2011年12月の記事


官僚の保身
 国の役所が仕事納めになる28日の朝。沖縄県庁には段ボール箱を運びこむ運送業者、阻止する県民、守衛室に届ける事の強行。妙な報道画面をテレビで見てしまった。

 そこまでやるか。ここまで、きたか。基地をめぐる問題。暗礁にのりあげている。
 事態をすすめたい政府。追い詰めるアメリカ。議会の監視のこわい大統領。日本の戦争、沖縄決選、原爆投下で東西冷戦がはじまり朝鮮半島と沖縄は東西冷戦の代理戦争の修羅場にある、が。

 日本の安全をアメリカまかせにするというより、アメリカは日本の軍備、軍事増強を排除したかった。
 いわば「ツノ抜き」。財界は復興財源を得て、産業支援に国家的な後押しを得て、輸出力強化、農業労働力吸収、利潤蓄積を果たした。

 沖縄は日本の安全のために必要なのか。しばしば中東やアジアで戦争をしかけるアメリカの利便のためか。東西冷戦終焉のもとで、答えをみきわめる局面にあるが、野党はそこのところを議論しようとはしない。

 環境評価書。事態をすすめるためには県庁に受け取らせるべき事務であり、官僚はそれで責任を果たすことができる。
 しかし、事態は解決より泥沼に陥没。「あとは政治家のお手並み拝見」。そうはゆくのか。

 宅配便での送付。頼むときには命がけだが、頼まれるときは逃げ回る官僚の体質が体現されているようだが。政治家は、そこを阻止できないのか。止まらぬ官僚の保身の論理。
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政治は止められないか?
 政治は止められないか?。テレビの朝ドラは、年末の終末、週明けは大都市空襲。東京、名古屋と空襲は広がり、27日は大阪の空が危うい。
 東京電力の福島原発事故で発生した事故。中間報告が発表された。調査は途次にあるというが、政府官邸で地階の官僚チームと、5階の政治家集団の「コミュニケーション不足」が指摘されている。

 戦争についていえば、日本史研究の現在は「天皇が軍部の戦争への道を止めることのできぬ体制」ということが指摘されている。
 戦争開始がそうであったとしても南洋での玉砕、東京など大都市空襲、沖縄決選、中小都市空襲。それぞれで攻撃を排除したり、反撃して効果をあげたわけでもないのに、軍部の暴走を、官僚も政治も天皇も止めることができずに原爆投下を結果した。
 国民ではく、官僚・政治・天皇はなぜ、とめられなかったの、か。

 原発、土木・建設型公共工事、年金記録、沖縄。ほかにもありそう。制度の形勢期をこえて不具合、破たん、深刻な事故が露見する時代になって、過去の遺産のほころび是正に官僚たちは忙しい。
 国債は増額、財政赤字は拡大、原発は深刻な事故。沖縄の基地はそもそも解決していない。
 対して国民は政府サービス低下、消費税増税、非正規雇用で生じる格差。しかし、国家公務員の人件費減額は申し訳程度。

 制度をつくった自民党政権が、自ら認めた制度のほころびの前に政権交代したが、官僚は再び自民党政権であるべきかといいたげに民主党政権に後始末をさせるだけではなく、兼ねて抱いていた消費税増税を具体化しようとしている。
 東日本大震災に名をかりた、課税根拠の促進。

 政治家は官僚の筋書きで踊る存在か。報道はどこをみていて、なにを伝えようとしているのか。

 軍の暴走を政治家も、官僚も、天皇も抑止できなかった。今の時代、官僚の構図に政治家は、やはり踊りつづけるのであろうか。

 報道は、結果として官僚の言い分と構図を国民に押し付ける存在なのであろう、か。
 「フリーライターとネット記載の存在がたより」などと、いうことになってほしくないと、おもうのであるが。
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野村春松談・蟹江節子著『四万十 川がたり』
高知県を流れる四万十川。「四万」に「十」の川を集めた河川ながら、地元では古来の「渡川」本来の河名とする。
 その流域に生きる野村春松翁を通じて、四万十川の「川の端の暮らし」「川の力、山の力」「川の漁」「川の旅人たち」「大事なものはニキにある」と、各章を展開。

