2018 05/23 04:49
Category : 日記
作・しらゆき
ある町の公園に犬のリュウが住んでいました。
リュウは子犬の時に人間に捨てられてから一匹で公園で暮らしていました。
この町では、いろいろな所でエサを貰えますから、食べ物に困る事はありませんでした。
ある朝、リュウがエサを探して公園を歩いていると見慣れないダンボールの箱が置いてあるのを見つけました。
なんだろう?
リュウは好奇心いっぱいに近づいていきますと、箱の中から「ミャーミャー」と言う泣き声が聞こえてきます。
リュウは近くに寄って箱の中を覗くとネコの赤ちゃんが一匹で泣いていました。
おそらく夜のうちに人間に捨てられたのでしょう、寒さに震えてかなり弱っているようです。
このままじゃ死んじゃうよ
リュウは自分もダンボールの箱の中に入って、自分の身体で子猫を包むようにして暖めてあげました。
リュウが暖めてもなかなか子猫の震えは止まりません。
がんばれ!
リュウは優しく子猫のに語りかけ、暖め続けました。
しばらくすると子猫は身体が温まってきたのか、気持ち良さそうに眠ってしまいました。
どうやら、もう大丈夫みたいだな、さて何か食べ物を探さないと!
それから、リュウは子猫にチャーと言う名前をつけて世話をしました。
町を歩いてミルクを貰って来て飲ませたり、母猫のように身体を舐めたり、夜は一緒に寝て温めてあげました。
やがて子猫のチャーは元気になり、リュウを親のようになついて二匹は仲良く暮らすようになりました。
そんな毎日が続いた、冬のある日・・・
リュウがエサを探しに出かけて公園の棲家に戻ってみると、チャーが居なくなっていました。
どうしたのだろう?
まだチャーは小さいので一人では遠くまで歩けないはずです。
リュウは公園の隅から隅まで探しましたがチャーは見つかりません。
どこに行ったのかなぁ、心配だよぅ
リュウは、それから町中をチャーを捜して周りました。
幾日かが過ぎて、リュウは町を歩いてはチャーを探していました。
でも、なかなかチャーは見つかりません。
寒さで震えてないかなぁ
リュウはまだ小さなチャーが心配でたまりませんでした。
リュウが町を歩いていると、ある一軒の家の前を前を通りかかりました。
家の庭では小さな男の子がお母さんと遊んでいました。
リュウがそこを通り過ぎようとしたその時、「ミャー」と言う聞き覚えのある声が聞こえたような気がしました。
リュウはもしやと思い、家の庭を良く見ると男の子が子猫を抱っこしていました。
庭には柵がしてあり中には入れませんが、リュウが柵に顔を押し付けるようにして匂いを嗅ぐと、懐かしいチャーの匂いがしました。
男の子が抱いているのは居なくなったチャーに間違いありません。
良かった、やっとチャーが見つかった!
