2003年03月の記事


外は五分咲き、地下は三分か。
プロローグ、日本をひらくと続け
いま誕生秘話の半ば。

そろそろ体力の限界。
泥沼ではなく、文字通り
行けるところまで行こうとしている。
としか言いようがない。
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《葉桜の季節に君を想うということ》★★★
歌野晶午著/文芸春秋刊

仕掛けにムリがありすぎる。
にもかかわらず、愉しめた。
ふしぎな作家ではある。
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はじめて海に出あったとしよう
たとえばぼくは深い森のある山あいに暮らしている。
生まれてからまだいちども海というものをみたことがない。
ある日、話に聞く、海というものが
どうしても見たくなり、
いくつもの山や丘や川や平野を越えて海に向かった。
季節はきっと、春。
桜が咲いて、大地が緑になって
空に鳥たちが飛びかい
月がしみじみときれいな夜がつづくころ。
ぼくははじめて見る海に向かったのだ。

そして、ついに
海と出会う。

そのときぼくはどんなコトバをもらすのだろうか。


最初に感じるのはきっと際限のない明るさ
同時にまぶたを突き刺すようなまぶしさ
明るさとまぶしさに目がなれた頃
はてしない水平線を前に無限の広さを感じ
そして最後にわけもなくうれしくなって笑いをこぼす。

自分の中にありつづける海のイメージは
そういうふうなものらしい。
そして、その海は
つねにひらがなで飾られている。


なんだかガキのようだが。
そんな気がしている。
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ないちゃだめ
さらにひとつ山岡の追い込みを見ながら
思い出した文章があった。
若い頃ならぜったいにひっかからなかった類いの言い回し。
歌野晶午の《世界の終わり、あるいは始まり》の一節。

++++++++その後のパンドラ+++++++++++++

「ないちゃだめ」
パンドラがとほうにくれていると、小さな声がしました。
「だいじょうぶよ、わたしがついているから」
声は箱の中からきこえます。
「あなたはだあれ?」
パンドラはおそるおそるたずねました。
「わたしは『きぼう』です。
人間が『わざわいに』まけないよう、
おてつだいをします。
くるしいとき、かなしいとき、こまったときは、
どうかわたしをよんでください。
わたしはいつも、あなたたちの心の中にいます」
パンドラは「きぼう」のおかげでげんきをとりもどし、
またエピメテウスとなかよくくらしはじめました。
「きぼう」はパンドラだけのものではありません。
わたしたちが、くるしいとき、かなしいとき、こまったときに、
くじけず、あきらめずにいきていけるのは、
心の中の「きぼう」が、なぐさめ、はげましてくれるからなのです。
ほら、ごらんなさい。
雪がふり、風がふきつける、寒い冬。
でも、春はもうそこまできているのです。

 歌野晶午「世界の終わり、あるいは始まり」

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
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「viva!revolution」
もうひとつ思い浮かぶフレーズがある。

「viva!revolution」


暮れの12月23日に一鞭いれるために遊んだ
ショートムービーをスタジオで眺めながら。

http://homepage.mac.com/torum_3/love/iMovieTheater607.html
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負けるな
なんだかわからぬが

「負けるな」


と言いたい。
誰にというでもなく
ただ「負けるな」と言いたい、

プロローグをつなぎなおしながら
そう思った。

負けるな。負けるな。負けるな
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あかるいまぶしいうれしいひろい
イーストメディア佐藤さん差し入れの
京成町屋駅前「博多屋」製 名物今川焼きを食べながら
冒頭に「あかるい」「まぶしい」「うれしい」「ひろい」を重ねてもらう。

春が熟していくのをよそに
地下スタジオでは日本がひらかれていく。

われながら
どきどきしている。
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さて、つぎの十年が見えてくる…
考えてみたらずっと編集をしていて
山岡君、渡辺君とはほとんど合宿状態となった。

船の話だから
それもありか。

不思議な熱さにみちた時間が流れていく。

雨の波止場
犬吠埼の3日間
夜昼の区別がなくなった編集
リニアとノンリニア
六本木FTTHマン
ブラック画面でのナレーション録り
氷川丸と飛鳥の汽笛のやりとり
金沢船長たちの号令再現のカッコ良さ
ドラの乾いた切なさ
ひさしぶりに多用した縦書きの気持ち良…


編集二日目に井口さんが届けてくれた
七分咲きの桜がもう葉桜になっている。


一気に春爛漫に向かう東京で
極みへと漕ぎ出すのだ。


この春は
再生と別れと
記憶に残る季節になりそうだ。
次の十年を生きる、そのための。
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しおどき
風の便りあり。