 川に人工的な造作を行うことのむなしさを指摘する。人工的な造作は川を破壊するとさえ主張する。
川がはぐくむ天然アユに対して、養殖アユのひよわさを示す。
天然アユのうまさについて、二つの見方。ひとつは漁具に立ち向かってくる力強さ。この子孫を多く残したいから漁獲しないと述べる。他方で、天然アユの≪うまさ≫について、藻を食べたあとで排せつした時刻をみはからって漁獲するという。身に栄養、腸に糞がなくて丸ごと食べられる、とする。
あとは、食するの者の味覚。舌のかみわける力ということか。

 「人と自然はながくむきあい、その変化を観察してきた」が、野村翁の主張点、か。川は古来、人の交流路、生物を養育する場であった。
地名を考える行動を起こす時、「川の力、山の力」を示している人の営みに、深く注目するべきではないか。本書を手にして、思ったことであった。
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武田好著『マキャベリ『君主論』』
武田好著『マキャベリ『君主論』』。マキャベリ著『君主論』は政治権力を理解するうえではお馴染みの一冊。
その代表的著作の読み方を、イタリア語が専門である立場から該書執筆に先立つ書記官時代にまとめた一連の「使節報告書」を読み解き、それまで接した君主像と国家観という体験、発展させた君主像と国家論を提示したものとして、読み方を示す。

マキャベリが、応仁の乱勃発の2年後の誕生、場所はイタリアでフィレンツという地域。分立国家からヨーロッパ型の絶対王政に移行する時期に、本書は分立国家への再就職のための論文として、書かれたものとする(p6)。
マキャベリは政権のなかで書記官になり、外交官の役割を果たす(23p)。「相手の心理を読み、そこから全体像を推し量る」のがマキャベリの「仕事術の得意とするところ」(98p)から、情報集とその分析にたけた有能な家産官僚の側面を提示する。

然らば論点はなにか。君主たるもの「政治と倫理を完全に切り離し」「理想よりも現実を重視」する考え方にあると、する(98p)。時代はヨーロッパで宗教改革の前後。国家は教会勢力との秩序をめぐり、その立ち位置を模索する局面にある点も、該書理解のうえで重要であろう。

著者は、従来の『君主論』に対して読者が寄せる≪思いこみ≫なるものに、線を引こうとしている。他方で、なぜ≪思いこみ≫が広く支持されているのか。その手がかりを『君主論』そのものの読み込みから発するのではなく、その前段にある「使節報告書」の解読を通じてあらたな『君主論』像を示そうとし、また、十分に成功させることができたのではないかと、思う。(NHK出版 100分 de 名著 2011年)
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奈良・貴醸酒


photo by pacific0035 from OCNフォト 奈良・貴醸酒
奈良・貴醸酒。紅葉のあとは、やはり銘酒。車で動いているわけではないが、ご同行くださった面々のお許しを得て、ザックの底に一本。
 実際に口にしたのは翌日の広島移動後であったが。

 談山神社の土産店。銘酒は2種あったが、お店のお奨めはこちら「貴醸酒」。お値段をかいておくと、300cc=1200円。
 たしかに、それだけのことはあって、大満足。芳醇、かろやかな甘み、まろやかで、口内に広がる。

 奈良と銘酒。あるはず、しかし、お目にかからないなー。それは昭和41年に奈良を訪れた時、思った点であった。
 奈良漬が名物なのに、粕ではなく搾りたてに「お目にかからないなー」。

 近鉄の駅にポスター。蔵元が22ほどあって、スタンプラリーの楽しみがある、とのこと。
 やはり、あったか。奈良漬を生み出す銘酒の存在。

 長谷川さんとおっしゃるお方が説明してくださった。「奈良の酒はね、伏見と灘におされてね」。的を得たお話と得心。
 楽しめた、紅葉を締めくくる奈良の銘酒。
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談山神社 縁起

photo by pacific0035 from OCNフォト 談山神社
 神社には資料館があって、絵巻が複製本で公開されていた。神社所蔵の原本は奈良国立博物館かに寄託していると説明されていたように思う。

 原本のつくられた年代は、室町時代ということであったと思う。ながく藤原氏ゆかりの神社であったが、そのころから大和からの人が通うようになったものか。
 現在では桜井の駅からバスで神社を訪問するが、当時のこととて山沿いの道をかよったものか。

