2000 09/21 18:07
Category : 日記
ミニラジオドラマシリーズ《朝な夕なに…》
第1回放送台本その2
◎出演
客/松村邦洋
案内係チエ
若女将タミ
●《ホテル・朝な夕なに》の客室
・テーマ音楽、部屋の気配に乗り変わる。
部屋の外の渓流のせせらぎ、小鳥の囀り、
秋の虫の声なども聞こえている。
チエ 『お飲み物は何がいいですか』
松村 『あの、コーヒーで』
チエ 『トテ馬車の源太さんて、おかしいでしょ…』
松村 『あ、まあ。
あれっすね、ここって馬車に乗ったらいきなり山だから、
すぐ前に湖があるのに、ここはしっかり山だから』
チエ 『奥会津は、こういうとこ多いんですよ(と、コロコロ笑いながら)』
松村 『なんかあれっすね、プチホテルって聞いてたから、
どっからみてもここって旅館だよな(独り言)』
チエ 『あのね、旅館なんです』
松村 『えっ?だって…』
チエ 『あっ、そうじゃなくって。
もともと旅館だったの。あの、ふつう旅館て夜中はサービス
しませんよね。ここはね、夜中でもできるだけお客さまのご注文に
お応えするんだって、若女将さんが東京から帰ってきてから。
それで、《ホテル》ってくっつけたの。
小さいからお客さんの数も少ないしね』
松村 『それって正解っすよ。旅館て、すっごい落ち着くんだけど、
あれだよね、夜になると冷蔵庫の中ぐらいしかなくてね、
腹すいて夜中にコンビニ探して道に迷ったりとか、
いいっすね、そういうのって(過剰にほめる)』
チエ 『(嬉しそうに)ほんとにっ。
あ、松村さん、いま、若女将さんが来ますから』
・廊下を去っていくチエの足音に
若女将の挨拶が重なる。
松村 『いゃーびっくりしたなぁ』
若女将『あら、びっくりって』
松村 『フツウ、こういとこの若女将とかいうと、あれじゃないですか、
なんつうか、その結構年いって厚塗りしてるっていうか、ねえ。
だって、ほんとに若いから』
若女将『松村さんて、テレビと一緒なんですね』
松村 『何がスカ?』
若女将『よいしょ、ばっかり』
松村 『いや、そんなぁ(勘違いして照れてる)。
あの、さっきの人ですけど…』
若女将『あ、チエ?。従妹なんです(客にはいつもそう言ってある)。
よろしくお願いしますね。松村さんの係ですから』
松村 『カワイイ人っすね。あの、若女将さんも』
若女将『(取り合わずに)松村さんは板前の北村とお知り合いだったんですって?』
松村 『ええ、ミナ、じゃなくて北村さんとはお知り合いです、はい』
若女将『腕によりかけて楽しませてやるんだって張り切ってたから』
松村 『腕によりかけてですか、なんだか、楽しみですねえ…(不安がよぎる)』
若女将『(取り合わずに)ちょっと上まで行くとすごくよく釣れる谷があるし、
湖がよければボートはあの源太さんが乗せてくれるし、
森で森林浴もいいし、それに身体を動かしたければ村中走ればいいし、
もちろんここでのんびりお部屋と露天風呂を往復というのもね…
外にお出かけのときは、わたしかチエちゃんがご案内しますから』
松村 『(ポーッとしながら)いいですねえ、
深い霧に包まれた森の中を、チエさんと一緒にキノコ取り。
あっ、それはぼくの…(一人で受けている)
ここで、しっぽり森林浴でもしたいね、なんて』
若女将『松村さん、松村さん、よっぽど疲れてるのね。
松村さん、とりあえずお風呂いかが?
