土湯は積雪十cm
朝までビデオを見、一時間だけ仮眠して福島に向かった。東北道はみごとに満開の桜が続き、春たけなわだった…那須あたりまでは。

郡山で撮影スタッフと合流。「水の赤ちゃん」のロケハンをしている間は、みぞれのような雨。バウハウスの高見沢さんの案内で「蕎」という名のそば屋へ。注文したのは「せいろと野菜天ぷら」。いや、これがうまいのなんの。
満足して外に出たら、満開の紅梅に雪。
こっちはまだ梅かよ、梅に雪も風流だね、などと話ながら車で土湯のびっき沼へと向かった。

福島ランプを降りるあたりから、一気に白銀の世界に変わった。
大雪である。
途中、立ち往生してチェーンをつけている車を何台も見かけた。

いまごろ、吹雪である。

びっき沼は雪の中で、ひっそりと沈んでいた。この景色を見たとしても、心ひかれることはなかったろうな、と思えるほど、雪の中で平凡なつまらない光景だった。

宿にたどりつき、フロントで風邪ぐすりを買い(このホテルは一種類しかない風邪薬
を一箱丸ごと売りつけた。急速に福島への共感がさめていく)、布団を敷いてもらう。

窓の外はどかどか重たそうな水っぽい雪が降っている。熱が出てきたようなので、これから早寝する。