 神社の由緒が絵巻で示されて、その説明に多くの人が往時を忍んで酔ったものか。
 神社のまえには立派なホテル。そこに泊まり、紅葉を楽しみ、のちに朝廷権力を掌握した二人の記録書を読んでみよう、か。

 塔・堂・池と紅葉。この旅で、一番の見応えがあった。
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エルベ マイセン
 エルベ マイセン。テレビの番組、入浴後にぼんやりと見つめていたが。画面はエルベ川紀行録。

 エルベ川といえば、学生時代に「エルベ川の誓い」なるものを聞かされたことがあるが。
 番組では流域の諸都市が紹介され、ドイツからチェコの国境へとすすむ。
 それって、下流部から上流部へ物語が、移転しているということか。

 ドレスデンという都市が出てきた。マイセンも出てきた。マイセンは磁器の作品で知られているが、番組をみながらヨーロッパの磁器生産と、権力・芸術家の関係を恥ずかしながら初めて知った。

 景徳鎮・有田焼。紅茶に磁器密接ながら、東洋の知恵が西洋にももたらされた、か。知識の吸収。TVで入り口、文献で確認も悪くはない、か。
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談山 十三重塔

photo by pacific0035 from OCNフォト 談山神社
談山 十三重塔。本殿は改装中であった。友のご友人の方との遠出も最終番。
 奈良県桜井市に案内していただいて、行きついたところが多武峰(とうのみね)。藤原鎌足ゆかりの地。

 着後まもなく、「明日香村へハイキングコース 4キロ」の案内を見つけてくださって、この地点の意味合いが理解できた。

 中大兄皇子と鎌足が都をぬけだし、蘇我氏追討の謀議をはかったとされる地。シカであったか、鳥であったか?。狩りの途中にでも、近親者のとりまくなかでの戦略が練られたにちがいない、が。

 のち、不比等の兄なるものが、神社の創建、十三重塔の建立などを志したと書かれてあったように思う。
 鎌足の子孫には不比等が著名。その兄の存在がいわれるところにも、なにやら事の重さ、が。

photo by pacific0035 from OCNフォト 明日香-談山神社ハイクコース
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透明感 コーヒー
 透明感 コーヒー。朝一番、流したての水をくみ取って、器洗浄用に貯水したあと、コーヒー用の水を薬缶に。

 なるべく透明性のたかいコーヒー、そうそうなぜか「紅茶のカップ」に「器の文様がすけてみえる」にこだわり、落とすことをめざしている。

 そこがなかなかうまくゆかないが、湯をさまして適温にするなど、このごろは少しは腕をあげたたか。

 今朝は上手に落ちたかと、思う。3連休。特に予定はないが、そこがまた≪お気楽で≫、目ざめも早く、気持ちもスッキリ。

 昨日は人とあって話す機会。実は2時半にやっと昼食、4時からは焼き肉。今朝の体重計は66キロ。休日は、減量?。
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浄瑠璃寺


photo by pacific0035 from OCNフォトフレンド 浄瑠璃寺
 11月25日。前夜、「明日はさらに二人の友をくわえて、郊外の紅葉を楽しもう」と、提案があった。「それは、光栄」。
 奈良線の木津という駅で乗り換えることになり、指定の木津駅で。そのフォームで同行を約してくださった、ご両人とお目にかかった。

 次の降車駅は隣の駅ながら、この間の電車の本数はほぼ30分間隔。ついたところでバス時刻を確認すると、これまた1時間おき。
 とりあえず、40分ほどの時間ができた。駅前のベーカーリーショップに休息所があり、そこで焼きたてのパンに、ソフトドリンク。

 で、バスで25分ほど、浄瑠璃寺に。真言律宗の寺院に本尊は阿弥陀如来。しかも9体がある。
 そういえば、出発前にTVで放映。そのとき、なぜ9体?。確か往生の階層ごとに、「それぞれの阿弥陀如来が」と説明されていたことをおもいだした。

 位置は奈良県とも県境にちかいところに、案内してもらったようで。木津川の支流を歩いていたことになる。
 「真言律宗」に「阿弥陀如来」、それに開創の時代を聞かせてもらい、「新仏教の活動が旺盛の時、古代仏教は再生を期したか?」。いかがであろうか。
 小生が知らぬだけで、すでに明瞭なことで、あろうが。
 
