2001 11/23 22:35
Category : 日記
14日の熊谷ロケの帰りに志賀さんから小泉さんの死がガンだったことを聞かされ、引っかかっていた。オフィスで古いデータを整理していたら彼女と会った頃のメールが見つかった。亡くなる一年あまり前のことである。このすこし後から体調を崩していったのだ。いまさらどうしてやることもできないが、強引に温泉に引っ張っていって、胸のすくようなきれいな映像を見せてやればよかったと悔やまれる。その頃は読み流していた行間に、彼女の想いがいまはよく見えている。この世にいないことだけが、悔やまれてならない。30歳。明るく聡明で美しい人だった。いまさらではあるが、果たしそこなった秋の約束が口惜しい。すまなかった。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Subject: メールテスト OK!
Date: Thu 03 Jul 1997 12:30:08 +0900
From: yuming-k@tokyu-agc.co.jp (小泉 由稔
ハハハハ )
To: mashiko@mars.dtinet.or.jp
小泉です。
昨日はありがとうございました。
メールテスト、OKであります!
今朝、アクセスし、思いがけないお便り発見…。
まだ、異動まもなく「小泉」の“においつけ”がままならない
ちょっと落ち着かないスペースの中で、思わず歓声を上げ
一人ニヤニヤしているわたくしであります。
スエちゃんとは、よく メールで遊んでました。
そんなこんなで、実は今回の仕事でお目にかかる前から
語りべスエちゃんのおかげで、益子さんのこと、存じ上げておりました。
ですから、
今回ご一緒できることを、本当に嬉しくありがたく思っているのです。
いろいろ、制約の多い仕事で申し訳なく思うことしきりなのですが、
スエナガクよろしくお願いいたします。
わたしは非力な存在ですが、縁あって巡り合えた仕事、そして
お世話になる様々な人たちのことを財産だと思っています。
そのチャンス、1つ1つが刺激であり肥やしであり、楽しみであります。
VPづくり、ワクワクしてます。
あの美しい映像たちに出会えたこと、そしてこれからも出会えること。
(ホントになんだか申し訳なく思ってしまうほどです。
ホントに涙がででしまいます…)
皆さんにご苦労をおかけしてしまいますが
四季を通して、その世界の片隅にいれることを
幸せに思っています。
暑い日に、なんだか あっついメール になってしまいましたが
また、明日もお会いできるのでこの辺にしときます。
それでは…。
7/3 TAG YUMI KOIZUMI
Date: Fri 11 Jul 1997 21:09:27 +0900
From: yuming-k@tokyu-agc.co.jp (小泉 由稔
ハハハハ )
To: mashiko@mars.dtinet.or.jp
小泉です。
昨日、社内打の帰りにロビーを通ったら
「お届けもの、お預かりしてます。」と受付嬢に呼び止められました…。
思わぬ贈り物、本当に、嬉しい限りでございます。
ありがとうございました。
直筆のサイン、もったいなくって、思わず切り取って(封筒さん、ごめんね)
DESKで眺められるように貼ってしまいました。
(わたしの元気の素にしようと思って…)
ホントに嬉しかったものですから。
このところ、職場環境が変わり改めて少々緊張感のある日々を送っている
のですが まぁ、新しいことを始めるのは悪いことではないって
ポジティブに捕らえています。
「慣れ」とか「要領」とかって、いい意味で気持ちいいし、心地よいし、
嬉しいのは確かなんだけど、たまには違う目的意識の集団の中に身を投じて
スポンジのように吸収体制に入っている裸の自分もよいものなのかも
しれません。
できるだけ多くをためこんで、何かを絞り出せるようになるときは
きっと 所詮 わたしはわたしでしかないのですから
形なりタイミングなりに「小泉由稔」がうつっているのでしょうけど
それがはまるか、はまらないか、良いのか悪いのか、実はそれすらも
わからない状態なのです。
できあがっている水たまりに、わたしの落とす滴が
音もなく溶け込むのか、はたまた みなも揺れるのか…。
ここは、自然体でしなやかに、でも確固たる思いをもって
とりあえず頑張ってみよう と思っている今日この頃なのです。
でも 流石に ふと 「元気の素」を欲してしまいます。
MILKの仲間と接しているとき とても温かく、そして熱く、
この心地よさは言いようがありません。
(そう、財産です。元気の素です。)
…ついつい訳のわからない話をつづってしまいまして、ごめんなさい。
益子さんの世界を拝見すると、何だか思いをさらけだしてしまいたく
なりまして…。(お許しください)
今のわたし、ホントは あの 空や海や 緑のなかで 風のにおいをいっぱい
吸い込んで おもいっきり伸びしながら“きもちいーっ!”って叫んで
大の字になりたい気分なのです。
(実は、常に わたしのDNAはこんな声を発していますが…)
そろそろ つぶやきを終わりにしないと
