ばかやろな夕暮れがめんどうである
熱いシャワーでも浴びれば萎えた気分もホットになるかと思ったが、シャワーの湯はさすがに体内には届かず。
ふ抜けなままでサンダルをつっかけオフィスに。数百メートル歩くのもかったるかった。
先週末のカゼがぬけていないのだと言い聞かせながら、なんとかたどりつく。
渡辺君に熱いコーヒーを淹れてもらい、飲みながら支払いのチェック。仕事せずに二ヶ月。請求なしの支払いだけが二ヶ月つづくと、さすがにのんびり構えた渡辺君の表情にも陰りが濃いな、とよく見れば無精ヒゲだった。人騒がせなヒゲ男である。
このままだと来月も支払いのみなので、おれは知らんよ、と告げると相手をしてくれなかった。冷たいものである。
で、渡辺君は銀行へ。

おれはひとりなすこともなく、音楽をかけ、聴くでもなく聴いている。

耳には入っても胸には届かない歌がきょうはひどくわずらわしい。消してみる。
開け放った窓からしのびこむどうということのない街のノイズが耐えられない。
まことに鬱病のような午後である。
片腹痛い気もするが、ブルーである。

おれのコトバを、おれのイマジネーションを、おれの野放図な大風呂敷を
誰か聴きたくは、欲しくはないのか。

ありあまる才能が受け口もなく垂れ流されてどぶの彼方に消えていくが、それでいいのか。
などと書いてみても心弾まず。



バカヤローな夕暮れがまたやってくる。