気づいたら十年。
潮時なのかな、とふと思った。


飲み込んできた
たくさんのコトバが
あふれ出る。


そのなかでいちばん吐きたかった一言は…


ま、いいか。
沽券にかかわる。
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「わたしたちは、海の民である」
サウンドロケの結果をreditで武田さんから報告。
金沢船長たちによるブリッジでのやりとり再現、
タイムベル八点鐘、一点鐘、三点鐘、
氷川丸正午の汽笛、
見送り人に下船をうながすドラ、
食事の合図を告げるチャイム、
などを聴く。

氷川丸最後の航海シーンだけでなく
定期航路開設、豪華客船時代などの厚みをつけるリアルサウンドが揃ってきた。

大隈、海舟たちの肖像写真、
万永元年の渡米した幕府使者のニューヨーク行進の写真、
日露戦争時の東郷元帥たちの記念写真などを入手しキャプチャーと
マスクづくり。

弥太郎と西郷従道のかけあいの作り直し、
プロローグのタイトル文字の検討をし
ノンリニア作業はここまでで打ち止めとする。

これからオフィスで素材の洗い直し。
あとは明日からのリニア編集に備える。


いよいよ佳境である。


なお、プロローグのタイトルは
「わたしたちは、海の民である」とした。
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メモ
「泰平の眠りをさます蒸気船、たった四杯で夜も眠れず」

サスケハナ号(ペリー提督の旗艦)

乗員は約300名、当時のかわらばんには「大海を渡る龍の如し」と伝えられた。来港した4隻中、蒸気機関をもつのは2隻、残り2隻は帆船だった。


大久保 利通 [正助、一蔵](1830?78) 薩摩藩士
西郷隆盛と供に、薩摩藩の討幕運動の中心的存在。新政府では、『版籍奉還』、『排藩置県』を断行した。しかし、西郷隆盛の『征韓論』に反対し西南戦争が勃発、結果的に旧友である西郷隆盛を死においやってしまう。73年内務卿になり政府内の実権を握り、『地租改正』などを推進するが78年東京にて不平士族に暗殺される。

大隅 重信(1838?1922) 肥前藩士
肥前藩出身。明治政府で参議・大蔵卿として活躍する。また、東京専門学校(今の早稲田大学)の創設者とても有名。88年黒田清隆内閣に外相として参閣し、条約改訂に努力するも国粋主義者に教われ負傷し辞職。96年立憲進歩党党首、98年憲政党を結成し、松方正義内閣に参入するなどの活躍をし

勝 安芳[海舟](1823?99) 幕臣
幼名は隣太郎。江戸にて蘭学を修め、佐久間象山に砲術を学ぶ。長崎の海軍操練所にて航海術を学び、1860年幕府の遣米施設艦の護衛艦『咸臨丸』の船長として、太平洋横断に成功する。戊辰戦争では、幕府側に恭順を説き、西郷隆盛と交渉し江戸無血開城を実現させた。
維新後は参議・海軍卿などを歴任、著書に財政経済資料などを集めた『吹塵集』など多数残している。
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開花の日にカタチが見えた。
さくらがさいた。

徹夜明けに有栖川公園を通ったら桜がほころんでいた。
ニュースを聴くと、東京に開花宣言。

1時間あまり仮眠して横浜へ。
試写。

ぶじに通過。
これで明日からはブラッシュアップに徹することができる。

8月に書き上げて8ヶ月。
季節を四つ過ごし、ひとつのカタチが見えはじめた。
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この三日の経過
なんというか。

日曜日は結局、完全に徹夜。
十時に番組の連中に譲り、渡辺が四谷に空きをみつける。
移動し、ぎりぎり三時までつなぎナレーション録りのrstudioへ。
できたのは前半の5エピソード。
後半はまったく1カットもつなげず、ブラック。
四時から予定していたのは後半の4エピソード。
クライアントと徳弘さんに説明し、そのままオンリーで収録。
冷や汗ものだった。
この日は、まともに食事する時間がなかった。
夜明けに食べたコンビニのオニギリ、
昼過ぎに移動の途中で買ったパンだけ。

家に戻って即ベッド。
翌火曜日、つまり昨日は十時から榊原良子さんで
プロローグ。これはつなげていた。
それと第5エピソードの「戦争と壊滅」。
こちらはブラック。オンリーでお願いする。
昼食をはさんで、一時から中田浩二さんで
第1エピソードから第4エピソードまでを録る。
六時にアップ。そのままreditへ。
八時まで音楽打合せ。
急いで晩飯を食べ、前半部の調整。
朝、四時過ぎまで。

