2000 06/10 23:15
Category : 日記
「本能寺」池宮彰一郎/毎日新聞社
池宮の新作。変革者としての信長像にスポットを当てることで、光秀と信長の通説を気持ち良くひっくり返し、昨今の社会情勢とダブらせながら制度の根底からの否定こそが新たな高みへと向かうのだと説く、
池宮にしてはややストレートに過ぎる本能寺論。小説としては、「いま」へのいらだちをダブらせたぶんだけ生煮えな気もするが、池宮らしくない平板な終盤までの展開をがまんして読み進めれば、ラストの展開はさすがではある。
しかし、こういう角度となると、
網野史観を徹底してとりこんだ亡き隆慶一郎を乗り越えるのは難しい。池宮は最初の二冊で筆をおいてもよかった。
名作「十三人の刺客」の脚本家としての名を惜しむ。
池宮の新作。変革者としての信長像にスポットを当てることで、光秀と信長の通説を気持ち良くひっくり返し、昨今の社会情勢とダブらせながら制度の根底からの否定こそが新たな高みへと向かうのだと説く、
池宮にしてはややストレートに過ぎる本能寺論。小説としては、「いま」へのいらだちをダブらせたぶんだけ生煮えな気もするが、池宮らしくない平板な終盤までの展開をがまんして読み進めれば、ラストの展開はさすがではある。
しかし、こういう角度となると、
網野史観を徹底してとりこんだ亡き隆慶一郎を乗り越えるのは難しい。池宮は最初の二冊で筆をおいてもよかった。
名作「十三人の刺客」の脚本家としての名を惜しむ。