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神野直彦著『財政のしくみがわかる本』
 神野直彦著『財政のしくみがわかる本』。財政について、概観できる入門書。ジュニア新書ではあるが、シニアというかかけだしの公務員にも役立ちそう。もっとも、官僚には耳の痛い点が少なくないかも。

 「江戸時代に共同の財布はあったか」。家産官僚制と依法官僚制下の「財布」の意味合いの違いを示す。
 公務の中身を、1)秩序維持の施策、2)生活を支えるセーフティ・ネット、3)市場経済が動いていくための条件整備の施策、に位置づけ(38p)。
 そのうえで、市場原理にゆだねてよい領域と、市場原理にゆだねる領域ではないものとを≪あいまい≫にすることの是非を問う。

 財政が膨張する要因を、家と生業の分離、労働市場の二極化に求める。共通することは、家族・企業が労働力をささえてきた安全装置(セーフティ・ネット)が、二つながらに支持基盤たりえなくなった点に求める。

 著者は労働市場に市民みんなが働きにいく時代を、「産業構造を大きく知識社会の方向に転換していくことすらも不可能にしかねない」(180p)と危惧する。
 最後に、市場社会の政策には、効率と同時に、公平と公正という価値基準が重要であるということを「忘れてはいけない」(186p)とする。(岩波ジュニア新書 2011年)。
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清水寺 庭園夜景


photo by pacific0035 from OCNフォトフレンド 清水寺 紅葉夜景
 
 都ヒトは健脚。こちらも相当に対応はできてはいるが、ほかの同級生、同年代にはたいへんかも。

 旧山縣有朋別邸を活かした建物での夕食にお招きいただいたあとは、「清水で夜景を楽しもう」。

 近くまでハイヤーでかけつけ、山内に。庭が公開され、丁寧な解説があったと思うが撮影は禁止。
 
 清水の舞台はお馴染みながら、今回は音羽の滝に散策。
 ライトアップされた紅葉を眺めて、目を注ぐ一夕。

 舞台を柱をささえる木柱を下から眺め、永年、舞台を支えてゆるぎない構造物(修復必要個所の指摘をTVでみたが)を見やっているうちに、頃あいは20時半をすぎていた。
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芳賀徹著『みやこの円熟ー江戸期の京都文化史再考ー』。
芳賀徹著『みやこの円熟ー江戸期の京都文化史再考ー』。家康が江戸に幕府を開いて400周年といっているときに、「政権が江戸に移ってからも、(注 京都は)文化の面ではいっこうに衰えることなく、かえってさかんに」(「はじめに」)と、京都の底力を解き明かす。

 はじめに『洛中洛外図屏風』。町衆のエネルギーと「花にまさりし女性たち」。本阿弥光悦、尾形光琳・乾山兄弟が登場し、伊藤仁斎に与謝野蕪村、伊藤若冲などと続く。(日本放送出版協会 2004年)。

 「はじめに」にあるように、政権が京都から江戸にうつる時期に阿国歌舞伎が再興し、京都の文化は「美術工芸の上で、染織や陶芸の上で、文学や学問の上で、独創を発揮し、工夫を凝らし、洗練をかさねて、全国への文化発信の基地となってきた」とする。

 広範な題材を解釈し、小気味よい文脈で綴られている。ホントカナ、言い過ぎでではと感じないでもないが、京都の経済力のうみだした、文字通りの「創を発揮し、工夫を凝らし、洗練をかさねて、全国への文化発信の基地」たるの所以が、情熱をこめて紹介されている。
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山岡光治著『訪ねてみたい地図測量史跡』
 山岡光治著『訪ねてみたい地図測量史跡』。なにげなく見てきた銅像が、実は「地図・測量史跡」という範疇でくくることのできる附加価値があることを、本書を通じて知らされた。幣舞公園にある「松浦武四郎蝦夷地探検像」も、立派な「地図・測量史跡」として本書に登場する。

でわ、どんな人物やいかなるオブジェクトが取り上げられているのか。第一にその多くは江戸時代にはじまる、第二は探検家、もちろん図面作製で著名な伊能忠敬・シーボルト、第四に地図・探検資料保存施設、さらには第五として「経緯度・水準原点」や「日露国境標石(サハリン 海外編)という領域にも目配りされている 。