で、今日。
後半の5つのエピソードをつないでいる。

明日午後一時から横浜で試写。

綱渡りが十日になる。


いまはTSPの地下スタジオ。
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第一目標午後10時。一本平均約48分なり
2時、本編スタート。
予定、午後6時頃までに
「プロローグ」「日本をひらく」
「誕生秘話」「世界にひらく」
「豪華客船」「戦争と壊滅」
さらに午後10時までに
「復興」「総合運輸」
「安定成長へ」「線から面へ」。
10時からは全体の見直し。

ま、あくまで理想的な目安だが。
こんなペースで行ければ、
気力と体力の残っているうちに全貌を見渡せる。

さてどうなるか。
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ともすれば月すむ空にあくがるる…
午前1時過ぎにスタジオを出た。
雨は上がり、濡れた街全体が昼よりも暖かくなって
春の匂いがしていた。
3連休の真ん中の深夜の六本木は、さすがに人もクルマもまばらだった。
上空に、月。

山岡君と渡辺とその月を眺めながら帰った。
少し前に帰った井口さんも、どこかでこの月を眺めているだろう。
家に戻り、ベッドに転がり顔を上げると、
窓の外に、さえざえと春の月が光っている。

タイトルバック、10本まとまった。

石原さんと沢田さんがすすめてくれていたスーパー、必要な分が揃った。
タイムラインにここまでの材料も並んだ。

明日23日。一気に十本。まとめあげる。
陸の影が見えてきた。
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衝撃と畏怖と晴れた空
米当局は21日を、イラク指導部に「衝撃と畏怖」を与える戦いの始まりを意味する「Aデー」と呼んでいる/CNNワールドより

衝撃と畏怖…

詩集のタイトルかと思った。
三月二十一日はたしかムスリムたちの正月だったはず。
むかし手がけたペルシャ絨毯の広告に
そんなことを書いた気がする。

ベトナム戦争の頃はテト休戦とかあったが
欧米は自分の宗旨以外はまったく認めない。

東京にドカスカ空襲していたときも
こんなたわけたワードを使っていたのだろうか。

八月で終わらずに年を越していたら
きっと元旦に東京大空襲を嬉々としてやったのだろうな。

一億総火の玉、玉砕と威勢のいいことを言いながら
一夜開ければ、全国津々浦々から女性を募って
鬼畜米英に女の防波堤をつくってのける
その日の丸の末裔のコイズミは
まだ42%の支持を得ているのだという。

とするとおれたちは
42%がキチガイブッシュの「衝撃と畏怖」作戦を支持している。

ガムと洋もくとチョコレートはどこでもらえるのだろうか。

一分でもはやく、砂漠に晴れた空が広がることを祈るのみである。

しかしできたら汐留や六本木やお台場も
いちどご破算にしてはくれないだろうか。

六本木で缶詰めになりながら
このくそのような東京の醜悪な建造物群を
きれいに取っ払ってくれないかと夢想する。

衝撃と畏怖が
かなうことならブーメランとなって
彼の地に舞い戻ることを望む。

こんな絶望を
みたことがない。


ところでむかし見かけた「右翼」というのは
こんなとき何しているのだろう。
靖国に参ったコイズミ褒めたのなら
鬼畜の後をくっついてまわる節操の無さに
街宣車総出でマイク向けてもいいのではないのか。

素性はともかく
大義名分の四文字が泣いている。
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浪花家と豆源がつなぐリニアとノンリニア同時進行二日目
春は名のみ。
さむい。

本日も2ヶ所同時進行。
山岡君とおれはTSPコトブキ6篇でタイトルバックの続き。

石原さんと沢田さんはreditで動画素材の取込みと尺詰め、キャプションの整理を。

渡辺が走るFTTHマンとなって、麻布十番の浪花家の鯛焼きや豆源のせんべいを配給している。

月曜と火曜のナレーション録音は金沢さんが立ち会ってくれることになった。
ついでに28日のサウンドロケの打合せも。

三代広重の「東京三十六景」に入っている「品川/蒸気船」がどうしても見つからない。
販売していた「東海スタンプ」がホームページは公開しているが、会社自体に連絡つかず。
佐藤さんに継続して追いかけてもらうことにする。
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春宵値千金。
日本をひらく
日本郵船誕生秘話
世界にひらく
豪華客船時代の到来
戦争と壊滅

の5タイトルをつくる。
いずれも想像を超えてまだ誰も見たことのないような
neoJapanesqueの雰囲気を出すことができた。
来館者がボードの前で足を止め
スタートスィッチに触れた途端、
今夜のオープニング映像が立ち上がる。
目を瞠り、息をのむ来館者たちの姿が見える。
むじなの森のジ・アース館で3ヶ月の夏の間に
何度も目撃した、あの忘れ難い表情を
これから永い時間かけておれは味わうことになるのだ。
そう思うと、
なんともうれしい春の宵である。
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おつなの柚子入り稲荷とバーチャルスタジオ
TSPの地下スタジオに山岡君と移動し
タイトルバックの合成イメージにかかる。
reditは、残りのムービー素材をすべてタイムラインに乗せている。
加藤文明社のフィルムライブラリーが間に合ったので方針を変更。

