝」の第2話。

 『甲陽軍鑑』の資料性について、成立過程と評価を紹介。国語学者の酒井憲二氏による「成立のいきさつ」(119p)がひとつの考え方で、「原本の部分」と「加筆の部分」を「ふりわけていく作業が必要」とする(120p)。

 なぞめいている勘助の出自。生国は駿河国、本国は三河と考える(122p)、
 
 釧路市で発見された「市河文書」の、「山本菅助」記載文書を読んでいる。文書に記載のある「市河藤若」なる人物への理解があるので、藤若が信玄に与するかいなかの境目にあるとき、勘助が単に書状の運び役ではなく「自分たちの作戦を話し、味方となるよう説得する大事な役目」(129p)と解する。

 勘助の「参謀型軍師」の、「イメージ化を決定づけているのが、永禄四年(1561)九月十日の川中島の戦い」とする(134p)。信玄・謙信間の4回目の戦いにして、世にいう「啄木鳥の戦法」の進言であるという。

 勘助が「これまでふれた軍使ではなく、軍配者でもなく、また築城名人としてでもなく、信玄に作戦を進言する参謀型の軍師がイメージされ」、有名になったのだとする(前頁)。
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100分 de 名著
2011年4月。NHKETVの10時台の内容がかわり、水曜日は「100分 de 名著」という番組。

 6月はドラッカーで『マネジメント』。テキストは2011年5月25日発売で定価550円(本体524円)。

 「知るを楽しむ」は、8回の放送を二人で分担したり、二人のうち一人は再放送であったり、情報量の枯渇を感じていたが。

 火曜日は「さかのぼり日本史」。では、木曜日と月曜日はなに?。調べてみよう。
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小和田哲男著「直江兼続 〝愛〟を掲げた忠臣」
 小和田哲男著「直江兼続 〝愛〟を掲げた忠臣」。兜の部分=眉庇(まなざし)でアピール「愛」を、愛染明王か愛宕権現かと考えたが、「人間愛」なり「博愛の愛では?」と考える(88p)。

 「軍配型軍師」から「参謀型軍師」へというのが、本論の特質。直江については、そのシフトの時期を天正17年6月12日、16日に行われた佐渡で河原田城、羽茂城を攻撃し、領主・本間氏平定の戦いに求める(97p)。

 足利学校に「軍師養成の役割をしていた」(95p)とある。卒業生が戦国大名に軍師として迎えられ、兼続も二人の卒業生をかかえるのだという。

 上洛を上杉氏にうながす家康に、兼続が16ヶ条からなる上洛延引の訳を述べる。120万石の旧領にかえ30万石で山形に転封ですんだこととの関係?。説明はしにくいのかも(107p)

閻魔大王への手紙に似せた高札(103p)。「親類ども嘆き候て、呼び返しくれ候へと様々申し候に付、すなわち三人迎えにまいらせ候。彼死人御返し下さるべく候 恐惶謹言」。たまったものではないが。読ませてくれる。
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山本博文著「ナナメ読み忠臣蔵」
歌舞伎やドラマでおなじみの赤穂事件。最高学府の教授が、その構造を解きあかす。

討ち入りに参加する理由は、なにか?。それぞれの選択を見極める。喧嘩両成敗でなかった措置を、幕府にかわって仇討するということか。家臣にかつがれた筆頭家老と数氏の一族が、「武士の一分」をかけて、プロジェクトをすすめる。

1年半に及ぶ一団の結集。それを支えた財務を検討。690両余の経費は、当主夫人が実家から持参した「化粧料」から支出されたとある。時価6900万円相当ながら大半を使い尽くし、7量ほどは大石が自腹をきった。寸でのところで財庫は、いや財布はすでに底をついていたと、見る。

家臣が家族にあてた手紙の検討。武士に士官はそもそも戦闘要員を志願したということ。そこが現下の地方公務員とは異なるところ。平時であっても主君のために命、おとすは兵家の常というところ。裾持というか、プライドというか。大石にして1500石、1億5000万円の知行は安いか、高いか。

いつから「忠臣」がいわれるようになったか。政策判断を儒教、政治バランス、幕府と大名家との二元関係などから思想の問題として検討し、江戸の歌舞伎もまったくの別物語から勧善徴悪、現在のドラマの筋書きは、それなりに史実に近いのだとする。NHK教育テレビのテキスト。、
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宮城まり子述「子どもたちへの伝言」
ねむの木学園の開設者であり、女優としても知られる。学園創立40年の年にNHK教育の「知るを楽しむ」で4回にわたり対談。

肢体不自由児養護施設の開園でも、女優としてもその活動の原点がどこにあるのかを語る。あわせて吉行淳之介との愛も語るのだが。

その生き方は「母の教育」、異性とは価値観共有、肯定しあえる間柄を示唆。

民間でようやくという時期の施設開園。行政や役所との折衝過程での独自な論点もうなづける点が多い。(日本出版協会 2007年)
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選書
 自ら読んでみたい、ぜひ読んでほしい。

 選ぶ機会はあるのだが、なかなか。で、図書館にでも揃えてもらおうかと思うが、汎用性がないと。

 で、億劫をしていると、紹介媒体がみあたらなくなる。新聞記事でも同じ。見つけた瞬間に確保しておかぬと、「後から」では、たいへんな労力と時間を費やすることに。

 気がついた時。本欄にでも書いておきますかねー。
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旧支店
国立銀行かの各地支店。建物には風格がある。

