《REDS》のD・キートンのうつくしさ
3時間15分。くたびれた。セルビデオ。品質いまいち。
どういうわけか夕べいきなり《恋と革命》の世界に浸りたくなりREDSを思いだした。本屋のセルコーナーで《レオン/完全版》と一緒に購入。
封切りのときは退屈して途中で帰ったので、評論でだけジョン・リードとルイーズの後半戦を記憶していた。

映画は《革命》の部分がやはり退屈だった。これはハリウッドの限界なのか製作まで手がけたW・ビーティの限界なのか。
しかしD・キートン演じるルイーズとW・ビーティ演じるジョン・リードの葛藤は、二つの強烈な自意識の持て余しかたが、黎明期の世界認識をよく描き出していた。
D・キートンはかくも美しい凄絶な演技をする女性だったのかと、驚く。この映画の時にW・ビーティと恋に落ちた、と読んだことがあるが、その感情の嵐がまっすぐに演技として表出されている。希有な瞬間なのだろう。どれだけ狙っても絶対に出せないものがある。D・キートン自身にとって、この《REDS》の映像はどんな宝飾品にもまして捨てがたいものになったのではないか。
メリル・ストリープの計算しつくした演技とは対極にある感覚だけが到達できる世界。REDSのルイーズ役のD・キートンは輝いていた。
3時間を越える長尺も、彼女のリアリティを感じるためだけにムダとはならないな。
それにしてもこのときのD・キートンはきれいだ。人は恋にこそ落ちるべきである。いつなんどきでも。