夕食は、渡辺が「おつな寿司」に稲荷とのり巻きを注文し、二つのスタジオに配給してくれた。

リニアとノンリニアの二つのスタジオを人間光ファイバーで結んで、愉しい春分が過ぎていく。
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国連軍は米軍に銃口をいつ向けるのか?
平和のために武器を供出せよ、と言い
出させた上で、攻撃する。

やらずぶったくり
踏んだり蹴ったり
居直り強盗

どんな形容でも追いつかない。

読み書きできる人間が世界に何億人いるのか知らないが
目を点にして口をあんぐりあけ
「これからは何でもありなんだな」
と納得する以外にどんな対応がありえるのだろう。

国連というものがもしほんとうに存在するなら
「国連軍」の銃口は米英連合軍にこそ向けられるべきだろう。

彼岸である。
うららかな春の日ざしのしたで墓参りに行く
その墓の下に眠る数百万人の人たちは
まちがいなくアメリカと戦って亡くなったはず。

コイズミは徹底してそのアメリカを支持するのだという。
そしてこの国は敗戦から半世紀を過ぎて
米軍に占領されたままである。

たぶんディズニーランドには家族があふれ
銀座の映画街は満員だろう。

宮崎が
新作準備と称してアカデミー賞不参加を表明したのは間抜けだった。
はっきり戦争反対だと言い切れば、あのふやけた良心マンガに箔がついただろうに。

サッカー協会が遠征中止を表明したのにも笑えた。しょせんスポーツ。どんなにグローバルになったところで知能に筋肉はつかねえよな。
いまさら何が危険だよ。

軍事評論家のえばたとかいう人の髪形が気になってならない。
戦争の最中にあんな不安定なものを映していていいのだろうか。
軍事評論などを商売にしているうさんくささが
一目瞭然なのは喜ばしいが、どんなもんだかNHK。
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夜郎自大
しかし、どうしたらあんな虫のいい理屈を考えつけるのか。

アメリカ十字軍、言いたい放題である。

日本郵船の歴史を構成するため、
このところずいぶん第二次大戦の記録映像を見た。
自分の生きた時間ではないので
東京大空襲も原爆も硫黄島も沖縄殲滅戦も
どこか1枚ガラス越しの感じがあったが
今日のバグダッド攻撃の映像を見ながら
すべてがリアリズムになった気がする。

攻撃を防ぐために攻撃したのだ、
とガキでも笑うようなへ理屈を
真顔で会見しているのを見ていると
キューブリックの「博士の異常な愛情」を
マンガにしたようで笑いも出ない。
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ハリウッドとディズニーがバグダッドを滅ぼすのか
夜桜を観ながら差し入れの寿司を食べる。

竹の皮に包まれた小ぶりの握りの傍らに
7分咲きの桜の小枝を一本おいて春をめでる。

アメリカとその他の疑似アメリカの破廉恥を外に
スタジオは、春めいていた。

と、書いて終わりたいところだが
こんなときに仕事をしていることに意味があるのか、とも思う。


土壇場で寝返ることは
文化果つる行為ではなかったのか。


インディアンを滅ぼし
バグダッドに手をかける。
日本ならさしずめ京都か。
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春じゃねえか
井口さんが7分咲きの桜の枝と
桜餅と煎茶持参でやってきた。
オーベルジーヌのカレーの後で
花を眺めながら桜餅を食べた。
明日の彼岸を前に、スタジオはひと足早く春となる。

窓を開けてもらい
光と風を入れてもらう。
日本をひらく、のだからこんな編集環境も悪くない。

撮影部の長岡君が来てプロローグを見ていった。
桜吹雪を撮る話をする。

明日の編集はTSPもおさえてもらい、
リニアとノンリニアの二本立てとなった。

乗りかかった船である。
行くところまで行くだけである。

春じゃねえか。
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S.キング《ドリームキャッチャー》★★★★★★
白石明訳/新潮社/全4巻

まことにキングらしい
ひさかたぶりにキングらしい快作。

ゴールデンウィークに公開されるようだけど
映画としてはこれも失敗するだろう。
活字の恐怖をハリウッドはストレートにカタチにしすぎるから。
それに映画ではは短すぎる。

