2009年04月の記事


 薄紫の藤の花
春の夜風は寂しくて、暗い海辺を通れば波が浮かんでは沈み、
カモメ達の姿も見えなかった。

眩しい日差しが降り注ぐ今朝、5時起床。
今日は、家事を済ませた後、友達と藤の花祭りに行って来た。

大型連休で人出も多く、桜祭りのように賑わっていた。
上を見れば藤の花が甘い香りを漂わせ、目の前まで垂れ下がり、

薄紫の藤棚を歩けば、満開の桜を思い出す。
あの時、あの人達と同じ賑やかな笑顔がいっぱい溢れていた。

「桜は、最高に良かったけれど藤もいいわね!」そんな会話を
しながら2時間くらい歩いてバス、電車に乗り我家に6時半に帰宅した。

冬太りした身体は、足取りも重く体重を落とさなければと思いつゝ、
二人で行く先々で食べてばかりで痩せそうもない。

最近は、洋酒が好きになり少し飲むようになったが、
甘いケーキ等は食べたいとは思わない。

この5時間、主人が何処に居たか、知っていても何も言わずに
何時も通りに振舞っている。

今日で4月も終わってしまう。四季で大好きな春を有意義に
楽しく過ごしたい。
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 昭和の日 
昭和5年から現在まで走っている大井川鉄道のSL。
金谷~千頭までを片道で1時間45分毎日運転している。

数年前に友達4人で大井川を通って演芸を見に行った事がある。
あれ程大きな川の上を、数え切れない程の鯉のぼりが青空を泳ぎ、

箱根八里は馬でも越すが越すに越される大井川。
この言葉のように、本当に川幅が広い。

日本一の木造歩道橋、蓬莱橋も大井川にかかっている。
農道としても重要な役割を担い、歴史的土地改良施設として

観光客も少なくない。
私も、あの日に蓬莱橋を歩いたけれど、向こう岸迄は行かずに
途中で戻り車で金谷まで向かった。

蓬莱橋を歩いた時、夢の世界に居るようで楽しい想い出になった。
あの辺りは、高級茶(川根茶)の産地でもありお茶畑が沢山ある。

何処を見ても緑一面で長閑な風景ばかりが目に付いた。
今日は、我家の庭で緑色の柿の木から芽が出た事に気付き、

やがてあの芽は白い花となる。庭の草取りも終わり、
すっきりした感じがして爽やかな風がそよそよ吹いている。
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 春の天気は気まぐれ 
上空に寒気が少し残っているものの、高気圧が張り出し、
日差しの強い今朝、寝坊して7時起床。

素顔のまま表通りまで可燃ゴミを出して来る。
近所の奥様達は、お化粧して紫外線対策をしっかりしていた。

前のお宅の庭に濃ピンクの椿が満開に咲き、
まるで椿の屋敷みたいだと思う。

冬は、赤い寒椿、春は濃ピンクの春椿がぽたぽた落ち始め、
辺りに散乱している。

我家の庭に鉢植え用に購入したミニトマトは、あっという間に
枯れてしまい、お水をたっぷりあげなかった事が原因かと思う。

昼下がりから青空が消え去り、曇り空に変わった途端に
ぽつぽつ音もなく小雨が降り出した。

その時、回覧を回していた私は、急ぎ足で自宅に戻って来た。
真っ先に洗濯物を取り込むと、小雨は急に止んでしまった。

春の空は、気まぐれで晴れたり曇ったり急に雨が降ったりする。
まるで気まぐれな人間のようにくるくる変わる。

買物帰りの町中を、通り過ぎれば冷んやりした風が藤の花の香りを
運んでくれた。それは甘く優しい香りだった。
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 緑の風 
昨夜は、深夜0時過ぎに眠り再び宵っ張りの生活に戻ってしまった。
旅行に行く楽しみでも有れば喜んで早寝早起きをする気にもなる。

