厭戦。
コナが切れたからハワイに頼んだ、とこのあいだ知人に話したら、危ない話と間違われそうだと笑われた。
このコナとはハワイ・コナのことだが、五日ほど切れている。しかたなしに間に合わせを仕入れてきて飲んでいるが、これほど違うのかとがく然とするほどの違いあり。

クリームかミルクをいれないと飲めねえなと思った。いままでどうして気にせずに過ごせていたのか。
知ってしまうことで戻れないことが、あるんだよな。難儀なことだが。

知り合いから未来博に行ってくるというメールが続々と入る。
なんで今ごろ、と思わぬでもないが、
再現できないことに気づくと火がつくということか。

反動のように、おれは冷えていく。覚めていく。むじなの森は、きのうから遥か彼方の幻のように遠い。
たかが三ヶ月。ひと夏のお騒ぎごと。

《外伝》シリーズを続けようと思っていたが、もういいだろう。撮影期間のあの膨大な永遠に続くような無の時間をあらためて見直す気にはなれそうもない。また、したくもないのだ。
意味があったのは仕上げの時間と、須賀川にこもってからのこと。それについてはすでにまとめた。

あちこちで温度差が目立ちはじめている。
戦いの終息というのは、そういうものではあるが。
だからといって、ことさら浮き彫りにしてみることもない。



おれは、むじなの森に、厭きたのかもしれない。新月は冷ましてくれるよ。