ひさしぶりのキングだが
興業の宣伝絡みで妙に間を空けた出版となり、残念。
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十六夜の月光浴
ちょうど真上に十六夜の月が見えていた。
肌寒さをがまんし、タバコを三本灰にする間、月光を浴びた。
春の夜にもかかわらず、煌々として強い月明かりだった。
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インターバル
インターバルにはもってこいの春らしい一日だった。
渡辺もたっぷり眠ったようだし、
おれも気分を洗うことができた。

アメリカはあちこちで「赤狩り」がはじまっているようだ。
フランスは土壇場で、しっかり寝返った。
「利」による戦いは「利」によってのみ左右されていく。
フランスは文化の国だから反戦なのね、
と思い込んでいたアプレたちはどんな顔をしているのだろうか。
阿片で翻弄したり原爆で脅したり
「帝国列挙」の植民地主義ぶりは
ほんとうに徹底している。あきれるほどに。

テレビと新聞を読んでいると
自分がどんな時代に生きているのかわからなくなるようだ。
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満月の成果
雨にはなったが、十八日、春の満月に
まず「悠久」が、かたまった。
DVにコピーしてもらい、iMovieで
夏から何百回も聴いてきたタンドンの
グリーンディスティニーをあててみる。

よかった。

明日十六夜は、インターバルとなったので
渡辺は悔いのないように、
素材の追い込み。

おれはひたすら英気を養い、二十日からに備える。

このまま、走る。
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魂消るということば通りだ
わすが三日間のロケで
どうしてあれだけ密度の濃い映像が撮れたのか、
あらためて不思議な気分にさせられる。

NTSCにダウンコンバートしたものでつないではいるが、
息を飲むような迫力が、200分。
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ペリー以前の熊野
十四夜の編集も順調に進む。

いま、1853年の黒船来襲をつないでいる。
昨日知ったことだが、ペリー来航の六十年あまり前に熊野に日米通商を求める米国の商船が来ていたらしい。
プロローグの「海」を熊野のうみにしようとした第1稿の気分は正解だったことになる。

それにしても最初が熊野とは。
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十三夜の緒戦勝利。
動かないものにどうしたら動感を、
ダイナミズムをつくりだせるか。

その昔、ベルビアンで全編に桜を散らしたことを
想い出し、プロローグはせめて海を置いてみようと思いついた。

雨。春の雨。
まずは前半を荒篇の名で本篇する。
攻め方を変えた。
明日、渡辺にスケジュールの調整を頼む。
井口さんとも相談。

古地図と潮騒からはじまる山岡のデザインを見ていて
胸が躍った。

満を持して十三夜に端緒を切った編集である。
満月の十八日には前半の満願成就といこうじゃないか。
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What's Going On?
去年の夏に
「われを国賊というか。
政府が果たしてその方針なら、
われもまた
所有の汽船を残らず遠州灘に集めて焼き払い、
残りの財産を全部自由党に寄付せん」
という弥太郎の言葉を読んだ瞬間に、仕事の枠を越えたのだ。
一企業の盛衰に魅かれたのではない。
稲妻に打たれたように夏のはじまりを胸焦して過ごした。
タンドンのグリーンディステイニー。
萎えそうになったときは、
いつもこの旋律に励まされた気がする。
それから菱沼さんのsummertimeコレクション、
ベサメムーチョコレクション、
正調版十九の春…

思いがけない横浜の雨の夜と春の海。

どこまで行けるかはわからないが、
行けるところまで行くのだと思う。

仕事を越えた部分を1シーンでも、
ひとつの言葉でも刻印できたら。

こんな気分で仕上げにのぞむのは
ずいぶんとこさしぶりのこと。


さて、出かける。
塹壕戦からいよいよ正面突破へ…


今日の1曲は
What's Going On?
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六本木でポジ撮り
撮影部で錦絵、紙焼き、新聞など撮る。
100カットを越えた。
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覚悟の一本。
http://homepage.mac.com/torum_3/love/iMovieTheater614.html

いよいよ仕上げにとりかかる。
これは弾む気持ちを鎮めるためにつくった一本。

去年の夏のまっさかりに緒を切った仕事が
春のさなかに、その幕を閉じる。

いいじゃねえか。
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ホテルオークラの奇怪くん
起きたら夜。
目やにで目が開かず、焦る。
シャワーを浴びて、ぼんやりとニュースを眺めていたら
ホテルオークラのレポートをやっていた。
なんとかいう髪の薄いおやじが客扱いの責任者らしく
従業員のもみあげを計って「規定より8mm長い」とチェックしたり、
後頭部をわしづかみして「手でつかめるから長い」と怒ったりしていた。
男の従業員は従順そのもので、ニュージーランドの毛苅りされているヒツジたちのようである。
チェックおやじはさらにテレビクルーのカメラを悪用し、つまり隠し撮りでロビーをチェック。
二人の女性スタッフのミスを発見。
倉庫へ呼び出し、厳重注意。必死に小さな手帳にメモをとる女性二人。
しかしよく見れば、その表情にはうっすらと侮蔑が浮かぶ。
おやじはさらに通勤電車の窓に笑顔を浮かべている。
毎晩、こうやって笑顔の練習をするのだとか。

