《忘我のためいき》★★★★
シャワーではなくお湯をはってバスタブに40分。帰りに仕入れてきた小池真理子のエッセーを読了。どこかささくれ立った気分が解消していた。のんきなものである。
窓を開け火照りを冷ます。四階まで公園の鈴虫の鳴き声が聞えている。風は変わらず秋。気象庁の発表によれば今年の梅雨明けは七月一日だったとか。十日ほど前倒しになるらしい。むじな森の日々はしたがって盛夏のできごとだっのだ。さもありなん。


「忘我のためいき」小池真理子/講談社刊
二十四人の俳優が取り上げられているが、ジュリエット・ルイス、ジュリエット・ビノシュ、エマニュエル・ベアールの三人の女優についての視点がとても新鮮だった。恋愛小説に傾斜してからの小池を読まなくなったが、このエッセイを読むと、案外元手がかかっているのがわかる。
おみそれしました。


表紙の装画を珍しいことに山口はるみが描いている。《エヴァの匂い》の大ぶりのワイングラスごしのジャンヌ・モロー。