遠州灘の巨大ネタ
静岡の往復は初夏のような日ざしにあふれていた。

「ならぶものなき」

ひらがなの魅力が効いたか。うけていた。
9社コンペだが、タイトルだけなら俺の勝ち。

プレゼンを終わったあと、
運転手オススメの駅ビルの寿司屋に入った。
セットメニューの大関というのを注文。
生桜エビと生シラスも頼みおそい昼食。

ネタが異常にでかい。
口に放り込めず、押し込んでやっと入った。
シャリはふつうなのに、ネタがめちゃくちゃでかいのである。
指も口の周りも異常に生臭くなり焦る。
生桜エビと生シラスもひたすら生臭いだけで味がわからない。
ネタは新鮮そうなのだけど、でかいもんだから
ひたすら生臭く、いつまでも咀嚼が終わらないので
だんだん気持ち悪くなって、途中で試合放棄。

あれで横綱セットを頼んだらどんなサイズのネタになるのか。

好みもあろうがあんまりでもある。


車窓から見た熱海の海のきらめきが印象に残った。青い海。これは救い。


弥太郎は、あの沖に持ち船のすべてを集めて
焼き払うと啖呵を切った。
見てみたかった。

ついでにあの駅ビルの寿司屋も遠州灘に沈んで欲しかった。


今宵は、満月である。
ま、いいか。