ま、こんなやつが1日のくたびれた時間の蓄積の果てにそばにいたら、
まちがいなく狩られるだろう。
おれなら、確実に難癖をつけるな。

世界に誇るアメニティサービスなど
しょせんこの国では猿まねなのだということが
しみじみわかってがっくりさせられた。
オークラはさすがだ、とこれまで思わされてもきたがね。
もう使う気にもなれねえな。

もみあげ8ミリ定規で計られて
なぜその場でぶん殴って奴隷のような制服を脱ぎ捨てないのか
そのことも不思議といえば不思議だった。
切れるとよく使う若いやつが多いが、
切れどき、間違えるなよと言いたい。
世が世なら、切捨御免のようなふざけた仕草である。

オークラはハゲだけ雇えばいいだろうに。
オースティンパワーズのドクター・イーブル親子みたいなのばかりにサービスされる
東洋一のエクセレントホテル「ザ・オークラ」。
オリエンタルエキゾチシズムに満ちあふれていて
まことにスイート。

このレポートの直前が北朝鮮の首領様ご乱心と
北米の不思議の国アリスの狂気ぶりだっただけに
何をかいわんやであった。

ついでに書いておけば
その何本か前のニュースは名古屋刑務所もの。
見つからなければみんなと一緒なら何でもやってしまう
ごくふつうの生活者たちの伝統を持つ国ならではの「事件」。

無抵抗なやつをいたぶる国民性は
この国の伝統芸能のようなものである。
いい年した大人が刑務所で受刑者をいたぶり殺したり
世界に誇るホテルでもみあげ定規で計ったり後ろ髪ひっつかんでみたり…

これで子どもの世界にいじめがなくなったら奇跡だろう。

身の程にあった社会。
ほろびていく国は、しかし徹底しているな。


最後に。
テレビ屋は、それにしてもどんなスタンスを
自らに課しているのだろうか。
あの盗み撮り同然の方法でバカおやじにアホな振る舞いをさせながら
抵抗できない、イヤだと言えない立場の従業員の肖像権を無視し放題。
コイズミの好きな北米だったら、即座に賠償請求だろう。
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ニュース素材発注とのぞみとリニア
JRTのブレーンストーミング、おもしろかった。
マグレブストーリーなど技術展示の映像にも色気が出た。
明日まで3日間、東京駅の八重洲口でリニアの3Dをやっているというので高橋さん、松谷さんと見に行く。
3Dは疑似3Dだったのでピンとこなかったが
走行シーンは大画面で見てもよほど工夫しないと
迫力を感じないことがわかった。
意外にインパクトがあったのが
車体下からの出庫シーン。UFO発進のようだった。こいつを800インチ相当で見たら度肝を抜くだろう。
それと制止している状態の車体をゆっくりした移動で撮ると、かなりセクシー。
このあたりは想像通り。
基地の天井部分は、現状のままではちよっとせつない。煽りで入るときにはライトでかなり工夫する必要がある。

戻って、郵船のムービーニュースのリストをチェック。渡辺にメール。

渡辺は明日、早朝に新大阪へ。
浅井氏の錦絵コレクションが間に合わず新幹線でトンボとなった。
15日に撮影し、16日からの編集に使うため。

リニア新幹線が開通していれば、
明日の渡辺は、三鷹辺りを往復するようなもの。
1時間lifeというのは、こうして考えるとスサマジイ変化であることが実感できる。

5時に起きて、6時過ぎに蒲田を出て
7時の新幹線で東京駅を出て9時30分に新大阪に着き、
10時に出てくるという浅井さんを待ち、
最短1時間程度で浅井さんと面談。
速攻で戻っても2時になる。
座りっぱなしの時間が往復で5時間。

リニアだと7時30分に起きて8時30分に蒲田を出る。東京駅で9時に乗ればいい。
先方で1時間は同様でリターンすると12時に東京駅に降りられる。

こう考えると、ほんとうにリアリティが増すな。
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東京ビジー
朝日を撮って九十九里を東上。一宮で流砂を撮り撮了。おそい昼食をとり、解散。
電通テックに向かい、JRの打合せ。
展示計画とプレショーのシノプシス。
コンテを服部さんに頼み、帰宅。
途中までやってダウン。
朝起きて、展示計画をまず送り、
つづいてシノプシス改定。服部さんから届いた絵を貼り、送る。
朝兼昼食事をいれて、高橋さんと訂正のやりとり。
いま直しを送り終わったところ。
これから八重洲へ。
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あおいうみ
5ロール。約200分。大満足
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こよみ通りの啓蟄であった
暦を見たら6日から啓蟄だった。

