両国・清州・永代 橋の博覧会=隅田川の架橋「橋 新日本紀行」220625
 両国・清州・永代 橋の博覧会=隅田川の架橋「橋 新日本紀行」220625

 「欧州=オランダ、フランス どこでもやっている」。元都職員の橋脚管理の管理職の発言。
 「どうやって造る、どう言って予算つけるの?、そういう橋をつくる日本にはない」。
 「安ければ良い」「それは2000年頃、東京都の管理職の(人事)評価科目のなかに『予算額に対していくら抑えて発注できたか」。

 「それが大事な評価項目だった」「でも、世界から見ると日本だけ変わっている」。
 東京スカイツリー。その展望台から隅田川を鳥瞰(飛行中の鳥の目線で大地を見下ろしてみる)すると、墨田川にはアラカルトな橋が架けられている。
 関東大震災。その復旧工事は急がれた。予算をかけずに、早期に復旧することが求められた。担当の復興局橋梁課の田中豊課長は、考えた、と。

 1)「同じ橋だと同じ時期に老朽化する」。
 2)「同じ橋だと災害時に一斉に落橋する可能性がある」。
 3)(これが本音)「(形式、工法、素材を多様に用いることで)技術力が一挙にあがる」

 清洲橋と永代橋。この二橋は<天と地>を逆転したデザインとなっている。
 「関東大震災後の復興事業を象徴する優れた構造・意匠」で、「当時の最先端技術を駆使した(勝鬨橋は)日本で最大規模の跳開橋(ちょうかいきょう)」。
 この三橋は平成19年(2007)6月にそれぞれ重要文化財の指定をうける。

 合理性、実用性、低予算化は大切なことながら、それはある意味「経済性」。
 アラカルトな架橋の存在は、橋の展示場にふさわしく識者は「橋の博覧会」と称する。
 それが今もなお健在。「国指定の重要文化財」たる「文化性」を有している。そういうことだ。