祝杯である。
杯をかかげたい。
2002年の記念すべき夏に。

一年をかけて
ここを越えたらという機会が二度あり
二度とも半ばで潰えてきた。
昨秋のC。この春のT。
いずれも不完全なままに燃え尽きた。

もう終わりかな
などと感じはじめた頃に飛び込んだチャンスだった。
アウトラインを聞いた瞬間に
これなら賭けられる、と直感した。

そして四十日の夏を走った。
ひたすら駆けた。

そして、たどり着いたのだ。
これでおれはもう少し先に行ける。

誰にというわけでもないが
祝杯をあげたい。

十月十日 三日月の夜