本書の出版にあたって、「現地へ行くときに便利な地形図を掲載。ヴィジュアルでわかりやすいガイドブック」というのが、出版社のおすすめキーワード。
本書は1996年10月、古今書院から出版された(B5判 147p)。既存の資源に新しい視点を重ねて、地域に誇りをうみだす書。
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手紙
 せっせと書いております。いただきものに、相談事。

 メールの時代にハガキ、封書はなかなか。和紙の封筒、和紙の一葉箋など、いくぶんはコル。

 もらった人は、いかが考える?。

 最近、電話のむこうで 「もらった便りをとりだして、なんども読み返しています」。連れ合いのところに、義母のいとこの一言。

 メールでもない、電話でもない、手紙ならではの効用を、垣間見た。
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映画
 この土曜日、日曜日は予定がない。午前中の仕事が一段落したところで、留守番がまわってきて。で、横になりながらテレビで映画。

 「江戸城大乱」。1991年制作らしい。松方弘樹・十朱幸代らが出演。松方扮する酒井蛾楽頭がなぜ、綱吉後継を認めようとしなかったのか?。

 夜は「まぼろしの邪馬台国」。こちらは竹中直人、吉永小百合が演ずる。原作を読んだ記憶がある。1964年ころの話し。

 今、映画はなにが上映されているの、か。新聞の広告を探すもなかなか見つからず。やっと発見、「源氏物語 千年の謎」。
 いくら映画は斜陽でも、毎日の新聞広告は掲載されているか。
 でも地方紙面に、昔の定番。「今週の映画」を記者氏が論評する記事は、姿を消している。
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来迎院


photo by pacific0035 from OCNフォトフレンド

 来迎院。地理に不案内であることはもとよりながら、多分、高野川という河流の源流部に近いところに位置するのかと、思う。
 本院の奥に「音無の滝」の案内標識があったし、近くには順徳天皇陵もある。

 三千院から徒歩で歩き、案内してくださった友人のご友人とおっしゃる方を紹介していただいた。
 実は一年半前の桜の季節、西陣でお会いしているお方である。

 たどりついた参拝者が差し出す「朱印帖」、「集印帖」に揮揮毫(きごう)し、念入りに朱印を押し続けておられた。
 これまで「朱印帖」を用意したことはないので、せっかくの記念に一筆したためていただいた。

 その間も、若い二人連れなど依頼する方がひきもきらずに来訪される。高齢者には難儀な道のりではあるが、朱印をいらいされる方は、観光よりも信仰で訪問されるに違いない。

 天台声明の修道場として創建された来迎院。天台僧の道場としてありつづけ、俗世には写経、朱印で頼られている。
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来迎院

photo by pacific0035 from OCNフォト 来迎院

 来迎院。道筋に案内標識があって、取り付け参道をノンビリ登る。
 それほどの道のりではないが、人の列はぐっと少なくなった。地図でみると、「来迎院町」の表示。

 そのはず。三千院が著名だが、できたのは後のことにて、本院の創建がはるかに、先。地名はキチンと、そこのところを理解している。

 天台声明の修道場。それが由緒なのだそうだ。山間の奥院で透明感のある美声が鍛えぬかれたもの、か。
 堂のすみに掲示。「声明CD 2000円」。よしよしと、買い求めた。

 天台声明は、平安仏教の音律かと思う。儀式でのほかに、音曲文化に影響をあたえた。修行僧の澄み切った音声が、女性信者の心、魂、情を揺すり続けたものか。

 山村のたたずまとは別に、人心を揺すり続けたエネルギーの波が、存在したように感じた、が。

 
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三千院

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大原・三千院。そう聞いておもい浮かべるは、女性の歩く姿と出家像。なぜ、大原は出家の女性像とむすびつくのか。

 地図で調べてみると、大原・比叡・琵琶湖は同じ方向、ただし山陵に隔てられて、公共交通機関では≪出直し≫の旅となる。
 その山陵を今はケーブルながら、徒歩で越えることができた位置、しかも見かえると、山岳からはるか都をみおろす風情となるのだと、判明。

