サティスファクション!
イマジカからの帰りの冷房のまったく効かないアウトビアンキの窓も屋根も全開にして、第一京浜をとろとろ走らせる渡辺の隣で、口をついて出てくるのはストーンズの「サティスファクション」。
隣にいるのがひげ面のむさくるしい男でなかったら、思わず抱きしめてキスの雨をふらしてやりたい、そんな気分だった。
通りを行く女がすべてまぶしく見えた。
試写、勝利。
20m×15mの3D、おれは少なくともサイズについてはモノにできたと思う。伊南川の俯瞰と移動は、ぼう然とするほど明るく光り満ちていて、なお神話的に撮れていた。
満足である。
大言壮語で鼓舞しながらごまかしながらここまで来たが、
冬から夏まで薄氷だけを踏み続けていた気がする。
「かんべんしてください」と謝って、なんど現場から帰ろうと思ったか。
逃げなくて良かった。俺はまだまだ可能性をもっているじゃないか、そんなふうに思えた。
すべてはすぐれたスタッフあってのことではあるが、
勝利の旨酒は、まず俺が飲む。
痛快である。

これから古いCDを探して、ヘッドフォンつけストーンズを
ガンガン大音量で日暮れまで聴こう。

満足といえば、会津で痛めた足、
昨日、医者にもういいだろうと言われた。
良いことは続くものだな、ジャイアンツも俺も。