《SomeWhere》をもとめて
日暮れとともにオフィスに。


信州にでも行ってみるかと思ったが、
目が覚めてみれば昼を過ぎていた。窓を開け放していたのがまずかったか、体もだるい。パジャマのままで夕方まですごし、シャワーを浴びてオフィスへ。

ここもまたどこかの高原の夕のようだ。
吹き抜けていく風が涼しいというより、冷たい。
渡辺君が淹れてくれたバニラコーヒーを飲みながら「外伝ージ・アース編」を考える。
できるだけシンプルで美しい構成にしたい。建設記録ではなく、消えていく美しさをとどめるものにしたい。

Slavaの《Over The Rainbow》でいくことにし、オフィス中を探すが見当たらず、ヴァージンに走ってもらう。

メインをSlavaでいくとして、さらに《Over The Rainbow》で埋めていくのはどうかと考えた。バージョンを変えながらひとつの世界にする。
テーマは《Over The Rainbow》の歌詞にある例の《SomeWhere》。
あの儚い夢のような建造物にかかった開幕前日の虹の夕を冒頭にもってくる。

それからは地鎮祭などを皮切りにシンプルに立ち上がりの記録と関係者のインタビューを短くカットバック。

全体で十分前後でどうか。

《Over The Rainbow》の歌手違いを至急そろえてもらおうと渡辺君が再びヴァージンに走った。念のためカノンの演奏タイプ別も集めるように頼む。蒲田のヴァージンだけで揃えるのは難しいだろうが、手元に集まったものだけでつくってしまおうと思う。

信州への秋の旅に行きそこなったのだから
せめて何か匹敵する時間を過ごさないと、また夜が深くなる。