心が欲しい 
昨夜は、宵っ張りをして午前1時半迄起きていた。
自由時間を好きな事に没頭していたが、
気がつけば居間にぽつんと一人で座っていた。

6月にしては北東の冷たい風が吹く今朝、6時起床。
自分の趣味を語るだけで大切な事は語らぬ主人に
歩調を合わせるだけの生活に嫌気がさしてしまった。

相手を信じて何でも正直に話している私に対して、
様々な隠し事をしているずるい彼を信用は出来ない。

学生時代から苦労なしの御ぼっちゃま育ちの彼と、
借金に困った両親に捨てられ、泣く暇もない程
過労死寸前まで働き続けた私とは考えも違う。

「お前は株を買え!」何度言われても絶対に賭けごとはしない。
生活費が残れば僅かな金銭をこつこつ貯金をし、
もう二度と困らない様に将来の生活を考えている。

勿論、彼が退職する前に金銭で困った時は何回も助けてあげた。
娘さんにも誰にも言えず困った時だけ私に助けを求める為、
私も「嫌だわ。」と断れなかった。

退職してからの彼は、趣味に没頭し生活に困る事はないと
本人が言っている。私は彼の預金通帳を見た事がない。

「貴方は、子供は別にして誰が一番大切なの?」
「自分だよ!」と必ず同じ事を答えるので笑ってしまう。
この人にこれ以上質問しても無駄と思い、夕食の支度にかかる。