ほぼ半月のズレの記憶にぶちあたり、覚醒。
《高校教師》のDVDが手に入ったので、さっそく第一話で確かめた。記憶違い。
正確にはこう言っていた。

  「心配いらないよ。
   ワタシがいるもん。
   ワタシが守ってあげるから」 と。

新任の真田が教え子の桜井に、校門をくぐったところで背中から投げられたセリフ。
いずれにしても真田は、このおもいがけない言葉によって迷宮へと踏み入っていくことになる。
いつか通して見直そうと思った。


渡辺が秋葉原から戻る間、オフィスのソファで毛布をかぶって眠ってしまったようだ。起こされた。
すこし話をしてから、先に進めそうもないので今夜はやめることにした。

ロケで三階建ての住宅を何度も上がり下りしすぎたせいか、めずらしく脚がはっている。


進むことはかなわなかったが、
ぶれのコアがどこにあったのか、
あると考えられるのかはつかめた気がする。
思いいたってみれば、なんだそんなことだったのか、とも
これはきついことになっていくなとも考えられた。
森田の詩は対の幻想を描いているような衣装をまといながら、向かっているのは自分一人。そのことに長い間、気づけずにいた。数時間、執拗にリピートしながら、そのことに思いあたり、晴れ間がのぞいたように感じた。

事実は事実としてあるのだが、
自分を揺らす理解不能のぶれは、
たぶん今夜たどりついた感じ方で合っているはずだ。


その道に踏み入る方法がまったく視えないが、選択肢が他にない以上、前に出るだけだ。やっとわかったよ。
時間の記憶の半月ズレがこれだけ大きな意味をもっていたことに唖然とするが。


誰の問題でもなく自分だけの
自分一人の問題だった。

ま、いくらかは寂しくもあるが、
めでたくもある。


《G線上にひとり》に感謝だな。


気づいてみれば、午前1時半をまわっている。10時間あまり考え続けたことになる。
この間、奇妙なほど何も気にならなかった。こうして慣れていってしまうのだろうな。努力では敵わないこともあるのだ。


ここまで、来れたじゃねえか。