山茶花咲いて 
バイトの帰り道、山茶花がずらりと咲き並ぶ場所を
通って来た。

風に吹かれて散る山茶花、その葉の間から次々と蕾が出て
初冬から一冬咲き続ける濃ピンクの花びらは椿と似ている。

あの人は、「迎えに行くよ。」と言っていたのに、
携帯の電源を切って連絡が取れない。

主婦業とバイトが2日続いた私は、宵っ張りをしていたので
少し疲れが出たけれど3人分の夕食を準備して置いた。

明日から次女も東京へ行くと言う事を知っていた彼は、
無断で何処かへ消えてしまった。

外出先から何処かへ行く予感がしていたから差ほど驚きはしない。
明日から一人でのんびりし、自分のやるべき事を終わらせて
体力造りをしたり、趣味に没頭したい。

町内行事の回覧が次々に回ってきている。
暖かな小春日和の日中も、夜になれば煌々と月が輝き
風が少し出て雨戸をカタコト揺らしている。