夏の川
町は、夕方から夜店を出して賑やいでいた。
浴衣を着た人達が、「あれが良いかしら、これがいいわ!」

楽しそうに買物をして居た光景はいかにも夏らしい。
私は、涼を求めて今日も、川沿いを歩いていたが

川の水かさが春の半分に減り、雨量が少なく真夏日が続いていた事が判る。
ざぶざぶと流れる川の中に素足で5分くらい入ると

差ほど冷たくも無く、とっても涼しくて気持がいい。
♪遣り水さらさらホタルが飛び交う、闇を走って貴方に会いに行く、、。

思わず、鼻歌を歌ってしまう。
ホタルが飛び交うほど、川の水は澄んで傍には涌き水も有る。

水田の苗は、長く伸びて稲穂が出ていた事を初めて知った。
お米になる大切な稲穂をそっと手に持ち、良いお米になって欲しいと願う。

我家に戻れば二人でPCをして座ったまま動かない。冷蔵庫の残り物で
簡単にできるカレーライスを素早く作ると、主人がお変わりをして

美味しそうに食していたが、何を聞かれても、私は無言で過している。
夏の川水が減った様に、私の丸い心も半月に減り、主人を冷たい眼で

見る事しか出来ない。友人、主人を含め3人で日帰りで外出する予定も
あるけれど、私は、決して彼を許さない。