8月10日 雨雲
近所の親しい友人宅へ用事を兼ねて行けば、急に青空が消え
雨雲が走り、遠雷の音が聞こえた。

「雨が降りそうよ、帰るわ!」歩いて帰りたかったが、雨が降る予感がし、
自転車に乗って我家に戻った。

30分後に、真っ黒い雲がまるで怒っている様な動物の形相と化し、
局地的に突風が吹き荒れ、開けてある窓ガラスから様々な物が飛び散る。

自然は時には大暴れをし、天を突き破りぶつかり合って地上に落ちる。
日中の暑さは、嘘のように消え去り、涼しい夏になる。

逃げ遅れたカラスが大慌てで山の方向に飛んでいき、
少し離れた水田の稲穂が、暴れる様に強風に揺れていた。

大気が不安定で、雷は夏にはつき物でも大雨、強風をもたらす反面、
涼しくなり、汗ばむ身体を冷してくれる。

そして雷が遠のけば町は明るくなり、青々とした稲穂も、微かな風に
ふわふわと青草の匂いを漂わせ、空気が綺麗に澄んだ薄日さす青空となる。

此の雨で渇水した川の水が少しでも増えればと思う。
雷の暗い空のように、心の雨雲が晴らせないまま、私は生活をしている。

再び晴れ間は消え去り、空は灰色となる。人の心も空模様もくるくる変わる
もの。私も自分の欠点を反省し、人を良く見極める目を持たなければならない。

昨夜と同様に、今朝も、雨雲が張り出している。小鳥も鳴かぬ
静かな朝、澄み切った空に涼しい風が吹いて立秋を思わせる空気が漂う。

編集 十六夜 : 心の雨雲。。すこしずつ晴れるといいですね。それにしても、素晴らしい文章で、今朝も一気に読ませていただきました。 よろしかったら、こちらへもお出かけくださいませ。