一生、連れて行かないと言われてから、
いい加減な時間になってしまった。

5時間の睡眠では暖かい為か、日中は眠い。
家族に朝、昼、晩の食事を手作りして食べさせた後、

少し休もうと思っても昼寝は出来ない。
昨日の夜、友達と近所の居酒屋さんでお酒を少し飲んでも、

帰宅すれば笑顔は消えてしまった。
私が帰るまで次女は何も作らず待っていたので

急いで簡単な筍ご飯と、具沢山お味噌汁を食べて貰った。
今日は、暖かな日差しが降り注ぎ、庭の草取りをして居た。

田園の方から緑の風が涼しさを運んでくれ、
汗ばんだ身体を春風が優しく通り抜けていった。

脚立に昇って、真っ赤なさくらんぼを摘み取って
食いしん坊の家族にあげると、小粒でも甘いと喜んでいた。

田を渡る 緑の風が 吹くなかを 新茶の香り 歩をゆるめたり。
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 風の向こうに 
昨夜は、風の強い大荒れの天候だった。
大きな船の汽笛の音がボーッと聞えた後、

漁師さんの船だろうか、汽笛の音が賑やかに聞えていた。
海は時化ていたのだろうか。

遅く寝たせいか今朝は、寝坊して6時過ぎ起床。
将棋大会に出席する主人は、珍しく早く起きて張り切っていた。

私は、公民館に習い事を申し込みに行って来た。
我家に帰っても一人なので頂き物の本を読んでいた。

なんと高校生が成長していく「ひまわり」だった。
何でも親に買って貰える生活には困らない男子高校生の

考えや行動が書かれてあった。人と人との大切な絆、
それは、お互いに相手と向き合う気持がなければ絆は生まれない。

主人公は、あれが欲しい、これが欲しいと言えば何でも買って貰った。
でも、本当に欲しい物は手に入らなかったの書き出しから始まる。

こういう本を読んだ時、この高校生は幸福で自由があり羨ましい。
時代は変わっても、私は親に欲しい物は何も買って貰えなかった。

珠算塾に行きたくても、塾生の姿を見ては貧しさ故に諦めていた。
ご飯におしょう油をかけたり、友達と遊ぶ暇等なかった。

人は、裕福な家庭と貧しい家庭には差がある事を少女時代に知り、
親を恨んだ事もあった。その後、努力をすれば幸福になれると

昼夜、働いて経済的には普通の生活が出来るようになった。
そして、暖かいご飯が食べられるだけで幸福だと思っている。

亡き父母に食べさせてあげたい。美味しい物を見る度そう思う。
今日も友人が筍を持参してくれ、「有難う!」と感謝をする。
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 四月の雨
うとうと眠りから覚めれば時計は6時を廻っていた。
しとしと静かに小雨の降る音が聞こえ、

もっと眠りたいなと思いながら走って階段を下りてきた。
外を見れば緑一色に染まった桜並木、若草色の田園、

大地を雨がうるおしてくれる。
木々が落とした雨の雫、いつも見ていた空なのに、

今日の雨空は何時もと違う装い、汚れた空を洗い流してくれる。
建築工事で汚れた春紅葉の葉を綺麗にお化粧してくれた。

川の水は、ざぶざぶと音をたて大きな海へ流れ、
少し水かさが増えた感じがする。

草花に元気を与え、ちょっと草取りをしない間にタンポポが
庭いっぱいに咲き乱れ、急に強く吹き始めた風の音が気になる。

日増しに色濃くなるさくらんぼの青葉は大きく葉を広げ、
たわわに実った実は赤くなり、風に吹かれて流れるように揺れている。

外出しようと玄関先に出れば、春なのに寒々とした風がぶつかって、
冷たい四月の雨が、纏めた髪をぼさぼさにしてしまう。

雨よ、風よ、貴方の心ひとつで私の心まで晴れ渡る事を知っていますか。
でも、愛は、人に与える事。四月の雨も大地に恵みの愛を与えている。
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 京都 
早寝の習慣をつけようと思っても、深夜0時前に出勤をして
行く家族が居れば、昨夜は直ぐに眠っても0時を過ぎる。

従って深夜勤のない日に早寝をするように心がけている。
今迄の宵っ張りを直す事は容易ではない。

短日になり、晴れの朝は4時過ぎには辺りが明るい。
最近は早寝の習慣が付き始めたので、続けようと思っていた。

今日は、主人とバスツアーで京都に行く予定だった。
20日に喧嘩をして会話がない為、京都旅行を取り消したのか、

判らなくて昨夜、旅行の準備をして置いた。
思い切って「明日は京都へ行くのでしょう?」聞いてみた。

「お前とは一生、行かないよ!」その短い会話が胸に残って
殆ど眠れなかった。

今回は行かないなら納得できるが、一生行かないとは余りにも
ひどい言葉だと思い、一晩中、悔しさがこみ上げて4時半起床。

少女時代に修学旅行で京都に行ったけれど、詳しくは覚えていない。
京都に行けない事は残念だが、人の気持は変えられない。

だから、自分の気持を変える以外に方法はないと思う。
今日は、晴れたり曇ったりの蒸し暑い陽気になっている。
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春の朝 
昨夜は、睡魔が襲い入浴もせず9時に眠ってしまった。
途中で起きてPCを見た時は午前0時を過ぎていたが、

