終わりと別れと
サブエピソードすべて書き終わった。
右手が同時に限界に。
カラダが拒絶しはじめた。

これでおおっぴらに書くことから離れられる。
もうほんとうにうんざりしてきた。

いよいよ撮影モードである。編集モードである。
己一人に向かい合ってつぶす時間は、
どうも性に合わない。
他人あっての、我である。
なんてな。



書きながら山下亜美にたのもうと思い
渡辺に連絡してもらったが17日にはイタリアに向けて出国してしまうと聞いて、あきらめる。

一年前に、ことしの三月にはいなくなるから
それまでにぜひ、と約束していたにも関わらず
彼女に頼めるだけの仕事がなかった。

なんとかDJapanesqueをたちあげて
そのはなむけとなる一本を頼むつもりだった。

彼女の声を大阪のホテルではじめて聞いたのは
三菱電機のロケ。すぐに東京に連絡して名前を調べてもらった。12年前の秋だった。
それから何十本やったことになるのか。

三菱、日立サイエンスシリーズ、モモ、天然の日本シリーズ、とりわけ「風のささやんか村」。パナソニック「マルチメディアワールド」、ポスターズ、CG2000彼方へ。

並べてみてると、感慨深いものがある。
この頃はあまりやらなくなっていたが
イタリアに永住すると言われると
なんだか古女房と永遠のわかれをするようで
いささか堪えるものあり。

彼女とやった最後の仕事のラストには
たしかこんなスーパーで終わったはず。

   「明日のことは、わからない」

まったく、明日のことはわからねえな。
亜美さん、お元気で。
機会があったら、ぜひまたやりましょう。
ありがとうございました。