《売り込み》★★★★★
ダグラス・ケネディ著/新潮文庫

探していたN・パターソンが一冊も見つからず
平台の新刊文庫をぼんやりと眺めていたら
アホのようなタイトルと
出来の悪いデザインの表紙が妙に目に入った。
「悪夢路線完全復活」という帯のひとことと
新潮社にしてはここしばらく見なかったような
下品なタイトルと装丁のセンスのインパクトが強く
怖いもの見たさでそのままレジへ。

つなぎにと思い読み始めたら
これが止まらず。
ひさしぶりにノンストップで朝まで。
なんともはちゃめちゃな展開で
筋の組かたも大ざっぱすぎ
厚みのあるシノプシスふうなのに
600ページ余りを一気である。

「悪夢路線完全復活」とあるからには
探せばまたまだ書いているようだ
いや、愉しめた。


原題は「LOSING IT」
日本語タイトルだと「売り込み」
翻訳の中川聖がゲスなのか
新潮社の文庫担当編集者がズレているのか
呆れたものだな。