まずは、さっぱり、ね。
このあたりの温泉は火山が近いからかな、
すっごくポカポカしちゃうんだから』
松村 『(まだ夢心地)ポカポカしてます。ボクポカポカしてますう』
若女将『(やや呆れて)…ちょっとリラックスしに行きたいって、
いきなりリラックスしちゃって。
松村さん、浴衣と丹前はいちばん大きいのにしましたからね、
温泉に入ってから夢見たほうがいいですよぉ(と呼びかける)。
それから、石けんと歯ブラシもここに置きますよぉ(と小さくなる)』
松村 『(ムニャムニャと)石けんだって、歯ブラシだって、ウフフフフ…
(と、わけのわからない喜びにひたりきってる)グフフフフ…』
第1回放送台本その2
◎出演
客/松村邦洋
案内係チエ
若女将タミ
●《ホテル・朝な夕なに》の客室
・テーマ音楽、部屋の気配に乗り変わる。
部屋の外の渓流のせせらぎ、小鳥の囀り、
秋の虫の声なども聞こえている。
チエ 『お飲み物は何がいいですか』
松村 『あの、コーヒーで』
チエ 『トテ馬車の源太さんて、おかしいでしょ…』
松村 『あ、まあ。
あれっすね、ここって馬車に乗ったらいきなり山だから、
すぐ前に湖があるのに、ここはしっかり山だから』
チエ 『奥会津は、こういうとこ多いんですよ(と、コロコロ笑いながら)』
松村 『なんかあれっすね、プチホテルって聞いてたから、
どっからみてもここって旅館だよな(独り言)』
チエ 『あのね、旅館なんです』
松村 『えっ?だって…』
チエ 『あっ、そうじゃなくって。
もともと旅館だったの。あの、ふつう旅館て夜中はサービス
しませんよね。ここはね、夜中でもできるだけお客さまのご注文に
お応えするんだって、若女将さんが東京から帰ってきてから。
それで、《ホテル》ってくっつけたの。
小さいからお客さんの数も少ないしね』
松村 『それって正解っすよ。旅館て、すっごい落ち着くんだけど、
あれだよね、夜になると冷蔵庫の中ぐらいしかなくてね、
腹すいて夜中にコンビニ探して道に迷ったりとか、
いいっすね、そういうのって(過剰にほめる)』
チエ 『(嬉しそうに)ほんとにっ。
あ、松村さん、いま、若女将さんが来ますから』
・廊下を去っていくチエの足音に
若女将の挨拶が重なる。
松村 『いゃーびっくりしたなぁ』
若女将『あら、びっくりって』
松村 『フツウ、こういとこの若女将とかいうと、あれじゃないですか、
なんつうか、その結構年いって厚塗りしてるっていうか、ねえ。
だって、ほんとに若いから』
若女将『松村さんて、テレビと一緒なんですね』
松村 『何がスカ?』
若女将『よいしょ、ばっかり』
松村 『いや、そんなぁ(勘違いして照れてる)。
あの、さっきの人ですけど…』
若女将『あ、チエ?。従妹なんです(客にはいつもそう言ってある)。
よろしくお願いしますね。松村さんの係ですから』
松村 『カワイイ人っすね。あの、若女将さんも』
若女将『(取り合わずに)松村さんは板前の北村とお知り合いだったんですって?』
松村 『ええ、ミナ、じゃなくて北村さんとはお知り合いです、はい』
若女将『腕によりかけて楽しませてやるんだって張り切ってたから』
松村 『腕によりかけてですか、なんだか、楽しみですねえ…(不安がよぎる)』
若女将『(取り合わずに)ちょっと上まで行くとすごくよく釣れる谷があるし、
湖がよければボートはあの源太さんが乗せてくれるし、
森で森林浴もいいし、それに身体を動かしたければ村中走ればいいし、
もちろんここでのんびりお部屋と露天風呂を往復というのもね…
外にお出かけのときは、わたしかチエちゃんがご案内しますから』
松村 『(ポーッとしながら)いいですねえ、
深い霧に包まれた森の中を、チエさんと一緒にキノコ取り。
あっ、それはぼくの…(一人で受けている)
ここで、しっぽり森林浴でもしたいね、なんて』
若女将『松村さん、松村さん、よっぽど疲れてるのね。
松村さん、とりあえずお風呂いかが?
まずは、さっぱり、ね。
このあたりの温泉は火山が近いからかな、
すっごくポカポカしちゃうんだから』
松村 『(まだ夢心地)ポカポカしてます。ボクポカポカしてますう』
若女将『(やや呆れて)…ちょっとリラックスしに行きたいって、
いきなりリラックスしちゃって。
松村さん、浴衣と丹前はいちばん大きいのにしましたからね、
温泉に入ってから夢見たほうがいいですよぉ(と呼びかける)。
それから、石けんと歯ブラシもここに置きますよぉ(と小さくなる)』
松村 『(ムニャムニャと)石けんだって、歯ブラシだって、ウフフフフ…
(と、わけのわからない喜びにひたりきってる)グフフフフ…』