建物自体に文化財的価値があり、営業が終わると、跡地利用は重要な検討事項であるに違いがない。

支店網って、どうなっているのだろう?。インターネットで調べてみると、1県一支店ということでも、ないようだ。

北海道には3店、東北は6県中山形・岩手になく、47都道府県中30の県に支店と東京に本店があるというわけ。

後の活用で、具体的な事例があるのは、京都・松江・岡山・函館などで小樽は営業所ではなくなったが金融資料館として存続した。

支店長役宅が美術館になったり、コミュニティ機能を持たせて生かされているのが、新潟・福島か。

幼時の記憶にあった新潟支店は、遊びに行って階段のところで横になったりしたのは県立図書館だったようで、のち支店が開業したと、ある。

今回のITサーフィンまで、銀行だったとばかりおもっていたが。
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都市の求心力
 絵ハガキを見ていると、地域のどこに関心と注目が集中しているかが見えてくる。

 自然景観に注目のあつまる時代もあって、そこにはそれなりの背景がある。人と自然の近接という接点である。

 では地勢的にはどうか。それは投資の蓄積による点が多いように思える。投資が人を呼び、地域の成長をうながす。

 元気な要因はなにか。投資の蓄積である。都市も大人になってゆく。投資の蓄積が「伸び盛りの求心力」を生む。

 しかし、いつまでも投資の時代かというと、成長の時代の次には投資が来る。たとえれば、「人柄の魅力」で都市も大人になってゆく。

 幣舞丘陵。そこでは市立病院は民間の医療法人病院に転じた。数々の官公庁舎は転じて、図書館と生涯学習施設にかわった。

 医療と文化。その高次性こそ、これからのこのマチの特性であるように、おもえるのだが。
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丸田一著『ウェブが創る新しい郷土』。
読んでいる。

経済は域内還流、情報は境界を超えて還流。多分、地域社会が豊かになるためのキーワードを示したいのであろう。

他方でネット社会の可能性と、不安定さ。その間をいかに、切り抜けるか。

ここまで地域が荒廃しつつあること。その結果、利益が一元化され、利益を集積する領域とコストを負担する階層にわかれてゆくことが、肯定されているように、おもうけれども。
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白川静著『漢字―生い立ちとその背景』。
 白川静著『漢字―生い立ちとその背景』。濃密である。神意、神事があって、字は固まってくるとの立場。
 
 漢字といえば形をもじった字からなるとの見方もあるが、抽象的な心象事項にも形をあてはめており、表意文字のすぐれた機能が説明される。

 他方で、意味を十分にとらえることなく継承し、意味を十分に検討することなく用いられている字が圧倒的に多い。力の弱体である。
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音楽を創る
 指揮者・佐渡裕がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会に客員指揮者として招かれ、演奏会に至る舞台裏の紹介を見た。

 音楽の解釈、楽譜の行間にある強弱、間合い、速度の指示に、応える音質と表現。

 解釈と指示の先にうみだされる音のイメージを明確に示す姿勢と指示内容が、「指揮者のために『やって』やろう」を楽団員におもわせるのだ、そうで。

 コンサートマスターは日本人演奏家。首席演奏者のコメントもパートごとに放送された、が。

 指揮者と楽団の最初のリハーサル。「ファースト・コンタクト」からカメラがはいることは貴重な機会なのだそうだ。

 音楽をつくられる舞台裏。指揮者の役割。演奏会の過程など、目新しいことが多かった。

 他方で、エリート楽団員の指揮者の接し方。洋楽の世界でヨーロッパ音楽関係者がみせる、ヨーロッパ以外の客演関係者にみせる眼差しもみえてきたが。
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絵ハガキ
絵ハガキ。企業近代化の啓発素材として作られた。

企業の情報発信。1)絵ハガキで、 2)会社要覧で、3)インターネットで。

それぞれにどんな意義があるか。産業廃棄物をつくらぬ低コストにして有料化が可能な情報発信かも。
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自游人
 友人が自費刊行しているミニコミ誌。長い伝統をもつ。

 最近、最新号をいただいた。見事なカラー刷りにしあがって、届けられた。

 読書録と完璧な書評に定評があるが、今回も多数の精読の結果が調所に。

 しかし読み進むと、病み上がりであることが判明。うなった。

 読む気力にくわえて、書く意欲。見事。闘病、ねぎらいの昼食会でもしようかとおもうが、これって「全快外祝い」?。
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帯広市
6月5日、「ももちゃんの運動会です」と姉にかわり、妹のほうから電話が。

出かけていこうか、どうしようか。運動会はみたいが、「(妹から)、おもちゃがほしいの」といわれたら、どうしようか。

ばあちゃんというより、財布の管理者は考える。

どちらでも良いが、晴れたら気分転換になる、か。
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斎藤孝著『読書力』。
 斎藤孝著『読書力』。読書で要約力が高まり、コミュニケーション能力が広まる。読書は含み資産。三色ボールペンで読書。総ルビ文化。読書はスポーツの訓練。

 いろいろなキーワードがちりばめられている。実践と経験に即しての読書論というべきか。

 本を手に、読み進むことができなくなったとき、「読むと眠くなるのです」という相談があったら、「参考にしたらと、すすめてみては」と、他人にすすめたが。

 小見出しのあとの数行に、主張点が提示され、以下はその主張点を跡付ける構成になっていて、理解をうがしてるのかも。(岩波書店 2002年)
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