「海の上のピアニスト」のモリコーネ的現在
エンニオ・モリコーネはなぜ、まだこれだけのエネルギーを持続していられるのだろう。ビデオで「海の上のピアニスト」を見終わっていちばん強く感じたことが、モリコーネのことだった。
主題歌の「ロスト・ボーイ・コーリング」をフィリッパ・ジョルダーノのカバーであらためて聴きなおしたが、映画のロジャー・ウォーターズよりジョルダーノの方が数倍いい。
気鬱なときにいまでもよくモリコーネを聴く。とくに「夕日のガンマン」を。30年余りたって力強さは消えたが、静かな情感を映画的に盛り上げる技は、アメリカの映画音楽家ではぜったいに真似ができないだろうな。
悪くない歳の重ね方をしてるのにおどろいた。
ヨーロッパは息が永い。
映画は、ま、いかにもな「ニュユー・シネマ・パラダイス」の監督らしい世界で終始していたが、楽しめた。