萬月の《二進法の犬》
文庫版が目に留まったので買った。
1000ページを越す文庫サイズというのは
しかし読みにくい。
先週末から持ち歩いて少しずつ読み進めているが、
厚さがなんとも暑苦しい。

4年前の暮れに読んだばかりなのに
あらためて花村の描きたかったことが突き刺さる。
芥川賞受賞第一作に、こんな小説を書くのだから
図抜けた作家なのだとしみじみ。

高校生の倫子の造形に舌を巻く。
花村の良い読者ではないが
《二進法の犬》。
こいつは確かにノワールだ。

まだ半ばほど。
慈しむように少しずつ読み進めている。

梅雨のあいまの二度の台風が去って
これで梅雨明けとなるようだ。

問題は
俺の梅雨がいつ明けるのか、だな。