2008 05/04 20:47
Category : 日記
今日は楽しみにしていた狂言を見に行ってきた。
私が大ファンである京都の大蔵流の茂山家の「春狂言 2008」で、大阪の大槻能楽堂で開催される。
公演は午後からなので、午前中は近くの大阪歴史博物館を見学して時間を潰したが天璋院篤姫展も開催されてて、なかなか楽しめた。
さて、午後になって大槻能楽堂に向かった、いつも狂言を見に来ているのでお馴染みの能楽堂である。
今日の午後の部の公演は「佐渡狐」「骨皮」「さくらんぼ」の三曲で、今回の公演には「狂言と落語の縁もゆかりもある関係」の副題があるとおり、落語にゆかりのある曲が二曲入っている。
茂山家の公演は人気があるためにチケットが取り難いくらいであるが、今日もほぼ満席の入りだった。
始めは、茂山家の公演ではお馴染みのトークである。
茂山家ではテレビなどで活躍されてる人が多いからか、トークでしゃべれる人も多いが、今日は最近のNHKのドラマの「ちりとてちん」にも出演されて人気になった茂山宗彦さんのトークだった。
軽快なしゃべりで今日の演目の解説や狂言の楽しみ方を、判りやすくツッコミを入れながら爆笑をさそって雰囲気を盛り上げていく。
さて、トークも終わって始めの曲は有名な「佐渡狐」である。
「佐渡狐」
越後のお百姓:茂山 正邦
佐渡のお百姓:茂山 茂
奏者:茂山 千之丞
越後と佐渡のお百姓が都に年貢を納めに行く道中で道連れになり、それどれの国の話をするうちに、佐渡に狐がいるかいないかで言い争いになり、お互いに小刀を賭けて奏者に判定してもらうことになる。
佐渡のお百姓は佐渡に狐がいると言ってしまったが、実は狐はおらず見たことも無い。
そこで奏者に賄賂を贈って佐渡に狐がいることにしてもらい、さらに狐の事を聞かれた時に答えられるように狐の事を教えてもらう。
続いて越後のお百姓も無事に年貢を納めると、奏者に賭けの判定をしてもらうように頼んだ。
そこで奏者は越後のお百姓と佐渡のお百姓を呼んで佐渡にも狐がいると嘘をつき、佐渡のお百姓も何とか教えられた通りに答えて賭けに勝つのだった。
しかし、どうしても納得できない越後のお百姓は帰りに、もう一度狐の鳴き声を訪ねるが、佐渡のお百姓はそれは教えてもらっていないので・・・
お馴染みの狂言であるが、茂山家らしい味付けで、奏者の前で越後のお百姓の質問に、佐渡のお百姓が四苦八苦しながら答えるとか爆笑につぐ爆笑である。
また、越後のお百姓役の正邦さんと、佐渡のお百姓役の茂さんの兄弟対決も見もので面白かった。
休憩を挟んで、次の曲は落語の「金名竹」の元になった「骨皮」であり、私も始めてみる珍しい曲である。
「骨皮」
住持:茂山 千作
新発意:茂山 童司
傘借り:島田 洋海
馬借り:増田 浩紀
斎呼び:丸石 やすし
住持は、新発意(まだ仏門に入ったばかりの者)に寺を譲って隠居しようと考えて新発意に告げ、檀那たちを大切にするように教える。
そこに男が傘を借りに来るが、新発意は住持の新品の傘を貸してしまい、住持に叱られて傘の断り方を教える。
次に、馬を借りに来た男に対して教わった傘の断り方で断ってしまい、また住持に叱られて馬の断り方を教わる。
続いて、斎呼び(食事の誘い)には馬の断り方をして、またまた住持に叱られてしまう。
やがて、住持と新発意は言い争いになり・・・
この狂言には、人間国宝であり、昨年に狂言界初の文化勲章の受賞をした茂山千作様(あえて様づけ)が出ているのである。
昨年に骨折されてしばらく舞台を離れてられて心配していたのだが、元気に舞台に復帰されて感慨無料であった。
ほんとうに、茂山千作様の凄さは出てくるだけで独特の雰囲気を持ち、何とも言えない可笑しさをかもしだす至芸だと思う。