リュウはうれしそうに尻尾を振って「わんわん」とチャーに声をかけました。
チャーは、リュウに気が付いて「ミャウミャウ」と鳴きましたが、男の子に抱きかかえられてるので動くことができません。
実は、あの日公園を通りかかった男の子とお母さんが、公園で鳴いているチャーを見つけたのです。
男の子は、遊び相手が欲しかったのでお母さんに子猫を連れて帰るようにおねだりしました。
お母さんは、どこの物か判らない捨て猫よりも、お店でもっときれいな子猫を買ってあげると言いましたが、男の子が子猫を放さないので仕方なく家に連れて帰ったのでした。
それからチャーは、男の子に別の名前を付けられて、遊び相手として、この家で暮らしていたのでした。
チャーは、リュウの所に帰りたかったのですが、まだ小さくてよく歩けませんし、家の周りには柵でかこってあるので、この家から出る事は出来ませんでした。
リュウは、何とか庭に入ろうとしましたが、どこからも入る隙間はありません。
そうこうする内に、寒くなったのか、お母さんは男の子とチャーを連れて家の中に入ってしまいました。
リュウは、取り合えずこの家の場所を覚えておいて、ねぐらの公園に帰る事にしました。
それから、リュウは毎日のようにチャーの様子を見に行きました。
チャーは、男の子に可愛がられて幸せそうに見えました。
野良猫で暮らすよりもチャーには幸せかも知れないな
リュウは寂しいけれどそう思う事にしました。
そんな日が続くうちにチャーの元気が無くなってきているように思えてきました。
男の子はチャーを相手に元気に遊びまわるので、子猫には辛いのかも知れません。
リョウは心配でしたが家の中には入れませんし、近づく事もできないのです。
チャーは病気にでもなったのかグッタリしてる時が多く、男の子は元気のない子猫が面白くないのか、あまり遊ばなくなっていきました。
リュウはチャーの事が心配で仕方ありません。
ある日、リュウが様子を見に出かけるとチャーの姿が見えなくなっていて、男の子は別のネコを抱いていました。
チャーはどうしたのだろ、家の中で寝てるのかな
リュウは何か嫌な予感がして不安になりました。
リュウは家の周囲をチャーの匂いを嗅いで周りました、するとどうでしょう、チャーの匂いは庭の門から外の道路に続いているのでした。
チャーは家の外にいるんだ!
リュウは一生懸命にチャーの匂いを嗅いで、チャーがどこに居るのか探して歩きました。
冬の寒い日でやがて小雨が降ってきました。
いけない!早くしないと匂いが雨で消えてしまう
リュウは、いつしか駆け出してチャーの匂いを追っていきました。
小雨がリュウの身体を濡らし、寒さがリュウの身を包みますが、リュウは必死でチャーの匂いの後を追いました。
やがて、町の保健所の前に出ると、チャーの匂いの強い木箱をみつけました。
おそるおそる木箱の中を覗いてみると、そこには毛布に包まれてグッタリしているチャーがいました。
チャーは、病気で弱っている所を木箱の中に置き去りにされ、しかも雨で濡れて寒いのか泣き声も上げずに弱っています。
男の子の家では、子猫が病気になって遊べなくなってので男の子がつまらなくなり、お母さんに頼んで代わりのネコを買って貰ったのでした。
お母さんも捨て猫のチャーをあまりよく思ってませんでしたので、毛並みの良いネコを新しく買って、病気で死にそうなチャーは木箱に入れて保健所の前に捨てたのでした。
かわいそうに・・・
リュウは動かないチャーを口にくわえて公園まで連れて帰ることにしました。
重くて大変でしたがリュウは雨に濡れながらも、がんばって何とかチャーを公園のねぐらまで連れて帰る事ができました。
弱って動けないチャーをリュウは自分の身体で包んで暖めました。
そう、初めてチャーと会った時のように・・・
リュウは我慢強くチャーの身体を優しく温め続けました。
がんばれよ!死ぬなよ!
心の中で何度も叫んでチャーを励ましました。
そして、何時間も経った時、チャーが少し動いて「ミャウ」と小さく鳴きました。
でも、それはチャーの最後の命の灯火のようで、それからはチャーの身体はまったく動かなくなり、身体は石のように冷たくなり、やがてチャーの魂は空に還って行きました。
チャーは、もうこの世からいなくなりました。
ウワォ~~ン
リュウは悲しくて寂しくて、いつまでも遠吠えを上げてチャーを呼びつづけました。
チャーは、もう帰って来る事はありませんが、きっと空の上で楽しく幸せに暮らしていくだろう
リュウは、そう思うことにしてチャーの幸せを祈りながら、チャーの冷たくなった身体を公園の土の下に埋めてやりました。
リュウは友達がいなくなって寂しい思いをしています。
それでも、元気に公園をねぐらにして、今日も町を散歩している事でしょう。
いつか、リュウに寿命が来て空に還った時には、またチャーと仲良く遊ぶのでしょうね。
終わり・・・
ある町の公園に犬のリュウが住んでいました。
リュウは子犬の時に人間に捨てられてから一匹で公園で暮らしていました。
この町では、いろいろな所でエサを貰えますから、食べ物に困る事はありませんでした。
ある朝、リュウがエサを探して公園を歩いていると見慣れないダンボールの箱が置いてあるのを見つけました。
なんだろう?
