流れ雲そして今
桜並木を歩いていると、真っ青な空に、綿のような真っ白い雲が、西から東へ流れていく。
柔らかな真っ白い雲、それは、父の顔になり、母の顔になり、そして姉の顔に見える。

再び、流れてきた雲は、幼い友の顔になり、初恋の人の顔になり、東へと流れていった。
流れる雲は、時折り、人の形に見えたり、花の形に見えたり、動物の形にみえて不思議。

消えては浮かぶ流れ雲、あの雲に乗って、あの町へ行こうかな、「待って!」追いかければ
雲は逃げてしまう。あの雲の様に人生を振り返る事もなく、走り続けていた私。

今まで、走り過ぎてしまった生活、数年前迄、四季も知らずに夢中で生きていた年月。
そして今、春、夏、秋、冬の季節をじっくり観照できる幸せ、雲の美しさも判る。

雲だって、一箇所の場所に浮かんでいたいと思う。流れて直ぐに消えたくはないと思う。
一日中、消えては浮かび、幾つかの雲が一緒になったり、離れたりしている。

私は、あの雲みたいな一瞬の間に流れてしまう雲には、なりたくない。これからは、
真っ青な空に、ぽっかり浮かび、綺麗だ!そう言われる、白い雲の様に純な心で居たい。

二月の雲は、風の冷たさの為、冷んやりと感じる。それでも、柔らかな雲に見える。
人生の波に流されてしまったけれど、もう、堂々と浮かぶ雲になりたい。

この日記は、昨年2月18日に綴った日記として思い出がある。
今も同じ気持で流れ雲を見ている。そして流れ雲は流される雲ではなく、

自分の目的に向かって先へ先へと進む雲、一途な雲だと思うようになった。
人生の過去ばかり悔やまず、明るく楽しかった事など雲を見て思い出したい。

綿飴のように柔らかく包み込んでくれるふんわりした真っ白い雲、
青い空に白い雲の色合いが美しい。楽しかった如月の楽しい旅はもう終わる。

人間だから悩んがり泣いたりする時も有る。其の後必ず笑える時も来ると
私は信じている。浮き沈みがあっても仕方がない。運、不運は誰も判らない。

編集 yattyan : ”白波に 戻ることなき 砂時計”良い句ですね。sakuraさん!自然こそ無限の抱擁力を持つ最高の教師でしょうね。ためらう事なく門を叩きましょう。(^^)