「二筋の煙」
<<日本>>--川越--


火渡り用の樹木に点火された後に立ち上る二筋の煙。


点火は、手前と反対側の樹木の中心部の、2ヶ所から実施された。

濛々と立ち上る煙の様子は、一瞬風が止んだ空へと、生き物のように上っていった。

昔は燃えるゴミや、今頃の時期に積もった落ち葉を、家の前の路地に積んで、その中にさつま芋を入れて燃やし、焼き芋を作ったものだと、懐かしく思い出した。


この煙を見詰めながら、何時の間にかその路地もアスファルトとなり、焚き火などは全く禁止されてしまった現在の向こう三軒両隣は、二軒ほどが空き家となり、時代の変遷を思い知るのであった。