サウスバウンド★★★★
奥田英朗著/角川書店
なんといえばいいのだろう。おもしろかったともこんなものかとも。二つの相反する感想を持ったまま読了。けっきょくロケ初日の夜は、サウスバウンドを読んでいるうちに明けてしまった。きっかけになるといえばなるしならぬとすればならず。奥田はしかしどうしてこんなものを書いたのか。とても豊かな視点をはらみながら、主人公の造型の底浅さが最後まで小骨となって残る。ユーモアをどこかで誤解してしまっているように感じられてしかたがない。作家が最低限保持し続けなければいけない真摯さに決定的に欠けている。惜しい。7時45分にホテル発。スチール班と同時進行の2日間。