今朝の正平調というコラムに。。。
 カンヌ国際映画祭で日本の14歳の少年が男優賞にかがやいた。

 「目の鋭さ」で彼を起用した是枝裕和監督の力量には脱帽だが、この受賞がなければ、日本の映画界が少年の魅力をどこまで評価したか。。。ベネチア国際映画祭でグランプリを獲得するまで、映画会社は黒澤明監督の「羅生門」をあまり認めていなかったという。ノーベル賞候補に名が挙がると、慌てて政府が国内での賞を検討する話も聞く。真偽のほどは定かでない。が、序列や人脈が幅を利かせる日本なら。。。とうなずかせる面はある。才能を見極めてまっとうに評価する。その点でこの国は、まだ発展途上にある。。。

 プロ野球記者は彼を「宇宙人」と呼んだ。「どう?」「いいっすよ」というスポーツ取材では普通の会話が成立しない。何についての「どう?」なのかを聞き返す彼への戸惑いが、命名にのぞく。

 「宇宙人」とは、日米通産で2000本安打を達成したイチロー選手のことだ。プロ入り直後の10年前の呼び名は間もなく「天才」に変わった。そう言わせる成績だとはいえ、「宇宙人」同様に、「天才」と呼ぶことでそれ以上の分析を諦めた気配がある。。。

 3年前、アメリカの野球専門誌がイチローの特集を組んだ。ゴロやライナーなどでイチローの打撃フォームがどう変わるか。「町田を狙うときは左のお尻のポケットあたりに重心を残す」とまで見て取る同僚選手の眼力に驚いた。日本の専門家らがここまで「天才」を分析した例は知らない。。

 レッテルにばかり心を奪われてしまって、実際のところは。。。実は何も分かっていない?そんな国民性を垣間見た気がして。。。レッテルなどに惑わされてはいけないですよねえ。皆さん!