スタン・ゲッツの夏
夏が深くなるとなぜゲッツを聴きたくなるのかな。
今日は日暮れまで雲を眺めながらストーンズをかけていた。
そのあとジャイアンツが術もなくヤクルトに破れていくのをAMで聴きながしながら、畑中純の「愚か者の楽園」を読んだ。
しかし、ジャイアンツは5連勝のベイスターズには3連勝し、5連敗のヤクルトにはそっと負けてみせるなど、さすがに江戸の野球団。

「まんだら屋」のスコンと突き抜けた頃から比べると畑中も妙にロジカルになって、ちよっと鼻につくな。
この間の湯の花ロケに、ふと思い立って「まんだら屋の良太」を持っていこうと、オフィスと自宅の本棚をひっくりかえして見つけた自選集十巻は、ひさしぶりに愉しめた。
畑中はあるいはマンガで宮沢賢治に近づいてくのかと、あらためて思え、新作を手に入れてきたのが甘かった。
新潮45に連載ではムリもない。先の見えすぎるセックスへの傾きが、ひと時代ずれてしまって、ものがなしかった。
シャワーを浴びた後、今年はじめてのスタン・ゲッツをかける。

エアコンをとめ、窓を開け放ち風を入れる。

ゲッツはいいな。
夏が深くなるとどうしてゲッツが好きになるのかな。

試写の後の今日の俺は、介護を受けている老人のように午後を過ごした。悪くない一日だった。