6日に、もう書くのは飽きたからやめようと思ったのは
したがって暦通りにカラダが反応したことになる。

うまくできているものだ。
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アタマがさむい
昨日、ほぼ3ヶ月ぶりに髪を切ったせいか
頭がすーすーして困る。

これからJのプレショーのリライト。
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音楽の方向
ミューズで井口さん、作曲の山田さんと打合せ。3時間。ほぼ見通しがついた。
音楽録りの日程を大幅に遅らせることに決定。

明日ロケに緊急決定。
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はるのうみのように
いちど9時ごろに目が覚め
新聞を読みコーヒーを飲んだがまたベッドへ
2時過ぎまで熟睡。

雨の中、横浜の音ロケはうまく行っているのだろうか。

夜、トータルメディアに行き、
サブエピソードの内容を確認する予定。
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手持ちぶさた
新聞をめくっていたら朝3時30分からメルビルの仁義をやるとあったが、ムリだろーな。
しかし、どういうわけか録画ということをしなくなった。
ダメなら見ない。
いつのまにか、そんなふうに怠惰というか
続かなくなってきている。

いまダメなら縁が無い。
そう決めちゃうと、ビデオもハードディスクレコーダーも不要。
プロだというのになのに、埃だらけの機械だらけだ。

ブロードバンドになってからこの傾向が強い。

書くのやめたわりには
こういうのを書くのは平気というのはなぜだろう。
これは全然痛まない。
ような気がする。
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終わりと別れと
サブエピソードすべて書き終わった。
右手が同時に限界に。
カラダが拒絶しはじめた。

これでおおっぴらに書くことから離れられる。
もうほんとうにうんざりしてきた。

いよいよ撮影モードである。編集モードである。
己一人に向かい合ってつぶす時間は、
どうも性に合わない。
他人あっての、我である。
なんてな。



書きながら山下亜美にたのもうと思い
渡辺に連絡してもらったが17日にはイタリアに向けて出国してしまうと聞いて、あきらめる。

一年前に、ことしの三月にはいなくなるから
それまでにぜひ、と約束していたにも関わらず
彼女に頼めるだけの仕事がなかった。

なんとかDJapanesqueをたちあげて
そのはなむけとなる一本を頼むつもりだった。

彼女の声を大阪のホテルではじめて聞いたのは
三菱電機のロケ。すぐに東京に連絡して名前を調べてもらった。12年前の秋だった。
それから何十本やったことになるのか。

三菱、日立サイエンスシリーズ、モモ、天然の日本シリーズ、とりわけ「風のささやんか村」。パナソニック「マルチメディアワールド」、ポスターズ、CG2000彼方へ。

並べてみてると、感慨深いものがある。
この頃はあまりやらなくなっていたが
イタリアに永住すると言われると
なんだか古女房と永遠のわかれをするようで
いささか堪えるものあり。

彼女とやった最後の仕事のラストには
たしかこんなスーパーで終わったはず。

   「明日のことは、わからない」

まったく、明日のことはわからねえな。
亜美さん、お元気で。
機会があったら、ぜひまたやりましょう。
ありがとうございました。
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親指の反乱
右手の親指のつけねあたりがここ一週間、痛みを増している昨日あたりはかなりつらかった。
起きたら肩のあたりまで、痛みあり。

事務職じゃないので、まさか腱鞘炎にかかるとは思わなかったが。
ここ数ヶ月、バカみたいにキーボードを叩きすぎた。
カラダが、もうやめな、と言い出した気がする。

書いているのにも
すこし飽きてきたしな。

そんなわけで、本日以降はしばらくの間
文字通り、手を抜く。
潮時でもある。

若葉の頃までは
早咲きの桜などめでながらラクして過ごすことに
たったいま即断。即決。

仕事を依頼しているのに、たまたまここを読んでしまった方は、そういうわけなのでよろしく。

親指が反乱しちゃったのでね。
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音楽と編集
井口さん、山岡さんと音楽・編集の打合せ。
おおまかなスケジュールを決める。

作曲の山田さんとは金曜に打ち合わせ予定。

英語字幕のこともあり、メインとなるなスーパーを縦書きでいきたいと、
山岡さんから提案あり。弥太郎の言葉など、縦書きにしようと考えていたので即応。

少しずつ姿が見えてくる。
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5タイトルまずアップ
順調である。
さすがに半年以上没頭しているだけあると自賛。