あきれられてしまいますね…。
それでは また お会いできる日を 楽しみにしながら、
つづっているうちに元気にしてもらったことを感謝しながら、
ペン(?)をおくことにいたします。
ありがとうございました。
7/11 小泉 由稔
Subject: そろそろ温泉に入って、骨
ハハハハ 休めしたいです。
Date: Mon 06 Oct 1997 14:16:45 +0900
From: yuming-k@tokyu-agc.co.jp (小泉 由稔
ハハハハ )
To: 益子透
お元気ですか。
先日は、お忙しいなか、ついつい睡魔に負けてしまいがちの講演におつきあい下さい
ましてありがとうございました。
(ホント途中は気を失っていました。まぶたに目でも書いておけばよかった…。)
久々に益子さん、そして皆さんにお会いできて、とても嬉しく気持ちのよいひととき
を過ごすことができました。
感謝しております。
スエちゃんより、先週ロケのスケジュールを聞きまして、めちゃくちゃお供したくて
一晩悩んでおりました。
勿論、担当営業としても参加すべきと思うタイプですので、
(例えクライアント不在でも…そして何の役にたてないとしても…)
何とか、と思っていたのですが、物理的な問題でどうしても調整がつきそうになく
とても悲しい気持ちになっております。
ましてや、これは少々動機が不純ですが、今回の仕事は特に現場の空気を感じるのが
とても楽しみで、しかもロケのあと温泉入って皆さんと過ごせるなんてとても刺激的
で(スエちゃんからもずっと前から話聞いてましたし)こんなに行きたい気持ちなの
に、貧乏営業かけもちの悲しさに、やるせないものを感じてしまいます。
仕事の方は、益子さんも、皆さんも、スエちゃんも塚さんも、みんなついていてくれ
ますから大船にのっていますが。
残念で、そして申し訳なく思ってしまいます。
いろいろ、きつい仕事で申し訳ありませんが何卒よろしくお願いいたします。
また、画面を通じて日本の四季のすばらしさを、
そして澄み切った空気を、
感じさせていただけるのを楽しみにしております。
時間がない中かなりの強行軍になることと思いますが、
どうぞ皆様お風邪など召されませんよう、
乾いた東京の空のもと、ロケのご無事をお祈りしております。
10/6 TAG 小泉 由稔
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乾いた東京の空のもと、ご無事を祈っております。と書いてくれたその当人が死んで3年。小泉さん、東京の空の下は、地の果てのように乾いているよ。干からびているよ。オフィスで、ことしはじめて使った加湿器がかなしい蒸気を出している。
どこかの武道に3年殺しとかいう技があるという。きみのメールはその秘技のようだ。
読み返して、言葉が、ない。
せめて、罪を忘れないために、ここにさらしておく。
ほんとうに、すまなかった。
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Subject: メールテスト OK!
Date: Thu 03 Jul 1997 12:30:08 +0900
From: yuming-k@tokyu-agc.co.jp (小泉 由稔
ハハハハ )
To: mashiko@mars.dtinet.or.jp
小泉です。
昨日はありがとうございました。
メールテスト、OKであります!
今朝、アクセスし、思いがけないお便り発見…。
まだ、異動まもなく「小泉」の“においつけ”がままならない
ちょっと落ち着かないスペースの中で、思わず歓声を上げ
一人ニヤニヤしているわたくしであります。
スエちゃんとは、よく メールで遊んでました。
そんなこんなで、実は今回の仕事でお目にかかる前から
語りべスエちゃんのおかげで、益子さんのこと、存じ上げておりました。
ですから、
今回ご一緒できることを、本当に嬉しくありがたく思っているのです。
いろいろ、制約の多い仕事で申し訳なく思うことしきりなのですが、
スエナガクよろしくお願いいたします。
わたしは非力な存在ですが、縁あって巡り合えた仕事、そして
お世話になる様々な人たちのことを財産だと思っています。
そのチャンス、1つ1つが刺激であり肥やしであり、楽しみであります。
VPづくり、ワクワクしてます。
あの美しい映像たちに出会えたこと、そしてこれからも出会えること。
(ホントになんだか申し訳なく思ってしまうほどです。
ホントに涙がででしまいます…)
皆さんにご苦労をおかけしてしまいますが
四季を通して、その世界の片隅にいれることを
幸せに思っています。
暑い日に、なんだか あっついメール になってしまいましたが
また、明日もお会いできるのでこの辺にしときます。
それでは…。
7/3 TAG YUMI KOIZUMI
Date: Fri 11 Jul 1997 21:09:27 +0900
From: yuming-k@tokyu-agc.co.jp (小泉 由稔
ハハハハ )
To: mashiko@mars.dtinet.or.jp
