「命かける鎧意匠」「心映す刀の刃紋」「ワザに<命けずる者の美>」 美の壺「いざ鎌倉 武士たちの美意識」221125
 「命かける鎧意匠」「心映す刀の刃紋」「ワザに<命けずる者の美>」 美の壺「いざ鎌倉 武士たちの美意識」221125
  
 以前、「緋縅 ひおどし」と名乗る関取が居た。決して強力な大相撲の関取ではなかったが、強く、記憶に残っている。
 「威力の威に近い<縅 おどし>がなぜ、『い』ではなく『おどし』と読めるのか。
疑問は解けなかった。

 長ずるに及び、<縅 おどし>は甲冑の<小札 こざね>を固定する糸のこと。
 黒糸ならば黒縅、それが緋色ならば「緋縅 ひおどし」と呼ばれ、名称を決める一要素と知ることになった。
 それは理解できたが、なお「縅」の意を解していなかった。その意は「糸=緒(お) 通す(とおす)」の「とおす」が転じて「とおし」となり、糸の緒と組み合わさった。

 221126朝放送の美の壺「いざ鎌倉 武士たちの美意識」を丁寧に解説していた。得心。
 「美の壺」ならではの三つのポイント。
 第一は「命をかけて身を守る」。甲冑はいわば「武士の本懐を体現した死装束」。しかし「特に目立つように意匠・装束するは、功績を強く評価させるため」。

 「縅」の解説は、「一、命をかけて身を守る」で説明があった。
 では、「美の壺」ならではの三つのポイント。その第  二は。
 刀、長刀・薙刀・なぎなたを取り上げてその<波紋>に事寄せた「二、その輝きに心を映す」。

 最後は「三、きらめく技の玉手箱」。
持ち主がそこはかとなく示す<教養の深さ>が調度品の デザインと技法に示された。
 箱のなかには数々の化粧道具。表は武士でも、内容は女将の調度品。
 番組でのコメンとは知らずとも「戦でイノチをスリ減らす者が垣間見せる余裕と遊び>。

 (以下番組案内)
 「世界遺産・厳島神社の貴重な大鎧(おおよろい)」。
 「そこには雅でかわいらしい桜模様▽甲冑(かっちゅう)師が語る、貴族文化に憧れた武士の鎧(よろい)ファッションとは?」
 「▽義経・弁慶・巴御前が奉納したとされる薙刀(なぎなた)▽鎌倉時代から伝わる秘伝の薙刀(なぎなた)術▽北条政子奉納と伝わる豪華な手箱を特別公開!」
 「人間国宝が手箱の技術を読み解く」<File562>