2011 05/01 18:05
Category : 日記
朝から止むことはない春雨が静かに降り、
私は、近所の方に依頼された共襟を縫い付けていた。
法事に着る長襦袢を買うのは勿体ないから
衿だけを新しく取り換えたいらしい。
そこで首周りから胸元までの共襟を付ければ衿が新しく見えて、
何度か共襟を取り換えれば何年でも着用出来る。
共襟を付けるのは浴衣を縫うより簡単な事。
外を見れば雨が音もなくぽつぽつ小ぶりになって
樹木の若葉からダイアモンドのような雨粒が
ぽつんと光って落ちた。
雨粒は、若葉の上でゆっくり休みたいとコロコロ転がり、
しがみついていたのに風の力に負けてしまった。
私は、心にうつるロングアップの風景を追う。
強風吹き荒れる寒い冬、
春を呼ぶ紅梅や菜の花も散り、
満開に咲き誇った大好きな桜、
それも花筏となり海へ流れて消えた。
戻って来るかも知れない私の穏やかな日々、
しかし、もしやの期待はよく消え去るもの。
それでも昨日、満開の藤の花を心ゆくまで眺めていたら、
これからは風薫る五月がくると思えば胸がときめく。
土砂降りに合おうと歩いて行けば、
もしやの期待が戻ってくるかも知れない。
私は、近所の方に依頼された共襟を縫い付けていた。
法事に着る長襦袢を買うのは勿体ないから
衿だけを新しく取り換えたいらしい。
そこで首周りから胸元までの共襟を付ければ衿が新しく見えて、
何度か共襟を取り換えれば何年でも着用出来る。
共襟を付けるのは浴衣を縫うより簡単な事。
外を見れば雨が音もなくぽつぽつ小ぶりになって
樹木の若葉からダイアモンドのような雨粒が
ぽつんと光って落ちた。
雨粒は、若葉の上でゆっくり休みたいとコロコロ転がり、
しがみついていたのに風の力に負けてしまった。
私は、心にうつるロングアップの風景を追う。
強風吹き荒れる寒い冬、
春を呼ぶ紅梅や菜の花も散り、
満開に咲き誇った大好きな桜、
それも花筏となり海へ流れて消えた。
戻って来るかも知れない私の穏やかな日々、
しかし、もしやの期待はよく消え去るもの。
それでも昨日、満開の藤の花を心ゆくまで眺めていたら、
これからは風薫る五月がくると思えば胸がときめく。
土砂降りに合おうと歩いて行けば、
もしやの期待が戻ってくるかも知れない。