どうして中島みゆきは
    帰れない者たちが  月を見る十三夜   
   「帰る気もないのね」と 手紙読む十三夜    
    帰れない者たちが  月に泣く十三夜…
   
    帰れない歳月を 夢だけがさかのぼる


こんな詞を書けるのか。書き続けられるのか。
はじめて中島の歌を耳にしたときから、不思議でならない。
こんな時代にも、こんな国にも
詩人が生息していけるのだと
柄にもなく胸を突かれる。
わかりやすそうでいて
深い暗喩の切れ味を
よく持続できるものだ。