2002 01/02 02:47
Category : 日記
ビデオ屋で借りて一週間以上放っておいた《シュリ》を観た。
ラストぎりぎりまではありきたりの政治劇と
舌足らずなアクションシーンに、
何度もやめようかなと思いながらあくびをかみ殺していた。
向かい合った銃口を彼女が大統領のクルマに向けてそらした
その瞬間から、政治もアクションも吹っ飛んで、
純粋な愛の姿だけが浮かび上がってきた。
取り調べ。彼女の店に残された最後のメッセージ。
編み上がった真っ白いセーター。
名前を騙られた娘が聴かせてくれる死んだ女の愛した歌。
その歌をヘッドフォンで聴きながら海辺の断崖のベンチで
呆然とする男。そのゆるやかな鳥瞰ショット。
ヘッドフォンからこぼれた歌がそのまま
クレジットロールにかかっていくという幕の下ろし方。
テープに残されたメッセージには
「あなたと過ごした一年が私の人生のすべてでした…。
いま、あなたにとても逢いたい」と叫ぶようなモノローグ。
映画としてのドラマツルギーはさておいて、
ラストの数分間のメローさは特筆モノ。
同じことを日本でつくるとただのマンガで終わる。
この材料だと興業の制限で時間が決められる映画では難しい。
ラスト前の2時間余りをせめて10倍にふくらましてあれば、
あのラストはふるえるようなカタルシスが得られる。
メディアの選択肢が飛躍的に増えたにも関わらず
劇場というパイだけで勝負する《劇場用映画》は
すでに存在意義の過半が失われているのではないか。
ラストぎりぎりまではありきたりの政治劇と
舌足らずなアクションシーンに、
何度もやめようかなと思いながらあくびをかみ殺していた。
向かい合った銃口を彼女が大統領のクルマに向けてそらした
その瞬間から、政治もアクションも吹っ飛んで、
純粋な愛の姿だけが浮かび上がってきた。
取り調べ。彼女の店に残された最後のメッセージ。
編み上がった真っ白いセーター。
名前を騙られた娘が聴かせてくれる死んだ女の愛した歌。
その歌をヘッドフォンで聴きながら海辺の断崖のベンチで
呆然とする男。そのゆるやかな鳥瞰ショット。
ヘッドフォンからこぼれた歌がそのまま
クレジットロールにかかっていくという幕の下ろし方。
テープに残されたメッセージには
「あなたと過ごした一年が私の人生のすべてでした…。
いま、あなたにとても逢いたい」と叫ぶようなモノローグ。
映画としてのドラマツルギーはさておいて、
ラストの数分間のメローさは特筆モノ。
同じことを日本でつくるとただのマンガで終わる。
この材料だと興業の制限で時間が決められる映画では難しい。
ラスト前の2時間余りをせめて10倍にふくらましてあれば、
あのラストはふるえるようなカタルシスが得られる。
メディアの選択肢が飛躍的に増えたにも関わらず
劇場というパイだけで勝負する《劇場用映画》は
すでに存在意義の過半が失われているのではないか。