夕日が沈む湖
とても冷え込みの強い朝、6時起床。
富士山は、すっかり雪化粧し濃青く美しい。

彼女が隣のマンションに引っ越しても休暇が多く、
昨日も今日も衣類等を取りに来ている。

「お父さん、お婆ちゃん達がお墓参りに来るそうよ。」
「そうか。」と言ったものの、「俺はゲートボール試合で居ないぞ。」
すると次女が、「いいよ。」こんな会話が聞こえた。

年末の大掃除を始めた私は慌てゝしまい、
心がずしんと重くなる。

大分前に、主人と挨拶がてら用足しに亡き奥様の実家に
行った時の辛い思い出が脳裏をよぎった。

主人だけ、亡き奥様のお宅に入り、
私は何時までも木枯らしの吹く玄関の外で待っていた。

「お入りなさい」とは言って貰えず、
主人に付いて来なければと後悔ばかりしていた。

明日、あのお婆様家族に来て頂いても
彼が外出すれば、どう振舞えばいいのか、
余り考えると疲れるから辞めよう。

あの日、湖に沈む夕日を思い浮かべると、
県内の小旅行でも旅って楽しい。


photo by sakura1205 from