Z…佳作座。人形の家
ほんとうかどうか確かめる気にもなれないが、ラストカットがフェードインすると同時に闇の中に「Z…ギリシア語で彼は生きている。」と字幕が浮かんだ。1969年フランス=アルジェリア合作。監督・脚本/コンスタンチン・コスタ=ガヴラス。その後にガブラスがつくった戒厳令三部作の残りをつば吐く気分で観たおれたちが、このときはひどく魅入られた。音楽はミキス・テオドラキス。この音楽とラストの「彼は生きている」というスーパーを今もあざやかに覚えている。神楽坂の人形の家の隣にあった佳作座でのこと。