生の茂山千作様を見られる幸せを実感してしまう私である。
最後の狂言は新作狂言の「さくらんぼ」で、これは落語の「頭山」をもとに小佐田定雄氏が作り、茂山あきらさんが演出した狂言である。
茂山家は古典もきちんとこなすが、新作狂言にもいろいろと挑戦していって、勉強していくのが良いですな。
「さくらんぼ」
男:茂山 あきら
女房:茂山 逸平
友達:茂山 宗彦
茂山 七五三
茂山 正邦
茂山 茂
丸石 やすし
さくらんぼの種を食べてしまった男は、やがて頭から桜の木が生えて、春になって桜の花を咲かせるようになった。
男の友達が訪ねてきて、男の頭の桜を見て驚くが、男も外出できなくて寂しいだろうと、仲間を連れてきて見舞うと言い出した。
やがて、友達仲間が連れ立って見舞いに訪れたが、酒を持って来ていたので、やがて頭の桜の木を眺めながら、賑やかに花見の宴会が始まって女房も一緒に酒盛りに参加する。
しかし、男とすれば周りで賑やかに盛り上がっても、自分は少しも楽しくないので、やがて何処かに出て行くと頭の桜の木を引き抜いて帰ってきてしまう。
すると木を抜いた後は大きな穴が空いており、折からの雷雨で穴に水がたまって池に変わってしまい・・・
これは落語が元になった話だけに荒唐無稽なバカ話である。
まず、始めに頭に桜の木が生えた男が出てくるだけで爆笑が起こってしまう楽しい狂言となっている。
以上が、今日の狂言の内容であったが、私の好きな茂山千三郎さんや茂山家の当主である茂山千五郎さんが見れなかったのは、少し残念ではあったが、その代わり茂山千作様を見れただけで大満足である。
私などが千作様の芸について語るなどできないが、それでも凄さをひしひしと感じてしまうのが千作様なのかもしれない。
あと、いつまで千作様の芸を生で見れるのだろうかと思ってしまうこともあるが、それでも生で見れるだけでも幸せだと思う。
私が大ファンである京都の大蔵流の茂山家の「春狂言 2008」で、大阪の大槻能楽堂で開催される。
公演は午後からなので、午前中は近くの大阪歴史博物館を見学して時間を潰したが天璋院篤姫展も開催されてて、なかなか楽しめた。
さて、午後になって大槻能楽堂に向かった、いつも狂言を見に来ているのでお馴染みの能楽堂である。
今日の午後の部の公演は「佐渡狐」「骨皮」「さくらんぼ」の三曲で、今回の公演には「狂言と落語の縁もゆかりもある関係」の副題があるとおり、落語にゆかりのある曲が二曲入っている。
茂山家の公演は人気があるためにチケットが取り難いくらいであるが、今日もほぼ満席の入りだった。
始めは、茂山家の公演ではお馴染みのトークである。
茂山家ではテレビなどで活躍されてる人が多いからか、トークでしゃべれる人も多いが、今日は最近のNHKのドラマの「ちりとてちん」にも出演されて人気になった茂山宗彦さんのトークだった。
軽快なしゃべりで今日の演目の解説や狂言の楽しみ方を、判りやすくツッコミを入れながら爆笑をさそって雰囲気を盛り上げていく。
さて、トークも終わって始めの曲は有名な「佐渡狐」である。
「佐渡狐」
越後のお百姓:茂山 正邦
佐渡のお百姓:茂山 茂
奏者:茂山 千之丞
越後と佐渡のお百姓が都に年貢を納めに行く道中で道連れになり、それどれの国の話をするうちに、佐渡に狐がいるかいないかで言い争いになり、お互いに小刀を賭けて奏者に判定してもらうことになる。
佐渡のお百姓は佐渡に狐がいると言ってしまったが、実は狐はおらず見たことも無い。
そこで奏者に賄賂を贈って佐渡に狐がいることにしてもらい、さらに狐の事を聞かれた時に答えられるように狐の事を教えてもらう。
続いて越後のお百姓も無事に年貢を納めると、奏者に賭けの判定をしてもらうように頼んだ。