家族が入浴していたので再び眠り、今朝は5時半起床。
日差しの強い朝、洗濯器が廻っている間、朝食の支度を

始めたが8時になっても誰も起きてこなかった。
ベランダに昇って裏通りの景色を眺めながらお布団を干した時、

枯れ始めた薄桃色のレンゲ畑、緑の畑、カラフルな家並み、
そして真っ青な空に青い海の区別がつかない位

快晴の清々しい空気が漂っていた。
草木がぐんぐん芽吹き、20日に静岡市で新茶の初取引も始まった。

1キロ当たりの平均価格は、平成に入って最も低い5344円との事。
新茶取引は5月上旬頃が最盛期だと思う。

1キロ当たり10万円の値がついた茶葉もあると聞き、驚く。
県内のトップを切って菊川、藤枝等は18日に初取引が行われている。

お茶の生産量が日本一の場所に住んでいても、摘み立ての新茶を
飲んだ事は一度もない。美味しいけれど余りにも高値すぎる。

「何か、果物ある?」主人がぽつりと呟いた。
黙々と動いている私は、夏蜜柑を黙って差し出した。
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春雨そして快晴 
昨日は、ぽつぽつと午前中から春の雨が降り出した。
耳をすませなければ聞えないほど静かな雨。

やがてその雨は、ざあざあと止む事なく降り続き、
手作りの池の水かさも増えて金魚達が元気に泳いでいる。

その後春の雨は、優しく子守唄のように聞えて
室内でレース編みをしたり、家事をしていても眠くなる。

家族と一言の会話もなく、黙々と家事をしながら
一日が終わる感じがした。何て鬱陶しい孤独な日々だろうか。

雨雲が発達している為、雨足は激しく雷を伴うとの予報だった。
春の雨は、優しく降ると思っていたけれど時には強く降る。

心の雨雲を晴らせないまま、冷んやりした空気が漂い、
暗い夜に青葉が黒く風にざわめき、雨戸がカタコト揺れていた。

明けて今朝、太陽の眩しい日差しの強さに早めに洗濯、お布団干しを
して置く。日中は25度まで気温が上がる予報通り蒸し暑い。

食事時、PCを使用する時以外は二階で部屋の模様替えをしている。
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 卯の花月 
昨夜は、手短に東京の叔母に葉書を書いていたので
珍しく午後10頃過ぎに眠ってしまった。

これほど早寝をする事は、余りない。
曇り空で小鳥達のさえずりも聞えぬ朝6時起床。

一週間分溜まった可燃ゴミを表通りのゴミ置き場まで出して来た。
富士山も海も山々も、灰色の空に何も見えない。

甘い香りの藤の花と、ツツジが何色か色鮮やかに満開に咲いている。
時々、カモメが迷い込んでくる。

キイキイと声がうるさいけれど、傍に近づけば可愛いもの。
「ひとりで飛ばずに皆の傍にお帰り!」

カモメはまるで聞えたかのように、
大空をすいすいと何処かへ消えてしまった。

卯の花が咲く月、卯月は既に下旬になってしまう程、月日の流れは早い。
するべき事を早くしなければ卯の花月は、終わってしまう。
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 穀雨 
今日は、二十四節気一つ「穀雨」。雨が降って百穀を潤すという意味から
きた言葉で、この時期は柔らかい春雨が降る日が多くなるとの事。