リュウは好奇心いっぱいに近づいていきますと、箱の中から「ミャーミャー」と言う泣き声が聞こえてきます。
リュウは近くに寄って箱の中を覗くとネコの赤ちゃんが一匹で泣いていました。
おそらく夜のうちに人間に捨てられたのでしょう、寒さに震えてかなり弱っているようです。
このままじゃ死んじゃうよ
リュウは自分もダンボールの箱の中に入って、自分の身体で子猫を包むようにして暖めてあげました。
リュウが暖めてもなかなか子猫の震えは止まりません。
がんばれ!
リュウは優しく子猫のに語りかけ、暖め続けました。
しばらくすると子猫は身体が温まってきたのか、気持ち良さそうに眠ってしまいました。
どうやら、もう大丈夫みたいだな、さて何か食べ物を探さないと!
それから、リュウは子猫にチャーと言う名前をつけて世話をしました。
町を歩いてミルクを貰って来て飲ませたり、母猫のように身体を舐めたり、夜は一緒に寝て温めてあげました。
やがて子猫のチャーは元気になり、リュウを親のようになついて二匹は仲良く暮らすようになりました。
そんな毎日が続いた、冬のある日・・・
リュウがエサを探しに出かけて公園の棲家に戻ってみると、チャーが居なくなっていました。
どうしたのだろう?
まだチャーは小さいので一人では遠くまで歩けないはずです。
リュウは公園の隅から隅まで探しましたがチャーは見つかりません。
どこに行ったのかなぁ、心配だよぅ
リュウは、それから町中をチャーを捜して周りました。
幾日かが過ぎて、リュウは町を歩いてはチャーを探していました。
でも、なかなかチャーは見つかりません。
寒さで震えてないかなぁ
リュウはまだ小さなチャーが心配でたまりませんでした。
リュウが町を歩いていると、ある一軒の家の前を前を通りかかりました。
家の庭では小さな男の子がお母さんと遊んでいました。
リュウがそこを通り過ぎようとしたその時、「ミャー」と言う聞き覚えのある声が聞こえたような気がしました。
リュウはもしやと思い、家の庭を良く見ると男の子が子猫を抱っこしていました。
庭には柵がしてあり中には入れませんが、リュウが柵に顔を押し付けるようにして匂いを嗅ぐと、懐かしいチャーの匂いがしました。
男の子が抱いているのは居なくなったチャーに間違いありません。
良かった、やっとチャーが見つかった!
