2006年10月の記事


挨拶篇
を書き、送る。ちょうど一年が経過したのだとあらためて。何人かは、冬、春に会っていたけど、志賀さんの話では、特に子どもたちがぐっと成長しているようだ。ま、育ち盛り。とはいえ、この後の展開は、時系列以外はもうムリなのかも。振り返るスタイル。来年は、そんなところか。
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メモ
1.挨拶篇コメント
2.L企画案/必!!!
3.制振の整理
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中原の虹第1巻★★★★
浅田次郎著/講談社刊
このごろの浅田はつまらないので手に取らないことが多かったが、満州馬賊がテーマだったので期待半ばで読んでみた。臭さは相も変わらずながら、にしても面白い。続編が待たれる。「蒼穹の昴」の続編。
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美しき罠★★★★★
ビル・S・バリンジャー著/早川ミステリ刊
書評を読み、書かれた年代の古さを危ぶみながら買った。読みはじめたら、とまらず。バリンジャーが巨匠であったことも、まったく知らず、読後に巻末の折原一の丁寧な解説で知らされたほど。痛切、としか形容しようのない一冊。雰囲気は、もろノワール。おそれいったぜ。
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op.ローズダスト上下★★★★★
福井晴敏著/文芸春秋刊
週刊文春の連載後、さらに800枚書き下ろしたという、その熱気と志が巻頭からラストまで息づいている。読む側に覚悟と“耐力、体力”を強制する超弩弓作。ことごとく失敗している映画化の愚を繰り返さないことを祈るのみ。もっとも、とことん映像的でありながら、映画化を峻拒するような踏み込みぶりではあるが。脱帽。そして脱力も。
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姉と妹の問題
姉と妹をテレコにすれば解決するのだと、気付いた。数日前、古河のデニーズで打ち合わせ中にワタナベが指摘したときは、その手の矛盾は放っておくしかないと答えたが気にはなっていた。何ということはない、姉が妹に妹が姉になれば、年齢合わせの矛盾はひとまとめに解決できるじゃねえか。
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真夜中の犬★★★★★
花村萬月著/光文社文庫
90年代作の一冊。初期の花村らしい愛にあふれた作品。読み逃していたことを知らず、たまたま本屋の文庫売り場で手に取った。
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わたしを離さないで★★★★★
カズオ・イシグロ著/早川書房刊 土屋政雄訳
わずか300ページあまりの小説を舐めるようにしながら味わった。
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40日ぶりの古河詣で
往復を京浜東北線と宇都宮線の組み合わせ。車窓から眺める水田は裸。冬の裸田から盛夏の稲穂の群れまで眺めながら足しげく通ったのが何年も前の出来事のように感じた。東京は晴れていたが現地は小雨もよう。めずらしく夕焼けもなかった。芳流が定休日だったのでデニーズへ。定例二時間、そのあとの確認打合せ二時間。収穫大。秋の深まりと共に、こともまた“激動”となりそうだ。これでやっと、錆びついていたエンジンも復活?する、はず。ピーキューブへのヤクソクも、なんとか果たせそう。ここまで待ってもらったのだ。せめて瞠目してもらえるものにと、いささか恥じ入りながら自分に向け宣誓。しなくちゃ。
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唇が嘘を重ねる★★★★★
シェイムズ・シーゲル著/ソニーマガジンズ刊
原題はDerailed
解説によればDetour Deceitと続く「De-/脱線」三部作の第一巻らしい。最近の小説にありがちな傾向-まったく共感できない主人公&主要登場人物を踏襲しながらも抜群のページターナーぶりを発揮するという、困った一冊。で、なんだかなぁとぼやきながら徹夜で一気読みとなった。ま、時代とよく寝たといえばいいのか。面白かった。
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7日満月。Xファイル特別版
嵐の中を新宿へ。2時間弱の打合せの後、DFの定例ミーティング向けの打合せに向う。横殴りというより巻き上げるような雨と風で、10メートルぐらいの横断歩道を渡る間に傘が折れた。いっそ清々しいような荒れっぷりだった。それから4時間近く、20階のラウンジで話す。先月5日の打ち上げ以来のメンバー。往復共にひさしぶりに電車を使った。腹が空き倒れそうだったので蒲田に着いてから渡辺と焼き肉屋へ。晩飯を食べ終わったら午前一時半。帰ってニュースを見たら、清々しいどころかとんでもない被害が続出していたと知る。2つの台風と一つの低気圧が合体して巨大な低気圧となった、ということだった。合体して…というのがおかしかったが、東北にかけての被害はすさまじく、「未曾有の、体験したことのない」という形容が連発した今年冬の豪雪ぶりを思い出す。今朝にかけて見ていたニュースの中で女川の住人が「五十年漁をしてきたけど、こんな雨の降り方と海の荒れ方ははじめて」と言っていた。年末の会津ロケでもあちこちで同じような古老の感想を耳にした。なにか、想定しようのない段階にいきなりいってしまっている…そんなXファイル特別版のような気がしないでもない。夜になって東京の空は晴れ上がる。7日夜は満月。冴え冴えと輝いている。なにかとても奇妙な気がしてならない。
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愚者と愚者/上下巻★★★★★
打海文三著/角川書店刊行
“裸者と裸者”2004の続編書き下ろし。暴力・人種・ジェンダー。打海の想像力は止まるところを知らず。うんざりしながら、ページをめくる手を止められない。こういうものを書き下ろしで出すことに、拍手したい。疲れ切ったが、しびれるような陶酔もまたあり。
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数学的にありえない/上下巻★★★★★
アダム・ファウアー著/文芸春秋刊
途中、マンガのようになっていくにも関わらず最後まで引っ張られた。新しいのか古いのか判別つかないが、おもしろかった。
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風の影/上下巻★★★★★
カルロス・ルイス・サフォン著/集英社文庫刊
解説にもあったが、ディケンズみたいな一冊。一気に読み通しながら、どうして途中でやめられないのかよくわからなかった。まだ三十代のバルセロナ生まれの小説家の仕事。ふしぎな読後感だった。
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秋の電話
氷雨。雨にぬれ、いつものカフェに飛び込む。冷えたせいか、気分が沈んでいたら、渡辺が田中さんにでも電話してみたらと誘う。ふと、電話。もう一ヶ月、古河に行っていないことを思い出しながら、田中さんととりとめもない話を十分ほど。終わったら、気分が軽くなっていた。十月である。戦いの気配すらない秋である。
なんだかセンチメンタルなホモのようだな、と帰りながら笑った。
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