最後の《春爛漫》の凄絶なまでの抑揚。
[春爛漫]。これほど美しく抒情的でありながら、ほとばしる激情を感じさせる歌を、俺は聴いたことがなかった。アルバムとして、何度かかけたはずなのに、どうして記憶にひっかかることがなかったのか。
春と青の畳み込みのすさまじさ、最後の《春爛漫》の抑揚。なぜ引っ掛からなかったのか。

 
  
    [春爛漫]


     《桜の花びら
      踏んで 歩いた
      君と肩くんで 熱くこみあげた
      春よ 春に 春は 春の
      春は遠く
      春よ 春に 春は 春の
      春は遠く
      悲しみは 水色にとけて
      青い空の 青さの中へ
      青く 青き 青の 青い
      青さの中へ
      青く 青き 青の 青い
      青さの中へ
      哀しい夢 花吹雪 水の流れ

      春爛漫》



6時。その青も溶けて夕闇。
洒落にならねえな。