リュウはうれしそうに尻尾を振って「わんわん」とチャーに声をかけました。
チャーは、リュウに気が付いて「ミャウミャウ」と鳴きましたが、男の子に抱きかかえられてるので動くことができません。
実は、あの日公園を通りかかった男の子とお母さんが、公園で鳴いているチャーを見つけたのです。
男の子は、遊び相手が欲しかったのでお母さんに子猫を連れて帰るようにおねだりしました。
お母さんは、どこの物か判らない捨て猫よりも、お店でもっときれいな子猫を買ってあげると言いましたが、男の子が子猫を放さないので仕方なく家に連れて帰ったのでした。
それからチャーは、男の子に別の名前を付けられて、遊び相手として、この家で暮らしていたのでした。
チャーは、リュウの所に帰りたかったのですが、まだ小さくてよく歩けませんし、家の周りには柵でかこってあるので、この家から出る事は出来ませんでした。
リュウは、何とか庭に入ろうとしましたが、どこからも入る隙間はありません。
そうこうする内に、寒くなったのか、お母さんは男の子とチャーを連れて家の中に入ってしまいました。
リュウは、取り合えずこの家の場所を覚えておいて、ねぐらの公園に帰る事にしました。
それから、リュウは毎日のようにチャーの様子を見に行きました。
チャーは、男の子に可愛がられて幸せそうに見えました。
野良猫で暮らすよりもチャーには幸せかも知れないな
リュウは寂しいけれどそう思う事にしました。
そんな日が続くうちにチャーの元気が無くなってきているように思えてきました。
男の子はチャーを相手に元気に遊びまわるので、子猫には辛いのかも知れません。
リョウは心配でしたが家の中には入れませんし、近づく事もできないのです。
チャーは病気にでもなったのかグッタリしてる時が多く、男の子は元気のない子猫が面白くないのか、あまり遊ばなくなっていきました。
リュウはチャーの事が心配で仕方ありません。
ある日、リュウが様子を見に出かけるとチャーの姿が見えなくなっていて、男の子は別のネコを抱いていました。
チャーはどうしたのだろ、家の中で寝てるのかな
リュウは何か嫌な予感がして不安になりました。
リュウは家の周囲をチャーの匂いを嗅いで周りました、するとどうでしょう、チャーの匂いは庭の門から外の道路に続いているのでした。
チャーは家の外にいるんだ!
リュウは一生懸命にチャーの匂いを嗅いで、チャーがどこに居るのか探して歩きました。
冬の寒い日でやがて小雨が降ってきました。
いけない!早くしないと匂いが雨で消えてしまう
リュウは、いつしか駆け出してチャーの匂いを追っていきました。
小雨がリュウの身体を濡らし、寒さがリュウの身を包みますが、リュウは必死でチャーの匂いの後を追いました。
やがて、町の保健所の前に出ると、チャーの匂いの強い木箱をみつけました。
おそるおそる木箱の中を覗いてみると、そこには毛布に包まれてグッタリしているチャーがいました。
チャーは、病気で弱っている所を木箱の中に置き去りにされ、しかも雨で濡れて寒いのか泣き声も上げずに弱っています。
男の子の家では、子猫が病気になって遊べなくなってので男の子がつまらなくなり、お母さんに頼んで代わりのネコを買って貰ったのでした。
お母さんも捨て猫のチャーをあまりよく思ってませんでしたので、毛並みの良いネコを新しく買って、病気で死にそうなチャーは木箱に入れて保健所の前に捨てたのでした。
かわいそうに・・・
リュウは動かないチャーを口にくわえて公園まで連れて帰ることにしました。
重くて大変でしたがリュウは雨に濡れながらも、がんばって何とかチャーを公園のねぐらまで連れて帰る事ができました。
弱って動けないチャーをリュウは自分の身体で包んで暖めました。
そう、初めてチャーと会った時のように・・・
リュウは我慢強くチャーの身体を優しく温め続けました。
がんばれよ!死ぬなよ!
心の中で何度も叫んでチャーを励ましました。
そして、何時間も経った時、チャーが少し動いて「ミャウ」と小さく鳴きました。
でも、それはチャーの最後の命の灯火のようで、それからはチャーの身体はまったく動かなくなり、身体は石のように冷たくなり、やがてチャーの魂は空に還って行きました。
チャーは、もうこの世からいなくなりました。
ウワォ~~ン
リュウは悲しくて寂しくて、いつまでも遠吠えを上げてチャーを呼びつづけました。
チャーは、もう帰って来る事はありませんが、きっと空の上で楽しく幸せに暮らしていくだろう
リュウは、そう思うことにしてチャーの幸せを祈りながら、チャーの冷たくなった身体を公園の土の下に埋めてやりました。
リュウは友達がいなくなって寂しい思いをしています。
それでも、元気に公園をねぐらにして、今日も町を散歩している事でしょう。
いつか、リュウに寿命が来て空に還った時には、またチャーと仲良く遊ぶのでしょうね。
終わり・・・