サブエピソード5タイトル分まで書けた。
とりあえず井口さん、山岡さんとは
ここまでで打合せをしておける。

今夜中にはメドをつけたい。つけられそうだ。

たいしたものである。
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飛鳥を忘れた
昼過ぎに起きる。
プリントアウトし読み直す。
ラストの9に26日の飛鳥のムービーを入れ忘れていたので
渡辺に連絡し急ぎキャプチャーしてもらい取り込んだ。
プリントが上がり次第、横浜にバイク便で送ってもらうことに。

JRの基本計画の件で井上さんとメールでやりとり。
プレショー正味7分間という短さで、どこまで盛り込むか
あるいは外すか。けっこうシビアな問題あり。

コーヒーを飲んだらサブエピソードにかかる。
7時にはオフィスで井口さん、山岡さんと音楽と編集の打合せ予定。それまで5本を目標に。
何しろいつの間にか増えていて18本のシナリオを書くことになっていたのだ。
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これから風呂に入って寝る
やっと終わった。
撮影分をすべて貼り込み、第五稿10タイトル分を再度ウエブに放り込む。
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では桃源郷へ
リニアのプレショー打合せ終了後、大急ぎで眼鏡やに。
読書メガネのつるのネジがとれたので直してもらい
ついでに使い捨て用も買った。
サングラスのチェーンも。

これから第五稿の撮影分の画像を貼り込む。
ナレーション部分のチェック用は出がけにチェック用にアップしたので
こちらが正式な第五稿となる。
各タイトルが5ページ前後にも関わらず
なぜかpdfにしても3から4MBとなってしまうので
まとめて10タイトルメール添付してもエラーになるから面倒だ。

ウエブ保存で明け渡しできないと
一日にバイク便を何回飛ばすことになったか。

さてさて佳境。いや我が桃源郷に突入だ。

船がいいのか港がいいのか。
ほれたものである。
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桃の日に吹いた春一番
プロローグからエピソード5まで6話分を仕上げ、
pdfで各位に送る。
桃の節句に吹いた春一番。
こういうのも悪くないな。

とりあえず、今夜はここまで。
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郵船。あと二十話。
絵コンテの打合せ終わり、
郵船の昭和時代の資料を探す。オフィスの本棚の裏で埃をかぶっていた「図説 昭和の歴史」全11巻/集英社版を見つけ、チェック。
後半の三巻が該当するので持ち帰る。

一服したら、第五稿にかかる。十話分。
それが終わったらサブエピソード約十話の第一稿。
メージャンからのメールを読むとサブも同じシステムのようだ。

当面、郵船三昧続行である。

きのう、土曜日の素材で遊んだのが、
文字通り、つかの間の休日となった。


いや、いつのまにか尻に火がついてきた。
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プレショーのシノプシスアップ
プレショーの考え方を5ページにまとめる。
けっこう面白くなりそう。
書き終わったところて土砂降り。

春は驟雨。

これから昼飯を食ってオフィスへ。
絵コンテの打合せを服部さんと。
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慕情'03
2003年3月1日土曜日。横浜。驟雨
朝から降り出した雨が夕方から豪雨に。
心浮きたつ春の訪れを告げるような土砂降りとなった。
日本郵船歴史資料館の軒先を借り、
対岸の赤煉瓦倉庫に降る春雨を撮る。
直前に撮った昭和4年就航の客船・浅間丸の
模型のシルエットに、汚しを加え、合わせる。
浅間丸は三菱長崎造船所で建造され、
寄港先のサンフランシスコで市長以下から大歓迎され、
現地の雑誌で太平洋の女王と謳われたという。
日本初の豪華客船である。

14年間、太平洋を往復し、
昭和18年にアメリカ軍の潜水艦により沈没。

□カメラ HD-F900
□撮影  倉持正美
□照明  鈴木修二
□VE   長岡茂樹
□CA   有本 竜
□音楽は例によって、あかりやコレクションから
Besame Mucho - Dalida


福島泰樹は春の雨をこんなふうに歌ったことがあった。

《げに春は驟雨とともにはじまるを咲かぬ桜よ慕情というは》
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ほてる
カラダが火照って二時間足らずで起きてしまった。
単にカゼをひいただけなのか
いよいよ仕上げの興奮モードに突入したのか。
ちょっと早すぎるかな。

もう少ししたら横浜ロケに出発。
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ほけきょ三昧
ほんとうにほけきょで一日が過ぎた。
しかし、これでやっと回復できた、そんなところだ。
19の春の日本語は
ほんとうにやわらかくたおやかで
ほのぼのするだけでなく胸に深くしみていく。

ひらがなこそがこの国の言葉だ。
しみじみそう思う。

田中さんからの返信がとりわけ嬉しかった。
いつかほんとうに一緒に仕事をしてみたい。
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