@東京星菫派今夜から再開
件名: [digital-japanesque:00003] 一本締めで。お手を拝借
送信日時: 2007年 11月 3日 土曜日 0:56 AM
差出人: Toru Mashiko
宛先:digital-japanesque

札幌に初雪が降り、
紅葉前線の南進も勢いを増しつつあると聞いたので
東京星菫派リスタートします。
もろもろよろしく、ね。


音が入れば、世界は動く。
想いでななく、痕跡となる。
もとより、ある日、月の光に、風のざわめきに、
星のまたたきに、けものたちの遠ぼえに…
身体の底にある何かを刺激され
人が「ここではないどこかへ」向かったのだとする。
その人の潰えることのない憧憬や
道半ばで尽き果てた口惜しさが、
歴史の中に「コトバの獲得」というカタチで遺された。
象形文字は「憧憬」文字でもあったのだ。
漢字の、文字の起源はだから、
夢の成就と絶望の名残でもあるはず。
つまり、遺されたものにはいずれもが、在る。
この仕事が、夢想だけを集めたものであるなら…
あるいはそこに、そこだけに答えが隠されているのか。
そんなふうにも思えだしてはいる。
夢や想いだけを集めたパンドラの箱。
たぶんそれが答えのはず。
とすればこれからおれは
どんな仕事を引き受けていけばいいのか、
あるいはそうしなければいけないのか。

正解のない世界。
これが解答。ただ一つの答えである。
ルーシーはその一歩を踏み出した瞬間から
生涯を終えるまで、一歩たりとも
正解としての歩みはなかったはず。
だからこそ彼女は、
「ここではないどこかへ」と歩き続けられた。
そのはるかな気の遠くなるような
夜と昼の堆積の上に、今夜がある。
大げさに言えば、そういうことなのだ。きっと。


      2007年11月2日下弦 T.M