村上さんと花の道
「花の道過ぎて峠の茶店かな
茶店には銘酒が揃っていて楽しいです」

村上さんから引退の案内状が届く。
読みながら、去年一年ぶり訪ねた跡地の
花の道と民話茶屋の光景を思い出した。

会期中に種が飛んだのか
花の道は色とりどりの夏の花が野放図なまでに
育っていた。
民話茶屋へと草いきれの中をたどりながら
お伽話の後日談を聞いているような気分に浸ったことを思い出した。

まだ固そうな桃の実が夏風にさわりと揺れ
その青葉の向こうに茶屋がひっそりと残っていた。

ぽちはいなく、野良猫が一匹
ノミだらけの体ですり寄ってきた。

逢いに行ってみようかな、福島へ。

おれの福島は、まだ何も決着がついていないのだから。

http://homepage.mac.com/torum_3/iMovieTheater557.html