湯の花温泉末廣旅館のタミさん
朝の夢は、結局、舘岩村のイメージだったのか。

真冬の雪のさなか、七月中旬のロケハン、下旬のロケと
末廣旅館の二階の同じ部屋から、ちょうどジョンとコロ父仔が
朝晩の合唱をするあたりを眺めていた光景と、
近かったのかもしれない。

真冬は一面真っ白の世界だった景色が夏には水田と集落と川、
緑と水の色と空の青に変わっていたことの印象深さが残っていたのか。
部屋を囲むクルミの木ごしに毎日見ていたあの光景がベースになって、いままでロケで歩いた牧歌的な場所のイメージが重なっていたのだろう。福島の、いや会津を中心にあちこちの旅館に泊まってきたが、撮影の内容と、派生したいくつかのエピソードを思えば、もっとも印象に残っていても不思議はない。

しかし若い女将は着物を着ており、それもいま考えればかなり仇っぽい着こなしだった。ロケ中、末廣旅館のタミさんが着物姿だったことは一度もなかった。

あれは、どこからきたイメージだったのか。
ちよっと気になった。