ばからしきほどあっけなく…
タバコを買いに外に出た。
昼の暑さがうそのような涼しい風が吹いていた。
公園のベンチに腰を下ろし、このまま寝ちまおうかなどと考えながら一本だけ吸った。
興奮はもう覚めていてただひたすらだるい。あれやこれやを思い浮かべるが、幻のようにかすんで見える。
耳の奥にはかすかにカナカナがきこえているように思える瞬間もあるが、すぐに消える。
もしこのままあの森の記憶が薄れていくとしたら、あれにいったい何の意味があったのか。
もしかしたら、昨日で力が尽きたのかな。

だからなんだ。
そんな思いが勢いをつけて広がっていく。

月を眺める気にもなれず、近くをひとまわりして帰った。

弾む気分がしぼんで消えていく。
そんなものかともこんなはずはとも思える。

たぶん、落とし前のつけ所をおれは誤っているのだ。あれは文字通り、いちどはつぶしてみせるべきだったのだ。

何もそこまで、ではなく、闇に戻せるとというネコだましがほんとうは必要だったのかもしれない。

放っておいてもあと二ヶ月。それですべては無に戻る。だからこそだったのか、だったらこのままだったのか。

今夜はなんだかうっとうしい。


たかのしれた田舎芝居騒動に、
いつまで翻弄されるというのか。
書いちゃえば、そういうことなんだよな。


めんどくせえ。
くそして寝るぞ。