特別公開
昨日は、日記でも書いたように秋の京都を散策していたが、実はほんとうの目的は以前の日記でも紹介した「非公開文化財の特別公開」を見に行く事だった。

普段は非公開で見ることの出来ない仏像や文化財を直に見れる貴重な機会なので、どうしても見ておきたいものがあったのだ。

非公開文化財の公開はだいたい9時からなので、それまでの時間つぶしにあちこち周っていたくらいである。

まず、見たかったのが建仁寺の塔頭である「大統院」である。

お寺は大正時代に火災に遭い昭和に再建されたので建物は新しい寺院であるが、寺宝には興味深い物がある。

ここのお庭は「耕雲庭」と言い、近年に北山保夫氏によって作庭されたもので、石の部分と苔の部分が四角いモザイクになっている面白い造りの庭園で、狭い庭園であるが遠近感を感じて爽やかな雰囲気のお庭である。

また、寺宝や文化財に茶器や陶器、それに掛け軸などの美術品が多く優れた物も多い。

中でも私の興味を引いたのが丸山応挙の「幽霊画」で、丸山応挙の描いた幽霊の姿や表情が不気味である。

重要美術品の「赤絵十二支四神鏡文皿」は京焼磁器の祖と言われる奥田頴川の作で、皿の周囲に十二支が描かれて、中には四神が描かれていて面白い絵柄である。

また、アルバイトなのか判らないが大学生かと思われる男性や女性が解説してくれるのだが、これが丸暗記しているような感じで覚えた事をたどたどしく解説してくれるのは微笑ましく感じて心の中でがんばれって応援してしまうね。

その次に行ったのは御所の東にある「廬山寺」である。

この廬山寺は紫式部の邸宅跡と言われてる場所に建つ寺院で、特に源氏庭と言われるお庭に桔梗が咲くのが有名で、私も毎年訪れてて今年も桔梗を見に訪れたばかりである。

廬山寺も非公開文化財の特別公開を行っており、普段の拝観では見られない文化財も多く、また普段は入れない内陣や拝殿にも入れて仏像を見れるのもうれしい。

特に私がどうしても見たかったのが「鬼大師」と言われる元三大師の鬼に変化した姿を現した仏像で、普段は本堂の中にしまわれていて見ることが出来ないのだ。

元三大師は、御神籤の考案者だとも言われて鬼に変化して魔を退治する魔滅大師とも言う伝説があり、その鬼大師の像に興味を持っていたので、ようやく直に見ることが出来て感動してしまった。

他にも、明智光秀の念持仏の地蔵菩薩像も公開されていて興味深かった。

続いて、近くの清浄華院も特別公開をやってるはずと行ってみたのだが、昨日の9日で終わってしまっていて残念だった。


非公開文化財の特別公開は、見たいものでいっぱいで次はいつ見れるのかも判らない物も多く、もっと周りたかったのであるが疲れてしまって二つで終わりにした。

それでも、見たかったものが見れて満足だったよ。