そこで奏者は越後のお百姓と佐渡のお百姓を呼んで佐渡にも狐がいると嘘をつき、佐渡のお百姓も何とか教えられた通りに答えて賭けに勝つのだった。
しかし、どうしても納得できない越後のお百姓は帰りに、もう一度狐の鳴き声を訪ねるが、佐渡のお百姓はそれは教えてもらっていないので・・・
お馴染みの狂言であるが、茂山家らしい味付けで、奏者の前で越後のお百姓の質問に、佐渡のお百姓が四苦八苦しながら答えるとか爆笑につぐ爆笑である。
また、越後のお百姓役の正邦さんと、佐渡のお百姓役の茂さんの兄弟対決も見もので面白かった。
休憩を挟んで、次の曲は落語の「金名竹」の元になった「骨皮」であり、私も始めてみる珍しい曲である。
「骨皮」
住持:茂山 千作
新発意:茂山 童司
傘借り:島田 洋海
馬借り:増田 浩紀
斎呼び:丸石 やすし
住持は、新発意(まだ仏門に入ったばかりの者)に寺を譲って隠居しようと考えて新発意に告げ、檀那たちを大切にするように教える。
そこに男が傘を借りに来るが、新発意は住持の新品の傘を貸してしまい、住持に叱られて傘の断り方を教える。
次に、馬を借りに来た男に対して教わった傘の断り方で断ってしまい、また住持に叱られて馬の断り方を教わる。
続いて、斎呼び(食事の誘い)には馬の断り方をして、またまた住持に叱られてしまう。
やがて、住持と新発意は言い争いになり・・・
この狂言には、人間国宝であり、昨年に狂言界初の文化勲章の受賞をした茂山千作様(あえて様づけ)が出ているのである。
昨年に骨折されてしばらく舞台を離れてられて心配していたのだが、元気に舞台に復帰されて感慨無料であった。
ほんとうに、茂山千作様の凄さは出てくるだけで独特の雰囲気を持ち、何とも言えない可笑しさをかもしだす至芸だと思う。
生の茂山千作様を見られる幸せを実感してしまう私である。
最後の狂言は新作狂言の「さくらんぼ」で、これは落語の「頭山」をもとに小佐田定雄氏が作り、茂山あきらさんが演出した狂言である。
茂山家は古典もきちんとこなすが、新作狂言にもいろいろと挑戦していって、勉強していくのが良いですな。
「さくらんぼ」
男:茂山 あきら
女房:茂山 逸平
友達:茂山 宗彦
茂山 七五三
茂山 正邦
茂山 茂
丸石 やすし
さくらんぼの種を食べてしまった男は、やがて頭から桜の木が生えて、春になって桜の花を咲かせるようになった。
男の友達が訪ねてきて、男の頭の桜を見て驚くが、男も外出できなくて寂しいだろうと、仲間を連れてきて見舞うと言い出した。
やがて、友達仲間が連れ立って見舞いに訪れたが、酒を持って来ていたので、やがて頭の桜の木を眺めながら、賑やかに花見の宴会が始まって女房も一緒に酒盛りに参加する。
しかし、男とすれば周りで賑やかに盛り上がっても、自分は少しも楽しくないので、やがて何処かに出て行くと頭の桜の木を引き抜いて帰ってきてしまう。
すると木を抜いた後は大きな穴が空いており、折からの雷雨で穴に水がたまって池に変わってしまい・・・
これは落語が元になった話だけに荒唐無稽なバカ話である。
まず、始めに頭に桜の木が生えた男が出てくるだけで爆笑が起こってしまう楽しい狂言となっている。
以上が、今日の狂言の内容であったが、私の好きな茂山千三郎さんや茂山家の当主である茂山千五郎さんが見れなかったのは、少し残念ではあったが、その代わり茂山千作様を見れただけで大満足である。
私などが千作様の芸について語るなどできないが、それでも凄さをひしひしと感じてしまうのが千作様なのかもしれない。
あと、いつまで千作様の芸を生で見れるのだろうかと思ってしまうこともあるが、それでも生で見れるだけでも幸せだと思う。