明日、薦を、割る。
From: 益子透
Subject: [the-earth:00458] 薦を、割ります。


  むじなの森2001年7月2日午後6時30分
  今年いちばん暑かった日の夕暮れ



  ジ・アース館の後ろの山の上に白い十二夜。前方にオレンジ色の夕日。
  東京も福島もめちゃくちゃ暑かったその夜、
  水の惑星 ジ・アースの結団式がありました。

  アテンダントの皆さんを中心に、いわば初陣式とでも言うのかな。

  これから86日間の会期を運営していくほぼすべての人たちと
  最後のツメに余念のないスタッフたちが一堂に会したことになります。

  ここまで来たぞという想いと、これからやるぞという決意とが
  一つになった、簡潔で余韻のある宴でした。


  いろいろなイメージが残りましたが、印象に残った言葉を書き残しておきます。

    「すでに私たちの中から一人去り、二人去り…」

  と振り返った後藤さんの挨拶のさわりです。
  一日あけて顔を出した事務所の定位置からマックのデスクトップが消えていまし た。
  ぽつんと空いたその場所は山田さんが、どんなときも笑みを浮かべて
  解決を目指して旗をふった席。

  数日すれば、山田さんとあうんの呼吸でトラブルに向かい合ってきた
  怪人池田さんも去ります。
  水のアトリエで彫刻家安藤さんと、おしどり芝刈り夫婦かと噂された笛田さんも、
  次々発生する難題にクラッシュしかけた後藤さんを支えた「こぶとりの間」の高 橋さんも、
  彼らむじな山の精鋭たちをしたがえてフォローミーと叫び続けた
  ジャンヌ・ゴトウもまた去ります。

  我々が山を去った後、この山の祭りを盛り上げ、ひと夏の祭りから
  もしかしたら時間を越えて伝えられ、継がれていくかもしれない
  そんな何かがあるとしたら、そのことをカタチにするのは
  今日、演壇に並んではにかみながら挨拶してくれた
  すべてのアテンダントスタッフと、
  「おばんです」と口火を切った館長をはじめ、村上さん、柳沼さん、斉藤さんたち
  水の惑星 ジ・アースの協会の方たちです。

  
  今宵、川田プロデューサーの名代を兼ね、
  結団式の宴に同席させていただいた益子の、これが感想であります。


  東京で、あるいはどこか遠くの町で
  それぞれのまだ終わらない仕事の合間に、
  あるいはほろ酔い気分でこのメールを読んでいる
  ジ・アースに関わってきたすべてのスタッフのみなさんへ
  
  いよいよ、はじまります。
  いささかセンチメンタルな気分もありますが、
  それぞれの場所でグラスを満たしてください。

  薦を割ります。

  乾杯!




          BGM/中島みゆき「命の別名」、DIANA+MARVIN「YOU ARE EVERYTHING」