かもめ
「歌を忘れたカナリヤという歌がありますが、カナリヤは実際に歌を忘れる鳥なのです。春になると雄のカナリヤの脳の“歌う中枢”は、約2倍大きくなります。雌を自分のところへ引きつけるために歌を覚え、そしてみごと夫婦関係が成立すると、この歌の脳中枢は半分(つまり元に戻る)となります。こうして次の春がくるまでカナリヤは実際に歌を忘れてしまうのです」

  と、するならば。
  次の春がきたときに歌い出すその歌は
  “忘れてしまった”歌なのだろうか。

  あるいは、
  まったくあたらしい求愛の歌なのか。
  リセットなのか、リプレイなのか。

  リセットなら捨てて鞭打たれてもいいが
  リプレイなら、そっと寝かせておけばいい。

  知らなかったとはいえ
  西条八十の抒情の、そこが限界。
  
地上に上がり携帯をチェック。長岡からみなとみらいのホームでカモメのSEが流れていたよ、とメール。蒲田駅の蒲田行進曲にはまいどうんざりさせられるが、港にカモメ、悪くない。霧笛もあれば、なおよし。春だ春だ、とニュースが騒いでいたが地上は底冷え。5分いただけで芯まで冷えた。もっとも今日はスタジオワークなのでセーターにサンダル履きということもあり。遅々として進まず、というわけではないが、展開に刺激ゼロ。改定の改定の改定ゆえとはいいながら、ため息がとまらない。