穀物が生長する為に必用な雨と言われるが、気が重くなる時節でもある。
今朝は、風邪が治らず午前8時に起床。

近隣の町に外出予定になっていたので、主人が送ってくれると
車に乗り20分もすると、会話に激怒し、「降りろ!」と、

何回も言ったが私は降りなかった。すると、彼は我家に引き返して
しまった。結局、人を当てにした自分が愚かだった事に気付き

一人で行き、午後帰宅した。その後ずっと部屋で今後の事を
考えていた。心も風邪をひいてしまった感じがする。

ゆっくり睡眠を摂ろうと思っても、クレーン車の騒音が大きくて
中古の我家は、毎日のように揺れている。

午後5時を過ぎれば工事も終わるので静寂さが戻ってきた。
「俺は、また消えるぞ、お前の作った物は一切食べない!」

そう言いながら今朝、作って置いた昼食を次女と全部食べていた。
今日は、ちょっと疲れた一日だった。

私は、彼を激怒させた正義感ある言葉はやめようと反省をする。
相手が何をしても、無言でいる事が円満にいく事だと悟った。

今にも降りそうな春雨、これが穀雨と言うのだろうか。
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4月19日 筍 
父娘の喧嘩を毎日のように聞いて、親子喧嘩等すぐに直ると
思っていた。所がもう半月以上続いている。

私の目の前で怒る主人に、「もう何も言わないで!」
止めても聞く耳を持たない。

私は、疲れ悩んで昨夜は午前2時まで眠れなかった。
今朝も、日差しが強く寝不足のまま5時前に起きてしまった。

友達が、筍掘りに行ってきたので筍を一本おすそ分けして頂いたが、
猪が山から落ちかけている所を

友達のご主人と筍掘りをしていた他の人達4人で助け上げた話を聞いて
「今時、猪を目の前にして驚いたわ!」と大笑いをしていた。

こんな事が現実に有るのだろうか。
想像しただけでも恐くなる。友達ご夫婦はお互いに山を持っている。

毎年、今頃になれば筍掘りに行って私達に、おすそ分けしてくれる。
今は、新物が多く出回り、新玉葱、新キャベツ、新じゃが等と

柔らかい新鮮なお野菜がいっぱいの時節で食材選びが楽しい。
茶摘みも既に始まっている場所もある。

裏庭のさくらんぼも、たわわに実り少し赤みを帯びてきた。
池の金魚もメダカも卵を産んで、その卵を別の場所に移した。
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薄紫色の風 
昨夜は、数日間会話もなく暮している次女が出勤する迄、
起きていた。すぐに眠ったが深夜0時を過ぎたと思う。

それまでの間、テレビを見れば若者の雇用不安の問題を
放送していた。「こんなはずじゃなかった!」ある若者は、

内定取り消しをされ悔しがっていた。
日本の景気状態は、飛行機で言えば墜落し始めていると

私なりに思った。新入社員は、人材を育てなければならない為、
取り消しし易い、組合にも入っていない等が原因との事。

政治問題や社会問題の話しをすれば、「政治の事に口を出すな!」
役所で長年仕事をしていた主人は怒る。

午後から一人でコーヒーを飲みながら、川の向こうの
山々を眺めていた。その山に吹く風は、目の前を吹く風よりも、

なんとなく違う風が吹いているようだった。
色で言えば薄紫色の風。

目の前を流れる川よりも、向こうの川の方が勢いがあると
思う。それは時の流れ、人の流れだった。

私は、人の流れに乗り後れて離れ島にいるのだろうか。
私は、時の流れに乗り後れて離れ島にいるのだろうか。
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 夢に泣いた夜
昨夜は、風邪薬を飲んで夢にうなされていた。
「××さん、早く負債を返済して下さいよ!」

金融業者が、年老いた両親に返済を迫っていた夢に魘され
「私が働いて返しますから、帰って下さい!」と言ったと思う。

親友の父親が会社社長をしていたので、21才の私は頭を下げて
「お願いします、国民金融公庫の保証人になって下さい!」

これが原因で少ない利息の返済で27才で親の負債を全部
返す事が出来た。勿論、親友の親の会社で働くという条件付きだった。

年老いた父も健康なため、父と二人で其の会社で働いた。
その頃の東京は景気も良く、仕事はやりきれない程あった。

そんな思い出したくない夢を見て今朝、寝坊をして7時半起床。
お掃除が出来なくて洗濯、炊事だけをしている。

椅子に座れば時々うとうと眠ってしまい、友達には、
「春眠暁を覚えずで眠いわね。」等と誤魔化している。

来る日も来る日も、隣でクレーン車の音や工事の音が賑やかに、
耳に響き、静かな夜と朝の間だけがゆったりできる。
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 木の芽 
昨夜、宵っ張りをしてしまい、朝寝坊すると思っていた。
短日になり夜明けがどんどん早く、