 立ち客はみあたらないが、ほぼ満席のバスはしだいに奥深い山村にすすみ、三千院の昇り口に。
 参道の土産店を尻目に、三門にむかって院内に入る。

 広い境内、春夏秋冬の観光客を集めるのが三千院。
 さりながら、天台の修行道場配置としてはさらに奥の来迎院、勝林院、往生極楽院を管理する機能をもつ、政所として配置されたと三千院のホームページには、ある。

 ここまでは、鈴なりの観光客。しかし創建は後年、「三千院」と称したのは「明治になって」ともHPには書く。
 三千院は観光ガイドブックにお馴染み。信仰でなく、観光の客は、入り口で山院を後にする、か。
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大原


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 京都。どこを歩くことにしようか、考えた。長岡京市の光明寺という案もあったし、東山界隈を歩こうとも考えた。

 「大原・三千院」が良い。この案が、たまたま案内を買って出てくれた友人の構想と一致。

 三千院、来迎院の天台名刹を歩く道筋となった。「いやー偶然。こんなにピッタリ思惑がかさなるとは」。友人は、そう言って喜んでくれた。なんとも光栄、ありがたいことであった。

 11月24日、地下鉄・国際会館駅で待ち合わせて、案内をしていただいた。平日の午後。参道は人出で埋められることも。
 少し汗ばむ好陽気。紅葉も見ごろ。

 三千院は坂道を行く人の賑わい。
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マチおこし 二題
 マチおこしで話題が二つ。いずれもNHKGの放送

 「北海道中ひざくりげ」で八雲町のサケ。本来のうまみをひきだす食べ方を、生産者青年部が提示する。「本来のうまみ」を知っている人が、ひきだして創りだし伝える。失敗の克服の上に特産品化。なにもしないところから、なにもうまれない。

宇都宮市商店街で試みられた、「マチコン」。合同コンパの合同をマチに置き換えた。大型チェーンタイプの飲食店の出現に客、とりわけ若手の客をうばわれた商店街がたちあがった。初め2軒、はずみがついて50軒超に。それぞれの店は初顔の客に、店ならではの推奨の味を示す。

文化成熟のためには、「安ければよい」を終わらせたい。「なにを食わされているか」、わからないからだ。財布と命を引き替えにしているかもしれない。
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本願寺


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 滞在2日目。大阪から新快速で京都へ。駅から徒歩で本願寺。

世界文化遺産。テレビのハイビジョン放送でその文化財修復場面がなんどか紹介された。

御影堂(「ごえいどう」と読むらしい)、「平成修復」。「平成大修復」と「大」がついたかも知れない。

文献を一冊購入。本願寺からは地下鉄烏丸線・五条駅まで徒歩。今回は、よく歩く。
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繁昌亭


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 天満宮繁昌亭。現場にでかけて思いだした。いつぞや、「新春 東西お笑い寄席」。その放送の画面のあったことを。
 とくにシダレヤナギの風情がそのときの場面を思い出させてくれた。

 秋の関西方面。宿を京都に確保することが難しく、大阪を拠点に周回することにした。
 大阪についたところで、劇場四季、吉本興業、天満宮繁昌亭と候補があったが、劇場四季は飛行機到着の時間と開演があわず、落語で時間を。

 飛行機とオチもいかが?。
 でも、落語家もよく飛行機に搭乗するし。桂文珍は小型機を操縦するというし。
 
 関東の寄席は、上野・新宿・池袋とまわったが、関西は両方とも初。
 「試し酒」「芝浜」などを楽しみ、その日は席の近くの蕎麦処で、そばと日本銘酒。銘柄に記憶はない。両方に満足。

 噺家は話を落としても、飛行機は落とさない。

 
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極狭部屋
 極狭部屋と書いて「ごくせまべや」と、読むらしい。

 3DKほどのマンションを各部屋二間にくぎり、6室に分譲。保証人不要、身分確認と初回のみの事務手数料、それに家賃で入居可能という。

 各部屋2畳ほど。トイレ・シャワー。キッチンは共同とする。

 額を突き合わせる空間に薄板の仕切り。それでも各人に面識はないとされる。

 入居者には事情。家賃を抑えて生活費を切り詰め、人員整理や苦学に耐える。

 多少の家賃滞納、夜逃げでも6-7割の家賃納入があれば、そこそこペイする仕組みとか。ほぼ満室に格差、現代の貧困をみるということか。テレビのニュース報道。
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