小泉です。
昨日、社内打の帰りにロビーを通ったら
「お届けもの、お預かりしてます。」と受付嬢に呼び止められました…。
思わぬ贈り物、本当に、嬉しい限りでございます。
ありがとうございました。
直筆のサイン、もったいなくって、思わず切り取って(封筒さん、ごめんね)
DESKで眺められるように貼ってしまいました。
(わたしの元気の素にしようと思って…)
ホントに嬉しかったものですから。
このところ、職場環境が変わり改めて少々緊張感のある日々を送っている
のですが まぁ、新しいことを始めるのは悪いことではないって
ポジティブに捕らえています。
「慣れ」とか「要領」とかって、いい意味で気持ちいいし、心地よいし、
嬉しいのは確かなんだけど、たまには違う目的意識の集団の中に身を投じて
スポンジのように吸収体制に入っている裸の自分もよいものなのかも
しれません。
できるだけ多くをためこんで、何かを絞り出せるようになるときは
きっと 所詮 わたしはわたしでしかないのですから
形なりタイミングなりに「小泉由稔」がうつっているのでしょうけど
それがはまるか、はまらないか、良いのか悪いのか、実はそれすらも
わからない状態なのです。
できあがっている水たまりに、わたしの落とす滴が
音もなく溶け込むのか、はたまた みなも揺れるのか…。
ここは、自然体でしなやかに、でも確固たる思いをもって
とりあえず頑張ってみよう と思っている今日この頃なのです。
でも 流石に ふと 「元気の素」を欲してしまいます。
MILKの仲間と接しているとき とても温かく、そして熱く、
この心地よさは言いようがありません。
(そう、財産です。元気の素です。)
…ついつい訳のわからない話をつづってしまいまして、ごめんなさい。
益子さんの世界を拝見すると、何だか思いをさらけだしてしまいたく
なりまして…。(お許しください)
今のわたし、ホントは あの 空や海や 緑のなかで 風のにおいをいっぱい
吸い込んで おもいっきり伸びしながら“きもちいーっ!”って叫んで
大の字になりたい気分なのです。
(実は、常に わたしのDNAはこんな声を発していますが…)
そろそろ つぶやきを終わりにしないと
あきれられてしまいますね…。
それでは また お会いできる日を 楽しみにしながら、
つづっているうちに元気にしてもらったことを感謝しながら、
ペン(?)をおくことにいたします。
ありがとうございました。
7/11 小泉 由稔
Subject: そろそろ温泉に入って、骨
ハハハハ 休めしたいです。
Date: Mon 06 Oct 1997 14:16:45 +0900
From: yuming-k@tokyu-agc.co.jp (小泉 由稔
ハハハハ )
To: 益子透
お元気ですか。
先日は、お忙しいなか、ついつい睡魔に負けてしまいがちの講演におつきあい下さい
ましてありがとうございました。
(ホント途中は気を失っていました。まぶたに目でも書いておけばよかった…。)
久々に益子さん、そして皆さんにお会いできて、とても嬉しく気持ちのよいひととき
を過ごすことができました。
感謝しております。
スエちゃんより、先週ロケのスケジュールを聞きまして、めちゃくちゃお供したくて
一晩悩んでおりました。
勿論、担当営業としても参加すべきと思うタイプですので、
(例えクライアント不在でも…そして何の役にたてないとしても…)
何とか、と思っていたのですが、物理的な問題でどうしても調整がつきそうになく
とても悲しい気持ちになっております。
ましてや、これは少々動機が不純ですが、今回の仕事は特に現場の空気を感じるのが
とても楽しみで、しかもロケのあと温泉入って皆さんと過ごせるなんてとても刺激的
で(スエちゃんからもずっと前から話聞いてましたし)こんなに行きたい気持ちなの
に、貧乏営業かけもちの悲しさに、やるせないものを感じてしまいます。
仕事の方は、益子さんも、皆さんも、スエちゃんも塚さんも、みんなついていてくれ
ますから大船にのっていますが。
残念で、そして申し訳なく思ってしまいます。
いろいろ、きつい仕事で申し訳ありませんが何卒よろしくお願いいたします。
また、画面を通じて日本の四季のすばらしさを、
そして澄み切った空気を、
感じさせていただけるのを楽しみにしております。
時間がない中かなりの強行軍になることと思いますが、
どうぞ皆様お風邪など召されませんよう、
乾いた東京の空のもと、ロケのご無事をお祈りしております。
10/6 TAG 小泉 由稔
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
乾いた東京の空のもと、ご無事を祈っております。と書いてくれたその当人が死んで3年。小泉さん、東京の空の下は、地の果てのように乾いているよ。干からびているよ。オフィスで、ことしはじめて使った加湿器がかなしい蒸気を出している。
どこかの武道に3年殺しとかいう技があるという。きみのメールはその秘技のようだ。
読み返して、言葉が、ない。
せめて、罪を忘れないために、ここにさらしておく。
ほんとうに、すまなかった。