カーテンの外が眩しくて6時前起床。
朝食は、温かな飲み物から冷たい飲み物になり、

家族は牛乳、豆乳、私は野菜ジュースを飲む。
午前中、駅前商店街の行きつけのお店に外出をして来た。

町は、相変わらず活気がなく数件だけのお店が賑わって、
あとのお店はシャッターが閉まっていた。

このお店に居た方は、会社勤務になったのかしら。
このお店に居た方は、年金暮らしになったのかしら。

顔見知りだった方達が見えなくて寂しい感じだった。
満開だった桜もすっかり消えて若葉ばかりが眼に付いた。

私の心にうつったロングアップの風景は、次々に消えて、
何処を見ても春が深まり昼と夜の温度差が大きい。

夕暮れになれば、ぐんと気温が下がりカモメ、小鳥達も
急いで逃げるように何処かへ飛んで行く。
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 春の小川 
雨上がりの清々しい朝にぐっすり眠り7時起床。
暖かさに油断をして風邪をひいてしまったが、主婦に休暇はない。

急に帰宅した主人は不機嫌な顔をしていたが、
その訳を知っているので何も言わずに機嫌を損なわず、

会話に返事をしていた。雨上がりの空は何処までも青く、
久しぶりに顔を出した富士山が山頂に雪を残し立ちはだかっていた。

汗ばむほどの日中に、川へメダカを取りに行った主人が、
「メダカが6匹釣れたぞ!都会に居ればこんな事はできないぞ!」

喜んで帰り、手作りの池に入れていた。
こういう光景を見て、長閑で平和だなと思う。

さらさら流れる小川、薄ピンク色の広大なレンゲ畑を見れば
まさに春爛漫という感じがする。

♪春の小川は さらさら流る、岸のスミレやレンゲの花に。。。。
匂いめでたく 色美しく 咲けよ咲けよと ささやく如く。。。。

春の小川の童謡を思い出し、幼い頃に戻りたい気持に駆られた。
夕方、買物から帰れば涼しい春風が藤の花の香りを運んでくれる。

藤の花 棚に寄り添い 風吹けば 紫あはし 雲が漂う。
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 春の雨 
静寂さが漂う曇り空の今朝、6時に目覚めた。
音もなく静かな小雨が降っていた事にも気付かずに、

台所に立って朝食の支度をしていた。やがて其の雨は、
ざあざあと激しく横殴りに降り始めている。

ほこりを被った血潮紅葉を雨が綺麗に洗い流してくれ、
冷やゝかな風にひらひら揺れている。

春の雨は時には薄情な人の心のように、私の胸にトゲを刺す。
たまに見せ掛けだけの優しさを見せても、すぐに豹変してしまう。

春の雨は、気まぐれだと思う。
今日は西日本から低気圧が張り出し、

春にしては冷たい雨が降っている。
この家から抜け出して雨の中を友に会いに行って来た。

本音で話せる友と、心そこ笑いあって土砂降りの雨の中を
辺りの風景を見ながら歩いて帰宅する。

僅かに残っている桜の花が、雨に霞んでぼーっと白く見え、
田園は雨水を含み、草花には恵みの雨になったと思う。
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さくらんぼ 
うとうと夢の中をさ迷い、気付けば午前5時になっていた。
何の夢か、はっきり覚えていない。

勝手気ままな伴侶は、今日帰って来るのだろうか。
こんな暮らしにすっかり慣れてしまい、普通に生活をしている。

今朝は5時起床し、洗濯器が回っている間、プラ包装容器を
表通りまで出して来た。

隣のお宅の庭に、藤の花が満開に咲誇り、
我家の庭までぷーんと甘い香りが漂ってくる。

薄紫の藤の花は、大人っぽい花でその香りは強い。
さくらんぼの若葉は、すっかり青々と大きな葉になり、

風にざあざあ揺れている。相変わらず黄色い実は小粒状態のまま。
さくらんぼよ、貴方は小さな親から産まれたのだから

小粒のままで実ってもいいのよ。大きな木から産まれたさくらんぼの
真似をして背伸びをしなくてもいいのよ。

さくらんぼよ、立派に育たなくても其処にいるだけでいいの。
人間の様に、一流なんて欲張っちゃ駄目。

三流のさくらんぼでいいのよ。
すると、さくらんぼは、日光に燦々と光り輝き、

大きな青葉と仲良く春の日差しを受けて、私に微笑んだ。
春の日に、風もうらうら優しく吹いて大粒の涙を拭いてくれた。
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